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「パワーポイント」やらなんやら

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『SEOマーケティングの未来を読む vol.133』
「パワーポイント」やらなんやら

【1】 師走とかなんとか

とうとう12月になりました。

季節感はそれほど感じない仕事ですが、年の瀬は忙しいんです。

「とりあえず今年中には終わらせたいよね」

って仕事は何でも思いますよね、もちろんです。

そうなると、クリスマスあたりなどは仕事で一気にやりあげる、なんてこともよくある話で。
クリスマスということでFM802もクリスマスソングばかりになってきた今日この頃。

■ クレアネットではホワイトクリスマスツリー!

気持ちはクリスマス、けど仕事仕事仕事。

【2】 WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第172話
紙せんみつ
毎日外出先やWEB上で見かける広告、あなたは覚えていますか?今回はそういった広告のお話。  

■ 第173話
戦略的提携
最近、企業と企業の提携のニュースがよく聞かれます。どういったメリットがあるのでしょうか。 

【3】大企業が「パワーポイント」を禁止し始めている理由

大企業が「パワーポイント」を禁止し始めている話。

「パワーポイント」というマイクロソフトのプレゼンテーションソフトがあります。

文字や画像といった情報を編集・配置する機能を持ち、プレゼンテーションやプレスリリース、ミーティングで配布する資料や、プロジェクターで使うスライドショーの作成をすることができます。

これを読んでいる皆さんは、恐らく全員知っていますよね。

だいぶ前、1年ほど前、テレビ朝日系のニュース番組「報道ステーション」において、理化学研究所の小保方晴子さんのSTAP細胞を巡るニュースが取り上げられた際、キャスターである古舘伊知郎氏が「パワーポイントがわからない」といった趣旨の発言をし、ちょっとした騒ぎになったことがありました。

「ニュースキャスターなのにパワーポイントも知らないのか」と。

それだけパワーポイントは知っていて当然のものだと思われているということです。

パワーポイントは初期のものがリリースされて以来、10億台以上のコンピューターにインストールされ、現在パワーポイントによるプレゼンテーションが行われている回数は「1秒間に350回」だと言われています。

90年代後半から小中高でも授業でパソコン操作が取り上げられ、小学生にパワーポイントを使ったプレゼンテーションをさせる学校もあるそうです。

仕事によっては、例えばコンサルタントのような仕事の場合は、パワーポイントは必須アイテムと言えるかもしれません。

ですので「プレゼンテーション=パワーポイントで作るもの」と思いこんでいる方も、大勢いるかもしれません。

しかし最近では、FacebookやAmazonといった大企業が、社内のプレゼンテーションやミーティングでパワーポイントの使用を禁止したり、あまり使用しないよう通達したりしているそうです。

実際に、Facebook やAmazon、トヨタでは、社内でのプレゼンテーションやミーティングではパワーポイントを使用することが禁止されているそうです。

大企業のような規模が大きな会社ほど、社内には無駄な業務が発生します。

効率化や経費削減のために業務を見直した結果、パワーポイントの非効率な面に気付いたのかもしれません。

今回のメルマガは、そのパワーポイントについての話です。

■社内でパワーポイントの使用を禁止する企業の話

Appleの創設者スティーブ・ジョブズ。

製品発表会ではいつも華麗なプレゼンテーションを披露してくれた彼でしたが、社内のプレゼンテーションやミーティングの場では、パワーポイントを使うのが嫌いだったそうです。

Facebook やAmazon、トヨタといった、社内でパワーポイントの使用を禁止する大企業も、

「パワーポイントでしか説明できない内容では意味がない」

「パワーポイントは社外でのプレゼンに使うものであって、社内のミーティングに使うものではない」

という認識をしているようです。

■社内でパワーポイントを禁止する大企業の理由とは

繰り返しになりますが、大企業のような規模が大きな会社ほど、社内には無駄な業務が発生します。

効率化や経費削減のために業務を見直した結果「パワーポイントは非効率だ」という結論に達したようです。

その理由のもっとも大きなものは「作成時間の無駄」のようです。

■作成時間が無駄になるパワーポイントの使われ方

社外向けのプレゼンテーションと、社内向けのプレゼンテーションとでは、その目的がまったく異なります。

社外向けプレゼンテーションは、議論を進めることではなく発表することが目的ですし、広告の意味もあるので、内容だけでなく見た目の美しさや完成度も重視されます。

多数の人間に向けてパワーポイントでプロジェクターに写しだす
となると、フォントやデザインなどを整えることにも時間を
かけなければいけません。

しかし、社内向けのプレゼンテーションの場合、その目的は内容を検討し、議論し、正しい答えを出すことですから、必要以上に時間をかけて、見た目にこだわったり、アニメーションで動かしてみたり、そうした過度な装飾をする必要などありません。

ただでさえ作成に時間がかかるパワーポイントの資料を、そこまでして作りこんでも、社内で使う分にはあまりメリットがないのです。

内容に自信がないために、美しいグラフィックやこれ見よがしなエフェクトに頼ってしまう。

もしくは見た目を整えることにこだわるあまり、本来の目的であるプレゼンテーションで何を伝えなければいけないのかを忘れ、資料を作る事そのものが目的になってしまう。

こんなことも起こりうるのです。

限られた時間を有効に使い、生産性を上げるためにも、プレゼンテーションやミーティングの本来の目的を考え、そこに見た目を整える作業が必要かあるのかどうか、最も時間を割くべき部分はどこなのかを見極める必要があるということです。

目的を見失った、独りよがりなプレゼンテーションほど無意味なものはありませんからね。

■特徴的なAmazonのプレゼンテーションとミーティング

「パワーポイントはあくまでもプレゼンテーションの道具であって、プランニングの道具ではない」

という考え方から、社外ではパワーポイントも使うことはあっても、Amazonの社内のプレゼンテーションやミーティングではパワーポイントやスライドを使うことはないそうです。

CEOであるジェフ・ベゾス氏により社内でのミーティングでは、

「企画書はA4で4~6枚」

「フォントサイズは10.5ポイント」

「60分のミーティングなら最初の30分間は全員で黙って書類を読む」

「残りの30分間で納得できないことを質問攻めにする」

と決められているそうです。

「パワーポイントの資料を作成しても発表者が自らの思考を深めることにつながらない」

「逆に、全てをテキストで作成した場合、文章と文章の繋がりが考慮され、作成の過程で発表者の思考が深まり、意味のある発表になる」

とジェフ・ベゾス氏は考えているようです。

また、社内のプレゼンテーションやミーティングでパワーポイントを使わないメリットとして、

「発表者は言葉で伝えることに集中できる」

「聞く側は言葉を聞くことに集中できる」

という点があるそうです。

■企画書1枚のメリット

日本を代表するグローバル企業のトヨタではパワーポイントが禁止され、

「ミーティングに使うプレゼン資料はA4、大きくてもA3用紙1枚にまとめる」

とされているそうです。

世界的にも有名な無印良品で知られる良品計画でも、社内のプレゼンの資料はA4用紙1枚とされ、ミーティング前に参加者に説明して回ることも禁止されているそうです。

ミーティングの資料を紙1枚にまとめる理由はなんでしょうか。

用紙を減らすことで作成時間やコストを削減できるという他にも、

「ロジックを理解しているか確認できる」

「読み手に費やさせる時間の削減ができる」

という点をあげることができます。

■企画書1枚にすることで「ロジックを理解しているか確認できる」ようになる

資料を紙一枚で完結させると、ロジックの抜けに気づきやすくなります。

一枚にまとめることで、発言する側が内容を本当に理解できているのかが分かります。

ところが、複数枚の資料では、発言する側も、聞く側も、前後のロジックの抜けに気づきにくくなってしまいます。

■企画書1枚で「読み手に費やさせる時間の削減ができる」ようになる

「注視安定視野」という言葉があります。

眼だけで読める範囲を「有効視野」と呼び、頭を少し動かせば読める範囲を「注視安定視野」と言います。

言い換えれば注視安定視野とは、少し頭を動かせば無理なく文字などを読める大きさのことで「上下232mm、左右323mm」だと言われています。

A4用紙のサイズは「210mm×297mm」ですから、人間が一目見ただけでそこに書いてあることを認識することができる視野はA4用紙と同じくらいだということです。

そもそも「偉い人」はブ厚い資料を読んでいるヒマがありませんから、パワーポイントで漫然と作られた長ったらしい資料を読んではいられませんし、読んでくれません。

一目でその偉い人の心を掴めなければ、もう目を通してももらえず、話も聞いてもらえないのです。

プレゼンテーションで取り上げている分野の専門家でなくても理解できるほど内容を簡潔にし、結論を明確にしなければなりません。

そのためにはA4用紙1枚という限られたスペースで勝負することはとても効果的と言えるでしょう。

■まとめ

「聴衆に情報を提示し、理解・納得を得る行為」をプレゼンテーションと言いますが、そのプレゼンテーションの語源は「プレゼント」だそうです。

相手が嫌がる物を贈っても仕方がありませんから、プレゼンテーションも、相手が喜ぶように、相手目線で考える必要があるのでしょう。

パワーポイントのデメリットを多く取り上げる内容になってしまいましたが、パワーポイントの使用を否定的に捉えているのではなく、手段を目的にしてしまったり、なんでもかんでもパワーポイントを使えばいいという考え方に陥ってしまったりするのは良くない、ということに過ぎません。

テキストのみで十分だったりその方が喜ばれたりする場合もあれば、シーンや相手によってはパワーポイントを使ったほうがいい場合もあるでしょう。

世界で活躍し、大きな成果をあげているグローバル企業は、漫然と同じやり方を続けるということをしません。

効率化のために、常に見直しと工夫を取り入れているものです。

それはプレゼンテーションやミーティングの取り組み方に対しても同じで、そのためにパワーポイントの非効率性が問題になり、その結果パワーポイントを社内で使用しないという結論に至ったのでしょう。

パワーポイントの話に限らず、目的はなにか、その目的のためにとっている今の手段であっているのか、こういうこと常に考え、変化していけるようにしなければいけませんね。

何でもメールでもいいですし、何でも電話でもいいですが、要件だけ的確に伝わればそれでいいです。

パワーポイントをがんばって作ろうと思ったときに限って、30分程度で作って保存せず落ちたりとかあります。

あとはパワーポイント資料は見てくれてないことも多いし。理解しづらいから見るのもしんどいというのもあります。

昔中学生のときですが、英語の時間で

「What is this?」 を訳すのに「これは何ですか?」

と日本語で書くのですが、数学の先生が

「何これ?」

で社会に出たらそれでええねん、と言っていたを思い出します。

ほんとそれでいいです。といっても

勝手にパワーポイントを書く事はありますが、パワーポイントで出して欲しいと思うことは一回もないので。

そんなものです。

(記載 谷 美輝)

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