メールマガジン

進化するモバイルヘルス分野

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『SEOマーケティングの未来を読む vol.152』
進化するモバイルヘルス分野

 

【1】 進化する体温計

体温計、昔子供の頃は5分くらいワキに挟んでいた
記憶がありますが、最近は早く体温が計れるようになりました。

風邪ひいて病院行っても、大体30秒もあれば
「ピピッ」となって体温が計れる、のですが、
最新のもので、頭から少し話して非接触式タイプもあります。

温度を測定したい場所に当て、スイッチを押すだけで
簡単に測定できます、というもの。

「ange (アンジュ) 非接触赤外線デジタル温度計 ボタンを押して測定1秒 医療
機器メーカーが作った非接触温度計」

医療 機器メーカーが作った非接触温度計

赤ちゃんの検温に便利ですね。
これも進化なんですが、そういった今回は
ヘルスケア分野に関する話です。

 

【2】 WEBマーケティング4コマ漫画

◆第221話  
インサイト
呉くんと轟部長がインサイトについて話しています。

◆第220話 
プライバシー配慮
呉くんがストリートビューで見たものは?

◆第219話
社員数の数え方
呉くん達が社員数について話しています。

◆第218話
イノベーター
最近は電子書籍が当たり前になってきましたね。呉くん達は使っているのでしょうか?

 

1

 

【3】進化するモバイルヘルス分野

今回は進化するモバイルヘルス分野の話です。

イタリアでは「フランス病」、フランスでは「ナポリ病」と呼ばれる病をご存知でしょうか。

国によって様々な名で呼ばれるこの病とは、最も代表的な性病……梅毒のことです。

15世紀にヨーロッパで蔓延した梅毒は、ペニシリンが発見されるまでの長い期間、不治の病とされていました。

そのため梅毒の歴史は古く、王族や芸術家、文豪といった歴史上の人物にも感染者が多かったそうです。

日本では、江戸時代に吉原などの遊郭を中心に大流行しています。

ちなみに最下級の遊女を、梅毒をうつされてしまうことから、吉原の隠語で「鉄砲」と呼んだそうです。

しかし、すでに梅毒は完治する病となり、患者数も激減したため、現在イメージされる性病と言えばエイズです。

その梅毒やエイズの検査が、スマートフォンで可能になるそうです。

「スマートフォンで、そんなことまでできるようになったのか!?」

と驚きを隠さずにはいられません。

今回のメルマガでは、梅毒やエイズの話を絡めながら、進化するモバイルヘルス分野について調べ、感想を語ってみたいと思います。

 

梅毒の歴史

中世に猛威を振るったペストに変わりヨーロッパの人々を苦しめるようになったのが、梅毒です。

1493年にコロンブスがアメリカ大陸を発見し、1493年にスペインに帰国した際に、梅毒は大流行しました。

このため梅毒はスペイン病と呼ばれたそうです。
その後、戦乱のヨーロッパでフランス軍がイタリアに侵攻した際に梅毒が持ち込まれ、特にナポリで流行したため、フランスでは梅毒はナポリ病と呼ばれるようになりました。

しかしイタリア人は、フランス軍が梅毒を流行させたと考え、フランス病と呼んだそうです。

 

梅毒の進行

梅毒はトレポネーマという病原菌が皮膚や粘膜の小さな傷から侵入し、血液中に入って全身に広がることで感染します。

感染した場所に小豆やえんどう豆くらいの大きさの赤茶色のしこりができたり、太ももの付け根の部分がはれたりし、その後、心臓、血管、神経、目などに重い障害が出ます。

 

増加する患者数と、梅毒に必要な早期治療

不治の病として恐れられ続けてきた梅毒も、治療薬ペニシリンが発見され、今では早期治療すれば完治するようになりました。

また、妊婦の場合、胎盤を通して胎児に伝染し、死産や奇形を引き起こす可能性があるため、日本も含む多くの国で妊娠初期の梅毒検査が義務づけられています。

そのためか、1967年に1万1000人と最高だった日本の感染者数もずっと減少傾向にあり、梅毒は「過去の病気」として捉えられるようになりました。

しかし近年、日本の梅毒の患者数が、25~39歳までの若年層に増加しているそうです。 

2012年875人だった患者数が、13年には1228人、14年には1671人と3年連続で増加しているそうです。

感染拡大を防ぐためにも、ためらわずに病院で検査を受け、早期治療を受けてほしいと専門家は話しています。

梅毒に感染しているとHIVにも感染しやすくなるため、梅毒に感染した場合はHIV検査もあわせて受けた方がいいそうです。

 

エイズとは?「HIV」と「エイズ」の違い

体内に侵入してきた様々な菌やウイルスから体を守る機能を免疫と呼びます。

「HIV」と呼ばれるウイルスがヒトに感染すると、免疫の働きを助けるTリンパ球やCD4陽性細胞を破壊し、免疫力を低下させてしまいます。

HIVに感染し免疫力が低下すると、健康な状態ではかからない様々な病気にかかりやすくなります。

そうした病気に発症した状態を、エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)と呼びます。

要するに、HIVはウイルスの名前で、そのウイルスに感染し発症する病気がエイズです。

そのためHIVは「ヒト免疫不全ウイルス」もしくは「エイズウイルス」とも呼ばれています。

 

エイズの症状

HIVに感染すると、免疫力が弱くなり、2~4週で発熱、のどの痛み、倦怠感、筋肉痛といったインフルエンザのような症状が出ます。

この症状は数週間でなくなり、数年から10年ほど症状が無い期間が続きます。

しかし免疫力が更に低下してくると、下痢や急激な体重減少などが起こり、悪性腫瘍や神経障害といった様々な病気を引き起こします。

 

エイズ患者数と日本

世界の地域別にHIV感染者数を見てみると、サハラ以南のアフリカが最も多く、70%を占めると言われています。

そのため、HIV感染者は途上国に多いというイメージです。

しかし、主な先進国の中で、唯一日本だけが患者数が増加傾向にあると言われています。

日本では、新たにHIVに感染した患者は20代~30代が多いそうです。

しかし、エイズを発症してしまう患者は30代以上が多く、ここ3年で発症率が高いのが50代以上だそうです。

これはつまり、HIVやエイズに対する危機感の無さや無関心からHIV感染に気づかず、適切な治療も受けなかったため、エイズを発症してしまったことを表しています。

 

進歩するエイズ治療

ひと昔前まで、エイズも死の病と捉えられていました。しかし現在の医療は進歩しています。

適切な治療を行えば、体内からHIVを完全に排除し完治させることはできませんが、HIVに感染してもエイズの発症を抑えそれまでと変わらない生活を送ることができるようになっています。

そのため、検査を受け、早期発見することが大切です。

 

ライフスタイルだけでなく医療業界も大きく変えるスマートデバイス

エンターテイメントに買い物にモバイル決済と、この数年で人々の生活はスマートフォンやタブレットによって大きく変えられてきました。

動きが遅いと言われる医療分野でもすでにスマートデバイスによる変化は起こっており、処理能力やクラウド技術の進化を背景に、医療に特化したスマートデバイスも産み出されています。

スマートデバイスのOSは、AppleのiOSとGoogleのAndroidで二分されています。

世界で多くのシェアを持つのはAndroidですが、医療業界でプラットフォームとなっているのはAppleのスマートデバイスです。

Androidは、低所得者や途上国の市場に強いという特徴があり、ハードウェアやソフトウェアの仕様が変わった場合、互換性に不安が残ります。

一方、AppleのiOSは、先進国や富裕層で圧倒的なシェアを誇っており、iOSデバイスであれば動作する互換性の高さが評価されています。

それが医療業界でiPadなどのAppleのスマートデバイスが採用される要因のようです。

iPadなら大量のデータでも持ち運ぶことができるし、患部の写真もその場で撮影しクラウドのデータベースで共有することもでき、大幅なコスト削減にもつながることから、アメリカではパソコン向け電子カルテソフトよりも、iPad向けの電子カルテアプリの方が主流になりつつあるそうです。

 

スマートフォンでHIVの検査が可能に

先ほど説明したように、医療アプリによってスマートデバイスと医療が連動され、この数年でモバイルヘルス分野が目覚ましい速度で進化しています。

そんな中、コロンビア大学の研究チームが開発したスマートフォンのアクセサリー機器が話題になっています。

そのアクセサリー機器は、指先の血液を採取し、スマートフォンのイヤホンジャックに接続するだけで、HIVや梅毒の検査を実施することができるからです。

肝心の性能ですが、HIV検査法として広く知られている「酵素免疫抗体法(ELISA法)」とほぼ同等ということです。

標準的な診断検査装置の価格は210万円程度ですが、このアクセサリー機器の製作単価は、たったの4000円程度だそうです。

検査に必要な時間も15分以内とのことですから、医療業界にとって画期的と言う他ありません。
 

 

望まれる僻地での実用化

この機器の研究は、アフリカ・ルワンダの女性96人の協力の下で実施されたそうです。

近くに病院も無いために十分な医療サービスが受けられず、エイズなどが蔓延しているアフリカの僻地といった場所での実用化が期待されています。

小型でスマートフォンにも接続可能となれば、実用性も高く、持ち運びも簡単ですからね。

 
 

先進国でも期待されるスマートフォンによる性病検査

このアクセサリー機器は、途上国だけでなく先進国でも期待されています。

性感染症という病気は、非常にデリケートな問題でもあります。
検査をしたくても、病院に出向くことが心理的に負担になる人は少なくないでしょう。

そうした先進国の人間にとって、思い立てばすぐ、手軽に、検査を可能にしてくれるこのアクセサリー機器の需要は高いと思われます。

いくらスマートフォンが普及し、医療アプリが進化したといっても、医師の代わりをスマートフォンができるわけではありません。

しかし、スマートフォンによる医療革新がこれからどんどん進むことだけは、間違いないでしょう。

 
 

まとめ

過去の病気だと思っていた梅毒の患者数が日本で増加し続け、先進国のうち日本だけがエイズの患者数が増加しているという事実は意外でした。

しかし、それ以上に、スマートフォンで性病検査ができるアクセサリー機器が発明されたということに驚かされました。

梅毒もエイズも、治療には検査による早期発見が重要ですから、こうしたスマートフォンを使って自宅で簡単に検査できる機器は日本でも十分に需要があるでしょう。

病気の感染や拡大を防ぐという意味でも期待できます。
IT業界では、あっと驚くような新しい発明やサービスが産み出されています。

ちょっと油断していると、すぐに置いていかれてしまいます。

体温計でさえ自分で滅多に使わないものはなかなか知らないのが普通・・・。( ;∀;)

ですので、こうした新しい発明の情報には、なるべく、敏感でありたいと思います。便利=進化ですので。

(記載 谷 美輝)

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*