『SEOマーケティングの未来を読む vol.157』
「ボタン注文、レジの無いコンビニ……Amazonの新サービスの話」
【1】28日で仕事納めになります
本年も一年ありがとうございました。
無事メールマガジンも150回を超えました。
オリンピックもあり、ピコ太郎もあり、あっという間に2016年も終わりです。
もう今年も98%が終わったんですね・・。
クレアネットは明日が仕事納めです。
みなさま1年ありがとうございました!
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画
◆第230話
サブリミナル効果
サブリミナル効果は、頻繁に目にすることで閲覧者が潜在意識に刷り込まれる効果のことです。
有名な広告の方法です。
◆第229話
クリスマスプレゼント
呉くんが音声検索で何か検索しているようです。
◆第228話
数字化
数字化について呉くん達が話しています。
【3】ボタン注文、レジの無いコンビニ……Amazonの新サービスの話
アマゾンの話です。
Amazonがついにドローンによる配達「Amazon Prime Air」に乗り出しました。
小さなヘリコプターが商品を配達してくれる、と言えばドローンをよく知らない人でもすぐイメージできるのではないでしょうか。
イギリスで行った実験では、注文からドローンによる配達まで、かかった時間はたったの13分だったそうです。
外に買い物に行くより早いかもしれませんね。
当然、これは限定された地域で実験されたものですので、技術的な問題や法的な問題からドローンによる配達が実際に行われるようになるまでにはまだまだ時間がかかるでしょうが、それでも実用化の第一歩と言えるでしょう。
またAmazonは「Amazon Dash Button」と「Amazon GO」という風変わりなサービスを展開しようとしており、注目されています。
今回のメルマガはこれらのAmazonの新しいサービスの話です。
イギリスでドローンによる配達に成功した「Amazon Prime Air」
ドローンによる配達サービス「Amazon Prime Air」によって初めて商品配送が行われたとAmazonが発表しました。
Amazon創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者はTwitterでこう呟いています。
「史上初のAmazon・プライム・エア配送を実施。クリックから配送まで13分」
ウェブサイト上ではドローンによる配達の動画も公開されています。
動画では、イギリス・ケンブリッジ近郊にすむおじさんがポップコーンを注文し、完全自動で飛ぶドローンによってそれが配達される様子が映し出されています。
この配達し帰還するまでのドローンの動きは、搭載したカメラを使って操縦したりはしておらず、GPSを使って完全自動で行われており、配達にかかった時間はわずか13分だったそうです。
Wikipediaの特徴
Wikipediaの特徴とはどのようなものかを箇条書きにしてみます。
「誰もが無料で自由に閲覧できる」
「誰もが匿名で自由に編集できる」
「著作権上問題がある記事の削除などの管理業務もユーザーが行う」
そして今回のテーマで最も重要なWikipediaの特徴が
「広告を一切掲載せず寄付で運営している」という点です。
「Amazon Prime Air」の特徴
イギリスで実験されたこのドローン配達を利用するための条件は、「ケンブリッジ近郊の物拠点から約13.5平方km以内に在住するAmazonプライム会員」だそうで、2世帯のみを対象に開始されたものでした。
これをAmazonはより広範囲に拡大し、データを収集することで、注文から常に30分以内に商品をドローンで届けられるようにすることを目標にしているそうです。
ドローンは約2.3kgまでの荷物を積載可能で、ドローンによる配達には定休日がなく、日中の天候が許す限り、数千もある商品の中から注文が可能だそうです。
また、ドローンと宅配センターを完全に連動させることで、ドローンへの積み込みから配達、帰還までの一連の操作全てをオペレーターのボタン操作ひとつで自動実できるシステムの開発もAmazonを終えているそうです。
実用化なるか?ドローン配達の問題点
完全自動のドローンによる配達。
SFの世界が現実のものになったようで夢のある話ですが、このサービスが普及するまでには、技術的な問題だけでなく、安全性や法に関する数多くの問題をクリアする必要があるようです。
Amazonは、アメリカ・ワシントン州シアトルに本拠を構える企業です。
しかしアメリカではドローンは常に操縦者の視界に入れておく必要があると考えられているためか、連邦航空局(FAA)によって業務用ドローンをオペレーターによる目視の範囲を超えて飛行させることは禁止されており、ドローンによる配送はかなり厳しく制限されています。
この制限は厳しすぎると批判が続出しているようですね。
イギリスでドローンによる配達の実験ができたのは、視野の外でのドローンの飛行の許可をAmazonがイギリス政府から得ることができたからです。
今回、ドローンによる配達実験が行われたイギリスのケンブリッジ郊外がイギリス政府からドローン配達の許可を得た地域というわけです。
難しい都市部でのドローン配達
専門家たちはドローンによる配送が普及することに懐疑的なようです。
専門家でなくても、故障、飛行中のバッテリー切れ、障害物に当たっての墜落、人との衝突……少し考えるだけでもたくさんの危険が思い浮かびますよね。
悪意のある人間の存在も考慮すれば、ドローンが狙撃されたり、ハッキングされたりすることだってあるかもしれません。
周囲に障害物が少なく荷物を下ろすスペースのある大きな庭つきの郊外の家に配達するのとは違って、人や障害物が多く、荷物を降ろすスペースの狭い都市部での配達はより難しくなります。
数ヶ月もすれば、ケンブリッジ近郊の住人たちの多くはAmazon Prime Airを利用できるようになっているかもしれませんが、アメリカの都市部で同じサービスを始めるのはちょっと難しいかもしれません。
しかし、Amazonは将来的にはドローンが郵便配達車と同じくらい一般的になると予想しており、実際にこうした問題をクリアしようとオーストリアに研究所を設立し、ドローンが周囲を検知して避ける技術を開発しているそうです。
トランプ当選で変わるか?ドローン規制
前述のとおり、アメリカでは業務用ドローンをオペレーターによる目視の範囲を超えて飛行させることは連邦航空局(FAA)によって禁止されており、技術的な問題と同じく、Amazonのドローンによる配達の実用化の大きな障害となっています。
しかし、ここで追い風となるのが、ドナルド・トランプ次期大統領です。
「違憲にならない限りは全ての大統領令と連邦規制を撤廃する」との方針を、彼は掲げているからです。
厳しすぎると批判されている連邦航空局(FAA)のドローン規制がトランプ次期大統領によって本当に撤廃され、技術が進歩すれば、ドローンによる配達がアメリカでも現実のものとなり、Amazonのいうようなドローンが郵便配達車と同じくらい一般的になった未来がやってくるのかもしれません。
「森岡さんはUSJの何を変えたのですか」という問いへの答え
「あなたはUSJの何を変えたのか」と問われた森岡毅氏は「消費者視点の組織にした」と答えるそうです。
今までのテーマパーク業界では、クリエイティブ部門が面白いと思うものを作り、当たれば大ヒット、外れたら大ピンチ、というものでした。悪く言えばそれは独りよがりでギャンブルのようなものでした。
森岡毅氏はこれを改め、USJを「消費者視点(consumer driven)」という
価値観に基づくテーマパークへと変えたそうです。
具体的にどうしたのかというと、マーケティング部門が消費者の望んでいるものが何かを分析し、何を作るか決め、製作の途中段階でも消費者視点から外れてはいないかを随時チェックするようになったそうです。
「消費者が求めているのは映画ではなく最高に楽しいものだ」と気づき、USJをハリウッド映画のテーマパークから方向転換させた森岡毅氏。
彼の行動には常に消費者視点という価値観があったからUSJは成功しているのかもしれません。
ボタンを押すだけで注文可能!?日本でも発売された「Amazon Dash Button」
ドローンによる配達以外にも、Amazonは新しい配達方法を考え出しています。
ボタンを押すだけでミネラルウォーターなどの食料品や、洗剤やシャンプーなどの日用品を注文できる小型端末「Amazon Dash Button」を日本でも発売しています。
この小型端末は年会費3900円のプライム会員のみが500円で購入できるようになっています。
端末価格500円と言っても、この端末から購入すれば初回注文の金額から500円が差し引かれるようになっているので、実質無料となっています。
端末は省電力で数年使うことができ、1000回以上の注文が可能。
またバッテリーの寿命が尽きてもAmazonが無償で交換してくれるそうです。
Amazon Dash ButtonはスマートフォンアプリとBluetoothでペアリングし、自宅のWi-Fiと接続。
そしてアプリでボタンで注文したい商品を選択することで使うことができるようになります。
それぞれの消耗品や日用品の近くにこのDash Buttonを置いておき「あ、そろそろ無くなるな」と思えばボタンをピッとするわけですね。
当然、登録しておける商品は後から変更可能で、ボタンを押してからのキャンセルも可能。
お急ぎ便にも対応しているため、朝注文して夕方に受け取る、ということも可能だそうです。
「日用品の買い物は楽しくない」?
「日用品の買い物はただの労力であり、ショッピングに行っても楽しいものではない」
「Amazonのミッションは、日用品のシッピング体験を消滅させること」
ボタンをピッするだけで食料品や日用品が補充できるのは、便利な反面、味気ない気もしますが、確かにそう言われればそのような気もします。
実際、このAmazon Dash Buttonが2015年にアメリカで発売されてから12カ月で売上が5倍に伸びる商品も出てきたそうです。
ボタン1つで日用品や消耗品をリピート注文させることができるのですから、5倍に増える商品があってもおかしくない気がします。
当初は18ブランドしかなかった品目も、現在は200ブランドまで拡大しており、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインなどでも販売されているそうです。
レジでの会計不要な「Amazon Go」
また、Amazonは2017年にはコンビニエンスストア事業に参入し、新しい形態のコンビニをオープンさせると発表しています。
その名も「Amazon Go」(どこかで聞いたような名前ですね)
この2017年にオープンするという「Amazon Go」は、「欲しい商品をバッグに入れて店を出るだけで代金の支払いが完了する」という画期的なシステムになっています。
客は、まず入店時にスマートフォンをゲートにタッチさせ本人認証を済ませます。
後は自由に商品を手に取り、バッグへしまい、店を出るだけ。
カメラやセンサーがどの商品を手に取りカバンにしまったのか、それとも棚に戻したのかを認識し、店を出る際にスマートフォンに登録されてあるAmazonアカウントで決済が自動的に完了するという仕組み。
ICカードによる支払いや、無人レジは日本でも普及の兆しを見せていますが、このAmazon Goではそれよりさらに進んで、わずらわしく時間のかかるレジでの会計すら無くしてしまうというわけです。
(棚に戻したはずの商品の料金の分まで引き落とされそうでちょっと怖い気もしますが)
Amazonは現在、本社のあるワシントン州シアトルの店舗で、Amazonの従業員向けにAmazon Goをテストしている段階で、2017年前半には一般向けにも開放する予定。
将来は実店舗も日本を含めた海外で展開する可能性があるそうです。
まとめ
Amazonのこれらの試みを見ていると「どうすれば消費者はもっと物を買いやすくなるのか」という点をとことん追求しているのがよくわかります。
よく言えば顧客中心主義を貫いており、それがこれらの新たなアイディアを生んでいる、と言えるかもしれません。
日本人にさんざん物を売っておきながら日本に納税しないことや、職場環境が劣悪であると叩かれることも多いAmazonですが、こうした姿勢は見習いたいものです。
日用品のシッピング体験を消滅させること、なんてすごいですね。
本来のショッピングが楽しい反面、日用品の買い物は楽しくない。
この視点は実に大事ですし、わかります。面倒なことを置き換える発想。
(記載 谷 美輝)