『SEOマーケティングの未来を読む vol.159』
「いつの間にかiモード携帯終わってた話」
【1】 もう1月も終わり
1月も終わりですね。
最近見た中で「お!」と感じた
面白い発想のサービスなどをご紹介します。
スマホジャック縦型MVです。カンヌ広告祭で銅賞になったあれ。
スマホで見てください。
サイトにパソコンでアクセスし、表示されるQRコードをスマート
フォンで読み取ると、篠崎愛さんからプライベート風な電話が
かかってくるあれです。
発想の豊かさ、面白さ。
クリエイティブは人を豊かにします。
同じような仕組みでこんな感じにスポーツ選手から電話来ても興奮しますね。
稀勢の里関とか、キングカズとか、アレックスファーガソンとか(英語やけど)。
こういうサイトがある以上、技術上では「つくれる」ものなので、
制作側で見てるとワクワクしますね。
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画
■ 第235話
コミュニケーション手段
バグの見つけ方を轟探偵が教えてくれます!
■ 第234話
数字化
呉くん感動の「全米が泣いた」改め「全小生が泣いた」話。サンタは実はOOだったなんて。クリスマスに何があったの?
■ 233話
amazonセール
サブリミナル効果は、頻繁に目にすることで閲覧者が潜在意識に刷り込まれる効果のことです。有名な広告の方法です。
【3】 いつの間にかiモード携帯終わってた話
今回はiモードの話。
手元にある携帯電話やスマートフォンでメールやインターネット。
当たり前の光景ですよね。
しかしそれは1999年以降のお話で、それ以前には出来なかったことでした。
携帯電話によるメールやインターネットの利用を世界で最初に実現させたのが、
1999年2月にデビューしたNTTドコモのサービス「iモード」だったのです。
携帯電話からインターネットへのアクセスを可能にした
iモードという画期的なサービスの利用者は、開始半年で100万人を超え、
人々の間に定着し、生活を変えていきました。
iモードはまさに携帯電話の世界に革命を起こしたのです。
しかし時は流れ、スマートフォン全盛の昨今、
ついにドコモはiモード携帯の出荷を今年11~12月中に終了させ、
在庫限りの販売にすると発表しました。
スマートフォンから携帯端末を利用し始めた若い世代からは
「だから何?というかiモードって何?」
1999年以前から携帯電話を利用していた世代からも
「まだあったの?」
そんな声が聞こえてきそうです。
しかし、携帯端末でインターネットというサービスの先駆者的存在であり、
スマートフォンの原型と言えるiモードの終焉と考えると、
感慨深いものがあるのではないでしょうか。
今回のメルマガは、そんなiモードのお話です。
ちなみに、私が大学入学したのが1996年。
関大では受験時にまだ拡声器をもって
主張する方がちらほらいましたし、ポケベルが主流でしたが兄が
「ポケベルはもうすぐ携帯に全部変わるで」
言ってましたがその通りになりました。
今でもあのとき、兄に先見の明があったような気がしますが、
仕事してるとその感覚は強くわかります。
仕事上でも「これいいやん」いうものは流行ります。
逆はあかんです。
iモード携帯電話の出荷を終了すると発表したNTTドコモ
iモードベースの携帯電話の出荷を年内で終了させ、
在庫販売だけにとどめるとNTTドコモが発表しました。
日本の携帯端末メーカーが専用OSを載せたいわゆるガラケーの生産を
2017年以降に中止しAndroid端末に統一するとの報道も既にされており、
iモード機で使用している部品の製造を終了するメーカーも増えていることから
「今後ガラケーは販売されなくなるのでは」
「iモード携帯の継続は難しいのではないか」
と囁かれていました。
ですので、今回のドコモの発表を聞いても
「やっぱり」という感想しか持たなかった人もいるかもしれません。
ドコモが販売中の携帯電話の機種には
「独自のネット接続方式によるiモード方式」
「スマートフォンと同じ高速通信(LTE)によるspモード方式」
の2種類あります。
今後はAndroidベースのspモードの携帯電話に絞って展開していくようです。
iモードベースの携帯電話の販売を終了するといっても、
iモードの各種サービスについては引き続き利用できるようですし、
iモードサービスの新規契約も受け付けるそうです。
(入る人っているのでしょうか)
従来型のいわゆるガラケーを求めるユーザーには、
お話したとおりAndroidベースのspモード携帯も用意されているわけですし、
そのspモード携帯もiモードと同じような使い勝手で利用できるよう
開発されているため、違和感なく利用できるようです。
また、初心者や高齢者といった、
携帯電話の操作に不慣れなユーザーをターゲットにした、
シンプルさや操作の簡単さをコンセプトとして設計された
ドコモらくらくホンについても当面出荷を継続していくそうです。
しかし今回の発表に対し
「一つの時代が終わった」という感想を持つ者も多くいるようです。
また、この発表の二ヶ月ほど前の時点でiモード携帯電話の契約数は
1700万件以上も残っているのだとか。
「親はずっとiモード携帯使っているから心配だ」
という声も挙がっているようです。
ドコモ加藤薫社長の言葉
ドコモの加藤薫社長はフィーチャーフォン(ガラケーの別名ですね)の今後につ
いて、
こう語っています。
「フィーチャーフォンはずっと提供したい」
「ただ、今のフィーチャーフォンはOSにSymbianやLinuxを搭載しており、
それに対応する部品を使っている。
その供給が物理的になくなってくる時期があるように聞いており、
それには対応する必要がある」
フィーチャーフォンのニーズはいまだに強いため、こうも言っています。
「フィーチャーフォンの定義は難しいが、
『お客様にとってのフィーチャーフォン』はずっと提供したい」
「お客様にとっての操作性やサービス性は維持しながら、
折りたたみでテンキー操作の端末はずっと提供していこうと思っている」
「個人投資家などからも『フィーチャーフォンはずっと提供してほしい』と
要望を受けるたびに、間違いなく提供を続けますと言っている」
ガラケーの根強い人気を窺わせるコメントですね。
携帯電話の世界に革命を起こした「iモード」の歴史と特色
携帯電話でメールの送受信やウェブサイトの閲覧などができる世界初のサービス、
iモードは1999年2月にNTTドコモによって発表されました。
1999年以前、携帯電話はまさに電話をするためのものでしかありませんでした。
その携帯電話でメールやインターネットができるということは
まさに革命的であり、サービス開始当初からiモード対応の携帯電話は爆発的に
普及し、
同業他社も同種のサービスの提供に追従することになり、
日本のモバイル市場の発展と拡大に多大な貢献を果たし、
「パケ死」と呼ばれる社会現象まで引き起こすことになりました。
間単にiモードの歴史や特色などをおさらいしてみます。
「絵文字」「着メロ」「iアプリ」人気を博したiモードサービス
携帯でメールやインターネット以外にも、
iモードは数々のサービスを提供し人気を博しました。
そして、それらは今では当たり前となるほど定着しています。
それらのサービスとは「絵文字」「着メロ」「iアプリ」などです。
若い世代に人気だった「絵文字」
携帯電話でメールするという画期的なサービスの中で、
特に若い世代に人気があったのが「絵文字」でした。
顔の表情やさまざまな物の絵を文中に挿入することで、
文字だけでは伝わりにくい微妙な感情やニュアンスを表現することのできる絵文
字は、
特に思春期の中高生の間でよく利用されました。
絵文字だけでメールする、なんていうのも流行していたようです。
着メロの元祖「iメロディ」
そして「iメロディ」と呼ばれるいわゆる着メロも人気でした。
iモード以前の携帯電話の着メロといえば、
「あらかじめ携帯電話に設定されているメロディの中から選ぶ」
「自分でボタンを操作し1音ずつ打ち込みメロディを自作する」
この2通りしかありませんでした。
しかしiモードのiメロディでは、
「メロディのデータを課金してダウンロードする」
というシステムを採用しました。
初期のiメロディは、歌やボイスといった、現在のような多彩で高音質なもので
はなく、
電子音によるメロディではありましたが、
好きな曲を手軽に着メロにできるiメロディは十分に魅力的であったため、
着メロ人気を加速させました。
スマートフォンアプリの先駆け「iアプリ」
iモードのサービス開始から2年後の2001年に搭載された、
携帯電話にゲームなどのアプリをインストールして利用できるというサービス
「iアプリ」も注目されました。
現在のスマートフォンのように、
ゲームやスクロールできる地図なども提供されていました。
機種変更時にデータの引継ぎができないという欠点はあったものの、
まさにスマートフォンの先駆けとも言えるこのサービスは、
携帯端末の可能性を広げてくれるものでした。
iモードというサービスの誕生は、携帯電話を「ただの電話機」から
様々なソフトウエアを搭載できる「コンピュータ」に変えることにもつながり、
買換え需要に火をつけたと見られています。
「パケ死」社会問題
新しいサービスは、新しい問題をも生むものです。
それまでの携帯電話にはなかった楽しいサービスを実現したiモードは
「パケ死」という社会問題も引き起こすことになりました。
当時は現在のようなパケット定額サービスなど無い時代でした。
新鮮な驚きとともに色んなインターネットのウェブサイトを閲覧したり、
データをダウンロードしたりしているうちに、
自分でも気が付かないほどパケット通信を利用しすぎて通信料が跳ね上がり、
後から請求額を見て真っ青……ということがよくあったのです。
特に高額な料金を支払う能力の無い学生がよくこのような状況に陥っており、
こうした状況を表す「パケ死」という俗語も誕生したのでした。
携帯電話機からのインターネット利用者数
モバイルデータ通信市場というフロンティアを開拓しようと、
数多くのメーカーや通信事業者が無線機能を内蔵したパソコンや
小型の端末を製品化するなど試行錯誤していたのが1999年頃です。
そこに登場したのが、携帯電話からインターネットにアクセスできる
iモード携帯電話だったのです。
その後、携帯電話によるインターネットサービスは凄まじい勢いで普及したのは、
皆さんもご存知のことでしょう。
総務省のインターネット利用者の調査である「通信利用動向調査」によれば、
携帯電話機からのインターネット利用者数が2005年末には6923万人に達し、
6601万人とされるパソコンからのインターネット利用者数を抜いたそうです。
世界的に見ても携帯電話機からインターネットを利用する人の数は増え続けてい
ます。
スマートフォンの登場で
1999年にスタートしたiモード、2000年には写メールのリリース、
そしてワンセグやおサイフケータイなど
日本のガラケーは独自の進化を遂げてゆくことになります。
現在ガラパゴスと揶揄される日本の携帯電話は、まさに世界の最先端だったのです。
しかし2007年に「iPhone」が登場し、状況は一変。
iPhoneをはじめとしたスマートフォンに市場を奪われていくことになったのです。
まとめ
素晴らしいアイディアやそれを実現させる技術力を持ちながら、
市場を奪われ世界市場で存在感が希薄な日本メーカー。
世の中を変えるようなiモードのようなサービスがまた
日本から生まれる、というのはどうなんでしょうかね。
東洋経済オンラインさんのようなまとめで濁してみますが、
普通に「iPhone」同士だと、そこから外れると
「仲間に入れない」感じが出ます。
彼女と連絡取りたいからiPhone、みんなiPhoneだからiPhone、
こんな感じに機種など決めるのが大多数な気がします。
こういうときに考えるのが
「iモード」でもいいけど、iPhoneとやり取り面倒だからいや、
という負の発想です。
スタッフがポケモンGOできないからiPhoneを最新に変えたのですが、
「負を回避する行動原則」はいつも「快楽を求める行動原則」
に勝ちます。
そういうのってやっぱりうまいなあと感じます。iPhone。
(記載 谷 美輝)