『SEOマーケティングの未来を読む vol.138』
0円端末と市場の話
【1】 G社さんやA社さんの利益率など
会社している以上いろんな企業の四季報であったり3ヶ月ごとの四半期の財務諸表など見ることもあるのですが。
ネットでも有名なG社さんやA社さん、
G社さん・・検索で有名な企業さん
A社さん・・スマホで有名な企業さん
なんですが
8兆とか28兆などの数字を見ました。
あと利益率も20%とか30%、売上もすごいが利益率もすごい。
利益で2兆とか10兆近くとか・・・。
日本でもファナックさんとか、キーエンスさんとか、ヤフーさんとか利益率高い有名企業ありますが、さらにずば抜けた数字を見て唖然となりました。
ともにスマホに関する分野でもいろんなサービスを提供していますが、今回はそんなスマホに関するテーマです。
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画
第184話
価格で商品検索
内容に関しては実話です。 クレアネットのとあるスタッフが実際にこの内容の経験をしてしまった苦い経験です。
第183話
無料サイトの裏側
無料サイトはどうやって運営しているのか、気になりますよね。広告で利益を上げている無料サイトが多いようです。
【3】 総務省が「0円スマホ狩り」を始めた!?姿を消す0円端末と市場の話
「0円スマホ狩り」……そんな言葉まで飛び出す事態が起こっています。
携帯電話大手3社(NTTドコモ・ソフトバンク・KDDI)に対し、総務省がスマートフォン端末を実質0円で販売することをやめるよう要請、「匿名での通報」「覆面調査」を実施し、0円スマホを販売した場合「是正しなければ200万円以下の罰金」まで行うとしたからです。
総務省の狙いは、行き過ぎた端末割引をやめさせ、消費者に合理的な額の負担を求めることで、利用者間の不平等を是正することです。
そのためのガイドライン案を総務省が発表し4月に適用を始めるとしたのですね。
実際に携帯大手3社から
「2月から端末販売価格が実質0円を下回るような行き過ぎた
端末購入補助を是正する」
と、高市早苗総務相に報告があり、NTTドコモは2月1日から実質0円以下となる端末の販売は慎むとしました。
しかし大人しく従う者ばかりではなく、iPhoneで有名なAppleのアジア担当副社長と日本法人トップなどは、「0円スマホ狩り」政策に懸念を示し、総務省へ訪問しコメントを求める事態まで起こっていたようです。
5割というiPhoneの日本国内での突出したシェア(ドコモではスマートフォン販売の4割をiPhoneが占めるとまで言われている)は「実質0円」という日本の特異な制度によって支えられていましたから、Appleが「0円スマホ狩り」政策に戦々恐々とするのは当然かもしれません。
今回のメルマガはこの「0円スマホ狩り」政策についてです。
家計の負担になる通信料金
総務省によって行われる「0円スマホ狩り」。そもそもなぜ0円スマホが問題視されたのでしょうか。
一言で言えば、通信料金が高止まりする原因と見られているからです。
携帯電話もスマートフォンも、登場して瞬く間に生活の必需品となり、老若男女を問わず利用されるようになりました。
ここ10年で1世帯あたりの1年間の通信費は、16万2000円から18万8000円へと2割も上昇し、家計への負担も大きくなっているそうです。
それを踏まえ、昨年2015年9月に行われた政府の経済財政諮問会議「携帯料金などの家計負担の軽減」において、安倍晋三首相はスマートフォンの通信料引き下げなど負担軽減の方策を検討するよう高市早苗総務相に指示し、家計に占める通信費を軽減するための具体策を総務省が中心となって検討していくことになりました。
今回の「0円スマホ狩り」もその具体策の1つです。
「0円スマホ」のデメリット
もう少し0円スマホなどの割引のデメリットを説明します。
「2年契約の割引を組み合わせることで端末代を実質0円にする」
「他社から乗り換えた場合、多額のキャッシュバックを行う」
などの割引行為を携帯大手3社は長年行ってきました。
これらの割引行為は携帯電話やスマートフォンを頻繁に買い替える人にはメリットがありますが、そのしわ寄せは長く使い続ける人に向かい、使用者間で不公平感が生まれ、結局はすべての使用者の通信料金が高くなってしまう原因にもなっていたのです。
こうした弊害を是正し、通信費を下げていきたいというのが総務省の狙いです。
競争政策の働かない携帯電話市場
「協調的寡占に陥り、健全な競争が行われていない」
と総務省は携帯大手3社に対し苦言を呈していました。
総務省の使う「協調的寡占」とはどういう意味でしょうか。
その市場を支配している大企業各社が熾烈な価格競争を繰り広げることを「競争的寡占」と言います。
(牛丼屋チェーン店の熾烈な値引き合戦を思い浮かべてください)
「協調的寡占」とは、逆に、大企業各社がお互いに協調し、価格や供給量を調整し、全体の利益を確保しているような状態の事を言います。
割高な通信料金のまま、3社横並びの状態で価格競争が行われない携帯電話大手3社の状況を見れば、そう言われても仕方ないのかもしれません。
そういう事も今回の政策に影響しているのかもしれませんね。
携帯電話大手3社に要請文を手渡した高市総務大臣のコメント
昨年2015年12月に、携帯電話大手3社の社長が総務省に呼ばれ、高市総務大臣からスマートフォンの料金負担の軽減と端末販売の適正化に取り組むよう要請文を手渡されました。
その際の高市総務大臣のコメントに政府の思惑がよく表れていると思います。少々長いですが引用してみたいと思います。
「最新の非常に高価な端末が、実際には本体価格と同じくらいの割引によって手に入る。これは決して健全な形ではない。歪んだ形だと私は思う」
「ライトユーザーや長期ユーザーの負担が非常に重くなっていたり、乗り換えを頻繁にされる方に
対して過剰な補助金が出されていたり、分かりにくくなっている」
「電気通信事業法第一条に規定された目的の中で、“公正な競争の促進”、“利用者の利益の保護”、これを私達はしっかりとしていかなければいけない」
「電気通信事業法の目的が達成できていない場合に、行政として手を講じるのは必要なこと」
「生活インフラとしてのスマートフォンが、もっともっと多くの人に持ってもらえるように、より多くのスマートフォンが売れて、消費者にとっても分かりやすい形ができていくのが、目指している姿」
「今後、多くの利用者にとって、納得感のある、また分かりやすい料金体系・サービスが実現することを期待している」
こうしたコメントを読めば、お上の強引な指導という印象は薄れ、「0円スマホ狩り」も意義のあることのように思えます。
違反店舗を見つけ出す「0円スマホ通報窓口」「覆面調査」の実施
スマートフォンの端末販売を適正化したいという総務省は、今回の「0円スマホ狩り」のために、過度な割引を行う店舗や業者の情報を、匿名のメールで通報することのできる窓口を設置すると発表しています。
0円スマホやキャッシュバックなどの行き過ぎた割引をする店舗を見つけた場合、その値引き額や条件などが分かるチラシやポスターなどを撮影かスキャンし、その画像を送信すればよいのだそうです。
(電話での情報提供は受け付けていないそうです。証拠画像を確認できないからでしょうか?)
また、総務省は実質0円の販売禁止が守られているかどうかを確認するため「覆面調査」を実施するとも発表しています。
委託先の担当者が抜き打ちで全国の携帯販売店や家電量販店の販売実態を調べ、違反があれば業者に業務改善命令を出すそうです。
総務省の要請を受けNTTドコモ・ソフトバンク・KDDIが0円スマホやキャッシュバックの是正に乗り出しています。
にもかかわらず、この流れに従わず依然として0円スマホやキャッシュバックを行う店を見つけ、指導するのが目的だそうです。
また、匿名の情報提供から
「店舗が独自で実施しているキャンペーンなのか、通信事業社の販売奨励金を原資としているのか」
も調査し、後者の場合、通信事業社に具体的な報告を求め、指導後も改善が見られなければ業務改善命令の発動も検討するそうです。
これらの施策では、電気通信事業法に基づいて業務改善命令を出すだけでなく、命令に従わないと最高で200万円の罰金を科す、と言うのですから、総務省も本気ですね。
「0円スマホ狩り」と言っても大げさでない力の入れようです。
2月から0円スマホを廃止するドコモ
総務省の端末販売の適正化を要請により、携帯電話大手3社が0円スマホの販売を2月で終了するとしました。
ドコモのほかKDDIとソフトバンクも2月から端末販売価格を適正化すると総務省に申し入れました。
これらが携帯市場に与える影響は大きく、0円スマホやキャッシュバック等の過度な割引が無くなることで、スマートフォンの端末価格は高騰するのでは、と予測されています。
また、0円スマホやキャッシュバックに頼っていた販売事業者は2月から
「お客がごっそり減った。やっていけない」
と頭を悩ませているそうです。
0円スマホ廃止を懸念するApple
0円スマホやキャッシュバックに頼っていたの街の販売事業者だけではありません。
「実質0円」という日本の特異な割引制度によって、本来高価なはずのスマートフォンを手に入れられる状況が生まれたために、日本国内5割という高いシェアを保っていられたのがApple のiPhoneです。
昨年の2015年12月上旬、Appleのアジア担当副社長と日本法人トップが総務省を訪れ、0円スマホの廃止を決めた政府方針について意見を求めてきたそうです。
0円スマホが廃止されれば、iPhoneが受けるダメージは計り知れませんから、無理の無いことかもしれません。
「行き過ぎた不公平の是正とスマホの普及が目的だ」
と、総務省幹部が回答したところ、その場は納得して引き上げたようですが、Appleにしてみれば
「総務省はiPhoneを狙い撃ちしているのではないか」
と、疑いを抱いてしまうのかもしれませんね。
0円スマホが無くなったことで、これからは以前のようにiPhoneのような人気モデルや高価なハイスペックモデルを安く購入することはできなくなり、中程度のスペックのAndroidスマートフォンが売れるようになるのでは、と見られています。
しかし逆に、0円スマホの廃止によって、新品ではなく中古で安く端末を買うユーザーが増加し中古市場が拡大、そのため性能やブランドへの評価が高く下取り価格の高い端末、すなわちiPhoneにまたしても人気が集中する……という意見もあります。
数年前に発売された旧機種でも最新版のOSが利用可能になったりするのがAppleですからね。
0円スマホの廃止が市場にこれからどう影響するのか……とても興味深いところです。
まとめ
0円スマホは無くなり2年縛りの契約期間も1ヶ月から2ヶ月に延長され、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIから月4500~4900円の低料金プランなどが発表されています。
今まで当たり前に行われていたことが、あるきっかけで禁止されたり、通用しなくなったりして、変化を余儀なくされる。
しかし、そこから生まれるチャンスもまた存在するのですから、変化という波に流されるのではなく乗りこなしていきたいものですね。
(記載 谷 美輝)