『SEOマーケティングの未来を読む vol.156』
USJ森岡執行役員が退任
【1】あべのハルカススカイラン完走
あべのハルカススカイラン。
ハルカスの非常階段を登るという過酷なレース。
参戦してまいりました。
あべのハルカスの非常階段を駆け上がるマラソンレース。
日本ではまだ馴染みのないこの競技は、ひとたび海を渡ればロンドン、ニューヨーク、パリなど、世界9か所で開催されている人気レースだそうです。
あべのハルカスは地上高300m、日本一の高さを誇る超高層ビル「あべのハルカス」
どこ走るんだと下から見てみると、
「この高さ登るのか・・」
という感じでしたがいちおう登りきったあとの景色は絶景。
タイムは15分ちょうどくらい。
スタッフも一緒に走りましたが全員完走でした。よかったよかった。
あべのハルカススカイラン、来年も参戦予定です。
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画
◆第229話
クリスマスプレゼント
呉くんが音声検索で何か検索しているようです。
◆第228話
数字化
数字化について呉くん達が話しています。
◆第227話
文脈効果
映画といえばポップコーン。では企業サイトといえば?
◆第226話
PPAP引き続き
今週も呉くんが流行のアレをしています。今回は何を組み合わせるのでしょうか?
【3】V字回復マーケティング:USJ森岡執行役員が退任
ほんと先程入ってきたニュースですが、USJ森岡執行役員が退任とのこと。
V字回復マーケティングで、とんでもない成果を出して、15年度の来場者数は1390万人と2年連続で過去最高を記録したそう。
今のこのタイミングで?とか思いますし、以前にも取り上げたのですが「中小企業は攻め続けるしかない」USJを救った森岡毅氏の戦略
森岡毅氏の戦略
とにかく戦略も戦術もすごい、と感動したものです。
今回のメルマガではこのUSJについて。さらにマリオが来るとか来ないなどまとめました。
V字回復マーケティング 森岡さんの手腕とUSJ
「世界最高を、お届けしたい」という理念のもとに「ハリウッド映画のテーマパーク」というコンセプトから離れ
アニメやゲームなどのコンテンツも積極的に展開していくようになった大阪府大阪市此花区にあるテーマパーク
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。
そのUSJに近い将来、ゲームの雰囲気やアクションを実体験できる「任天堂のテーマパーク」が出現するそうです。
あの任天堂の人気キャラクターマリオのようにジャンプしてドカッとブロックを破壊したり土管をニュンニュンニュンと通り抜けたりしたときの
ゲーム画面を通して体験していたあの興奮と楽しさをリアルで体験できる新エリアがUSJで展開されるというのですから、期待せずにはおれません。
日本だけでなくアメリカにも2か所で展開されるそうです。
今後さらにUSJや関西が活気付くことを願います。
今回のメルマガはこの任天堂のテーマパークと、USJの話です。
Wikipediaの特徴
Wikipediaの特徴とはどのようなものかを箇条書きにしてみます。
「誰もが無料で自由に閲覧できる」
「誰もが匿名で自由に編集できる」
「著作権上問題がある記事の削除などの管理業務もユーザーが行う」
そして今回のテーマで最も重要なWikipediaの特徴が
「広告を一切掲載せず寄付で運営している」
という点です。
マリオがUSJに出現?ついに実現するマリオワールド「任天堂のゲームの世界観を壮大なスケールでリアルに再現したテーマパークを展開する」
……アメリカのUniversal Parks & Resortsと任天堂が正式にこう発表しました。
日本国内では大阪のUSJで、アメリカではオーランドとハリウッドのユニバーサル・オーランド・リゾートとユニバーサル・スタジオ・ハリウッドの2か所で展開するそうです。
任天堂テーマパークには、複数のアトラクションとショップレストランなどが用意されるそうです。
東京五輪が開催される平成32年までのオープンを目指しているといいますから、あと2、3年ほどで完成するのでしょうか?楽しみですね。
この任天堂のテーマパークのプロジェクトは、あの独特の雰囲気をもつ世界とキャラクターたちを生み出した任天堂のオリジナルのゲームの開発者たち、
そしてユニバーサルを支えるクリエイティブチームが協力して進めているそうで、あのゲームの世界をリアルに再現し、年齢やゲームの熟練度に関係なく、来場者すべてが実体験して楽しめるテーマパークにするそうです。
実は以前から発表されていた任天堂のテーマパーク
実は2015年には、テーマパークビジネスを共同で展開するために、任天堂とアメリカでユニバーサル・スタジオを運営するUniversal Parks & Resortsが提携した、ということは発表されており、
マリオなどの任天堂の人気キャラクターが多数登場するテーマパークを
USJの新エリアに建設することや、
「日本発のキャラクターを使うので、世界に誇れるものにしたい」と、投資額450億円のハリー・ポッターのエリアを大きく上回る500億円以上の投資を行うことも明らかにしていたのですね。
ゲーム機の販売不振で業績の低迷が続いていた任天堂は、人気キャラクター「マリオ」などのIP(知的財産)の活用を含め、
積極的な事業展開を進めると以前から発言していましたから、今回の任天堂のテーマパークを展開する話もIP活用の一貫なのかもしれません。
快進撃を続けるUSJ
2016年3月18日に開業15周年を迎えたユニバーサル・スタジオ・ジャパン。
このUSJの快進撃が続いています。
任天堂のテーマパークが出来たら、USJはもっと人気が出て、来場者数も増えるでしょうね。
(そして年間パスの値段もさらに上がりそうです)
USJと聞いて人々が思い出すアトラクションはいくつもあるかと思います。
2013年の「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」は、
既存のジェットコースターを後ろ向きに走らせるだけ、というシンプルなアイディアだったにも関わらず、
オープンするなり大人気で、待ち時間9時間40分という日本のアトラクションの待ち時間の記録を更新してしまいました。
2014年には世界的な人気を誇る映画「ハリー・ポッター」をテーマとしたエリア
「The Wizarding World of Harry Potter」を新設しました。
約450億円を投じ、東京ドームのグラウンド約3個分という大きな敷地に、映画の世界観を忠実に再現した城と街を作り、ショップやレストランと2つのライドアトラクションを作りあげました。
2016年の15周年イベントでは、空の恐竜プテラノドンに背中をつかまれて乗車する
「ザ・フライング・ダイナソー」も新設。
2011年から行われている「ハロウィーン・ホラー・ナイト」も大当たりしていま すよね。
日本人には馴染みの無かったハロウィーンに目を付け、女性が楽しめるよう非日常をコンセプトとしたものです。
9~10月の夕暮れ以降、明るく賑やかなUSJの雰囲気が一変し特殊メイクのゾンビが徘徊するようになるというこのイベントの集客数は、最終的には集客数は40万人を超えたそうです。
今ではハロウィーンと言えばUSJとまで言われていますね。
これだけ見ていると、USJはやることなすこと成功を収めているような気がしてしまいます。
経営破綻状態だったUSJを救った森岡毅氏
ここ数年のUSJの快進撃を見ていると忘れてしまいそうになりますが、USJには事実上の経営破綻に追い込まれていた時期もあったのです。
2001年に華々しくオープンしたUSJの年間集客は、初年度1100万人。しかしそれ以降は集客が激減。
ジリ貧状態が続き、2004年には事実上の経営破綻にまで追い込まれていたのです。
そのためアメリカのユニバーサルからグレン・ガンペルが社長として招かれることとなります。
2010年、ガンペル社長はP&G本社でシャンプーなど日用品のマーケティングをしていた森岡毅氏に声をかけ引き抜きます。
これがUSJ復活のきっかけとなったのです。
森岡毅氏の手腕により、2010年度のUSJの年間集客は730万人だったにも関わらず、2015年度はその倍の1390万人に達しています。
そして2015年10月には過去最高の月間175万人を集客しています。
現在、引き抜かれた森岡毅氏は2012年より
同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長となっています。
関西圏以外の人々がUSJの名を耳にするようになったのは2014年のハリー・ポッターをテーマとしたエリア「The Wizarding World of Harry Potter」が新設された頃からだと言われてい ます。
しかしUSJ側にいわせると、それ以前からの積み重ねがあったからだそうです。
経営破綻の状態から、USJはどうやって復活したのでしょうか?
素晴らしいアイディアと実行力で成し遂げられたUSJのV字回復
2010年から2014年の「The Wizarding World of Harry Potter」新設までの
USJの起死回生ドラマは、本当に面白く、ためになるので、ちょっと詳しく取り上げてみたいと思います。
2010年にUSJに入社した森岡毅氏の最初の大きな仕事は、2011年の開業10周年イベントでした。
しかしその年、東日本大震災が発生。
日本は自粛ムードが漂い、USJには閑古鳥が鳴くようになったそうです。
そこで社内の反対を押し切り関西の子供は入場無料とする「キッズ・フリープログラム」を実施。USJに活気がよみがえったそうです。
そして2011年から「ハロウィーン・ホラー・ナイト」が開始されます。
ひっそり開催されていたゾンビイベントのビデオを見て、
「パーク内に何百体もゾンビを放ってはどうだろうか」
「パーク全体をお化け屋敷化したら面白いのではないか」
と閃いたのだそうです。
2012年には、親子連れをターゲットとした「ユニバーサル・ワンダーランド」をオープン。
小さい子供やそのお母さんという、大人向けのアトラクションばかりでは取りこぼしていた客層も呼び寄せることができたのでした。
先ほども述べた2013年の既存のジェットコースターを後ろ向きに走らせた「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」は待ち時間9時間40分という日本のアトラクションの待ち時間の記録を更新する大 ヒット。
バックドロップは既存の設備を利用していますし、ハロウィーン期間中にゾンビのアルバイトを何百体雇っても設備投資費はゼロです。
このように、少ない投資でイベントをヒットさせ続けたことが450億円もの巨額投資を可能にし「ハリー・ポッター」の大成功につながったわ けですね。
熱狂的なファンは寒くても平気?閑散期を救う「ユニバーサル・クール・ジャ パン」
またUSJといえば、「エヴァンゲリオン」や「進撃の巨人」などの人気アニメをアトラクションに導入したイベント「ユニバーサル・クール・ジャパン」も有名ですね。
これはテーマパークの閑散期である1、2月を強化するためのものだそうです。
アニメやゲームなどのコンテンツには一定数の熱狂的なファンが存在しており、そうしたファンたちは、季節に関係なく来場してくれるからだそうです。当然のことですが、ここまで計算してイベントは展開されているのですね。
「森岡さんはUSJの何を変えたのですか」という問いへの答え
「あなたはUSJの何を変えたのか」と問われた森岡毅氏は
「消費者視点の組織にした」と答えるそうです。
今までのテーマパーク業界では、クリエイティブ部門が面白いと思うものを作り、当たれば大ヒット、外れたら大ピンチ、というものでした。悪く言えばそれは独りよがりでギャンブルのようなものでした。
森岡毅氏はこれを改め、USJを「消費者視点(consumer driven)」という
価値観に基づくテーマパークへと変えたそうです。
具体的にどうしたのかというと、マーケティング部門が消費者の望んでいるものが何かを分析し、何を作るか決め、製作の途中段階でも消費者視点から外れてはいないかを随時チェックするようになったそうです。
「消費者が求めているのは映画ではなく最高に楽しいものだ」と気づき、
USJをハリウッド映画のテーマパークから方向転換させた森岡毅氏。
彼の行動には常に消費者視点という価値観があったからUSJは成功しているのかもしれません。
まとめ
森岡毅氏の言葉は 示唆に富み考えさせられるものばかりです。
消費者視点に関して、彼は
「消費者視点の発想というものは、意外とできそうでできない」
「消費者視点を持てない企業は、今後ますます苦しくなる」
「日本の優秀なマーケターは外資系企業に流出するばかりで
その先に待っているのは日本企業の全面敗北」
「日本を愛する私としては、そんな状況を、指をくわえて見ているわけにはいき
ません」
と語っています。
日本を愛する森岡毅氏が、世界的に有名な任天堂のマリオなどの日本発のキャラクターを使って作る、消費者視点の任天堂テーマパーク。
顧客の視点に立って進化する企業が勝てないはずがない。
そう感じます。
(記載 谷 美輝)