メールマガジン

ツイッターなどwebサービス運営者側の難しい対策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

『SEOマーケティングの未来を読む vol.150』
ツイッターなどwebサービス運営者側の難しい対策

 復習

【1】 パラリンピックが終わり

9月パラリンピックが終了しました。

見てても本当にすごいですね、走ったり飛んだり、泳いだりトレーニングを行い競技に取り組む選手たちの特集を見ると思わず「すごい!」と感動です。

今回見て気付いたのですが、

■ マラソン日本代表 和田伸也さん
和田伸也さん

『チャレンジを恐れず自らの人生を充実させている和田さん。

後輩の学生たちには「出会いを大切にして好きなことを見つけ、諦めずに続ければ、いつかきっと夢がかなうはず」と熱いメッセージを送ってくれた。』

気付いたというのは、同年代で同じ学び舎で過ごした方がこんな活躍をしていたというのは嬉しい限りです。

和田さん今回は惜しくもメダルではありませんでしたが、マラソン2時間30分代の記録でした。

「お前も頑張れや」と言われているような気持ちに。
必死のパッチで頑張ります。

 

【2】 WEBマーケティング4コマ漫画

◆第216話
ノマドワーカー
呉くんと轟部長がノマドワーカーについて話しているようです

◆第215話
著作権とSNS
呉くんと轟部長がSNSについて話しているようですが…

◆第214話
受信相手先
呉くんがスマホをなくしてしまったようです。

◆第213話
マリオやドラえもん
呉くんがなんだか楽しそうです。何があったのでしょうか?

 

1

 

【3】ツイッターなどwebサービス運営者側の難しい対策 

140文字以内の短文をウェブ上に投稿し共有するサービス「ツイッター」。

コミュニケーションを交わして友人や仲間や見つけたり、情報を発信して自分をアピールしてファンを増やしたり、情報を集めてみたりと、様々な利用目的で様々な人々がツイッターを利用してい ます。

残念なことに、匿名でアカウントを作成できるため、ユーザーの中にはいじめや犯罪目的でツイッターを悪用する反社会的な人間もい ます。

その中でも最も悪質な人間は「テロリスト」でしょう。

脅迫やテロ行為を助長する投稿は当然ツイッターのユーザー向けルールで禁止されています。

しかし実際には、テロリストやその支持者によって、ツイッターは宣伝活動や支持や称賛を表明する場として使われてきました。

過激派組織「イスラム国」(IS)のような過激な思想がツイッターなどを通して拡散されることを国連は問題視しており、またテロに敏感なアメリカ社会も強い懸念を抱いています。

この現状の解決のために、今年の8月、ツイッターはイスラム国(IS)などに関連すると見られる36万以上のアカウントを停止したと発表しました。

Twitterがこのように反テロへの取り組みをアピールする背景には、ツイッターが過去に何度かテロの犠牲者の遺族から「ツイッターがテロを支援した」として訴えられている事実があります。

「言論の自由を守る」と「テロ集団の賛同者を増やさないよう過激なメッセージの拡散を防ぐ」という、相反する2つの作業をTwitterは強いられているのです。

今回のメルマガはこのツイッターのテロ対策のための36万以上のアカウントの停止と、それに関連する問題について取り上げてみたいと思います。

ツイッター見てても「アカウントbangされた!」という方も見たりしますが、これって運営者側には本当に難しい部分です。

 

ツイッターを悪用するテロリスト

イスラム国(IS)は積極的にインターネットを利用し、情報を発信しています。

インターネット上で公開された、欧米の人質を殺害する残虐な映像を覚えている方も多いでしょう。

イスラム国(IS)の軍事訓練の様子を映したPRムービーは、高度な編集とBGMによって視聴者が「イスラム国(IS)の隊員=カッコいい」というイメージを抱くように演出されており、欧米の若者にエキサイティングだと感じさせるような内容になっています。

戦闘員となったイギリス人に英語でインタビューする様子なども流されており、欧米出身の隊員がいるのだとアピールしています。

このようにイスラム国(IS)は隊員や賛同者を増やすための宣伝活動や資金集めにインターネットを利用しており、当然ツイッターも積極的に利用しています。

英語でツイートする構成員も少なくなく、人材担当者はツイッターを巧みに使って勧誘しており、実際に成功しているようです。

 

日本でも高まる関心と、日本人に伸びる魔の手

以前、イスラム国(IS)が日本人2名を人質に取り、殺害予告映像を流し、巨額の身代金を日本政府に要求する事件がありました。

その事件によって対岸の火事でないと感じ、イスラム国(IS)やテロの脅威に対して関心が高くなった日本人も多いかもしれません。

事実、インターネットやSNSを利用して世界各国から支持者や隊員を勧誘しているイスラム国の魔の手は日本人にも伸びているようです。

 

日本人に送られたテロリストからのメッセージ

「イスラム国の一員になりたい」とあるユーザーが日本語でツイートしたところ、イスラム国(IS)関係者とみられるアカウントから「イスラムについて日本語で学びたいか」とのメッセージが届き、関連のリンクを紹介されたことがあったそうです。

そのイスラム国(IS)関係者とみられる人物は、他の複数の日本人に向けても「これを聞いてリツイートせよ」とイスラム教の解説ビデオのリンクを送っていたそうです。

イスラム国(IS)に勧誘されたあるユーザーはそのやり取りをまとめインターネット上で公開しています。

「イスラム国に参加したくはないか」

「中国やフィリピン、インドネシアなど全世界から(戦闘員が)集まっている」

「『首切り』の方法も教えるぞ」

と英文でメッセージを送ってきた人物の勧誘を断ると

「ハハハ、単なる冗談だ。イスラム教徒でないとイスラム国には参加できない」

と返答があったそうです。

「本当にSNSで勧誘しているというのが分かった」とそのユーザー感想を述べています。

 

「なぜ日本はイスラム国(IS)に宣戦布告したのか」

また別のユーザーは、こんなフレンドリーな内容ではなく、

「日本とイスラム国は8585キロの距離がある。なぜ日本は、イラク軍への経済援助を通してイスラム国に宣戦布告したのか」

「日本政府と日本国民に告ぐ。人質が殺されるまで、あと24時間しかないぞ。これは冗談ではない」

と非難や脅迫のメッセージを送られたそうです。

 

ツイッターの世界と日本のユーザー数

ここでツイッターのユーザー数を見てみましょう。

ツイッター Japanは今まで日本国内のユーザー数を公表していませんでしたが、2016年の2月に初めてそれを記者説明会で公表しました。

2015年12月時点で1カ月間にツイッターにログインした月間アクティブユーザー数は、世界全体では3億2000万人。

そのうちの約1割にあたる3500万人が日本国内からのアクセスだったそうです。

つまり、単純に計算すれば、日本人の4人に1人はツイッターユーザーだということになります。

(漢字を使うために短文でも深い内容を書ける、長い通勤時間の間にすることができる、などが日本人のツイッター好きの理由と考えられるそうです)

2011年3月に670万人だったユーザー数が2015年12月時点では5.2倍に増加しているわけで、この日本の高い増加率は世界トップだったそうです。

また「日本ぐらいツイッターが多種多様に使われている国はない」と言われており、災害時にはツイッターで救助を求めたりするなどライフラインのツールとしても利用されています。

「イスラム国(IS)の構成員が説得力のある日本語を使って、日本社会をターゲットにしたらどうなるか」

との問題提起に対し、日本で活動するジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏がユーモアともとれる興味深い発言をしています。

「コミックマーケットにイスラム国がブースを出すこともあり得る」

 

テロを助長した?訴訟されたツイッター

「イスラム国(IS)の宣伝活動を許してテロを助長している」

とツイッターはアメリカ国内で訴訟を起こされています。

2015年にヨルダンの首都アンマンでアメリカ政府の請負業者として働いていた2人の男性が勤務中に銃で殺害され、イスラム国(IS)が犯行声明を発表するという事件がありました。

その後、

「イスラム国(IS)にツイッターアカウントの登録と使用を認めたことが2人の死の一因となった」

との理由で、2人の男性の遺族がツイッターを相手取り訴訟を起こしました。

しかしサンフランシスコ連邦地裁判事は「言論の場を提供しているだけで法に触れてはいない」と判決を下しています。

 

テロ関連のアカウント凍結を発表したツイッター

テロ被害者の遺族に裁判を起こされるほど、隊員や賛同者を増やし資金集めをするためにイスラム国(IS)がインターネットやツイッターを積極的に利用している状況の中、「テロリスト関連と疑いのある、またテロリズムを助長しているとみなしたアカウント23万5000件を凍結した」

とツイッターが2016年8月に発表しました。

2015年半ばから12万5000件以上のアカウントを凍結してきたことを公表しているので、今回の分23万5000件を加えると約36万件以上凍結した計算になります。

凍結されたアカウントの多くはイスラム国(IS)に関係したアカウントとみられています。

1日当たりの凍結件数は2015年から80%以上増加し、今までの数のほぼ2倍のアカウントを凍結しているわけですから、それだけセキュリティを強化していると言えます。

こうしたアカウントの凍結は、特にテロ攻撃の発生直後に多いそうです。

アメリカのメディアによると、ツイッターがテロ関連で凍結したアカウント数を明らかにするのは初めてのようです。

ツイッターにはこの発表で「テロ対策をちゃんとしていますよ」とアピールする狙いがあるようですが、逆に言えば、それだけツイッターがテロリストに活発に使われてきた証左とも言えます。

 

ツイッターの技術 問題のあるアカウントの割り出し

「人命を奪う忌まわしいテロ攻撃が世界中でさらに相次いでいる」

「われわれはこれらの行為を強く非難し、今後も当社のプラットフォームにおける暴力やテロリズムの助長を排除するため取り組んでいく」

ツイッターはブログでこのように述べています。

では、ツイッターはどのようにしてインターネット上のコンテンツをテロリストの、またはテロリストに関する
ものだと判別しているでしょうか。

ツイッターによると、以前のようにユーザーからの報告に頼るのではなく、1日24時間調査するチームを拡充し、スパム検出ツールと言語対応能力を向上させ、複数のツールを使用することで、悪用やテロを助長しているユーザーを特定しているそうです。

また、テロ予防のための正当な手続きを踏んだ情報照会については、捜査当局に積極的に協力し、ユーザーから報告を受けてから凍結までの対応時間も大幅に短縮しているそうです。

こうした取り組みの結果、アカウントの凍結率はテロリストの攻撃直後に急増したものを含め2015年比で80%も高まったのだとツイッターは説明しています。

 

防止される凍結されたユーザーの再利用

匿名性のアカウントの場合、凍結されてもすぐ別のアカウントで利用を再開することができます。

しかし、ツイッターでは、他のSNSや各国の反過激派団体などとも情報を共有することでアカウントを特定し、再開できないようにしているそうです。

こうした反テロの取り組みについては、今後も継続的に経過を公表していく方針だそうです。

アメリカ政府の当局者と主要IT企業によってシリコンバレーで行われた会談ではイスラム国(IS)によるSNSを使った勧誘を阻止するための方策が話しあわれ、オバマ政権はこの中で「過激化を検知し測定する技術」を開発するよう企業側に求めていたそうです。

 

まとめ

ツイッターは周りでも今でも使っている人が結構います。

短文で140文字内にまとめて伝えるというのは言語能力も必要ですし、ボキャブラリートレーニングにもなります。

何より日本は大喜利の国、豊富な言葉を活かして、だじゃれや人を和ますようなジョークを使うにはもってこいです。

そんな平和な利用が当初の目的なのでしょうが、ツールは使い方では武器にもなれば制限しないといけないものにもなります。

■ 柳澤安慶(二丁目ではヤナティ)
柳澤安慶

ファンコミュニケーションズ(東証1部上場)の社長、ヤナティさんですがいつも深い洞察が学びになるのに、決して教授のような教えではなく、あくまでビジネスからの推察が実に学びになります。

けど面白い。こんな使い方をwebサービスではしたいものです。

webサービス運用者も作成者ももともと主目的やイメージはそんなものだと思うのです。

(記載 谷 美輝)

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*