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注目されている「オープンデータ」に取り組む鯖江市の話

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.102
「注目されている「オープンデータ」に取り組む鯖江市の話」2014.07.8

【1】当社オフィスが移転いたしました
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この度、当社オフィスが移転いたしました。
6月16日(月)より新住所にて業務を開始いたします。

これを機に、社員一同、皆様のご期待に添えるよう
業務に精励する所存でございます。

今後とも何卒変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

【移転先】
530-0052 大阪市北区南扇町1-5 UAKビル2F

電話番号:06-4792-8281 FAX:06-4792-8291
(電話・FAX番号は変更はございません。)

【2】滝行というものをしてみる
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クレアネットの谷です。
滝に打たれる滝行というものをしました、滝行。
滝に打たれたら何が変わるのか? そんなものぽんぽん変わるわけないですよ。 けど早起きして、和尚さんの話を聞いて、 座禅を組んで、鐘を鳴らして、河内長野の地で いろいろしていると少し場所を離れていろんなことを しっかり考えていけるようになってくるわけです。
私のような凡人はやはり環境が大事です。 仕事しているときは忙しくしていますが、大きな先まで見据えて 考えるには場所を変えないとなかなか難しい。 その前日にお酒を飲み早起きしたので多少 眠かったものの、心が磨かれると眠さも飛ぶものです。
初めての滝行をしながら、いろんな気持ちを整理できました。 和尚さんの書かれた本も買ったのでこれも勉強に。 本はまだ読んでませんが、 読んで学びと実践に活かしたいと思っております。
そういうときはこの曲でテンションアップ。
● 滝行やってきました。
http://www.clarenet.jp/column/blog/archives/4763

【3】WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第106話 DSPって?

■ 第105話 オプトイン

【4】注目されている「オープンデータ」に取り組む鯖江市の話

今回のメルマガでは、ここ数年注目されている オープンデータを取り上げてみたいと思います。
オープンデータとは、個人や民間企業など誰でも 二次利用できるように公的機関が統計情報などの 公共性の高いデータを公開することです。 オープンデータはとくに欧米で進んでおり、わが国でも 政府や自治体などにより提供され、様々な取り組みが 行われつつあります。
今後、オープンデータをただ公開するだけでなく、 いかに活用しビジネスにつなげていくかが大きな 課題となっています。 日本の自治体で始めてオープンデータ化に取り組んだ 、鯖江市の具体例をあげながら、話を進めていきたいと思います。

■ 市民の政治参加のため、行政のデータをオープンにした鯖江市

日本一の眼鏡の生産地として知られる、人口6万9000人の 福井県鯖江市。
現在は眼鏡の売上の減少に伴い、眼鏡の生産地と してだけではなく、ITの街として注目されるよう になってきています。 あとはサイバーエージェントの藤田社長が鯖江市なので、 鯖江=サイバーエージェント なのかどうか、とか ごくごく一部のネット企業の社長は思ったりしてます。
鯖江市は「データシティ鯖江」を掲げ、駅や公民館に 公衆無線LANを整備するだけでなく、日本の自治体では 初めてオープンデータに2010年から取り組みを 始めています。 また、Webで用いられる技術の標準化と推進や、相互運用性の確保を目的とした会員制の国際的な産学官共同コンソーシアムである「W3C」(World Wide Web Consortium)にも自治体として初めて加盟しています。

■ 鯖江市のオープンデータ化のきっかけ

鯖江市内に開発拠点を置くモバイルベンチャー、jig.jpの社長、 福野泰介さんが鯖江市の牧野百男市長にオープンデータ活用 を推進する「データシティ鯖江」構想を提案したのが きっかけだそうです。
W3Cの世界会議に参加した際に、Webの生みの親である ティム・バーナーズ・リー氏がオープンデータに ついて熱く語る姿を見て、福野泰介さんは日本も やるべきだと感じたそうです。
そうして、福野泰介さんはW3Cの日本総責任者とともに 鯖江市の牧野百男市長を訪問し、オープンデータの 必要性を訴えたところ、その場で推進が決まったそうです。 牧野百男市長が即決したことに、福野泰介さんは驚いたそうです。
「民間の力を借りることでオープンデータを利用した 住民サービスの向上につなげていきたい」と牧野百男市長は述べ、 鯖江市とjig.jpは、IT活用や情報政策の分野で 住民サービスのために幅広く連携しているそうです。

■ 鯖江市の市長、牧野百男さんとIT

鯖江市の市長、牧野百男さんのことをもう少し取り上げてみます。
1941年(昭和16年)生まれで、ITに詳しくなかったそうですが、 2004年に初当選して以来、市民の提案からFacebookやUstreamを 活用するようになったそうです。 また、鯖江市内でテキストエディタ「秀丸」(IT、特にプログラム に携わる者なら誰でもお世話になっている定番のソフトですよね) などを開発する斉藤秀夫さんの提案で、鯖江市出身の 藤田晋社長が運営するサイバーエージェントのAmebaブログを、 2006年から始めるようになったそうです。
そして、jig.jpの福野泰介社長らの提案で、公衆無線LANの整備や、 市が保有するデータのオープンデータ化を推進させてきたそうです。 市が公開したデータを、アプリの開発などで民間が活用すること ができれば、市は低コストで市民サービスを維持したり、充実し 発展させることができます。 それは、市が目指す市民共同の街作りにも役立ちます。
牧野百男さんは国も地方も、今のままではつぶれてしまう という危機感を持っており、 「ITは、分からない部分が多いが、魅力もあるし、夢もある。 話題が明るいですしね」 と、よくわからないからといってITから目を背けず、 その将来性に目を向けています。
こういった市長の柔軟な思考が、鯖江市がオープンデータを 国内で初めて行うようになった市となった一因ではないでしょうか。 また、こういうプロジェクトには、人と人との出会いが大きな 影響を与えるのだなと、強く感じさせられました。

■オープンデータから開発されたアプリ
「公衆トイレ情報」
「AED情報」
「道路工事情報」
「図書館の空席情報」
など、鯖江市がこれまでに公開したデータは40近くもあるそうです。
市のサイトで公開されたこれらのデータから、WEBアプリが開発されます。 今まで開発されたアプリは、 「公衆トイレまでの徒歩ルートを表示するアプリ」 「図書館の個人用ブースの空席状況を確認できるアプリ」 など、約80もあるそうです。
鯖江市の「つつじバス」には「Galaxy Tab」が搭載されており、 GPSで位置情報をリアルタイムに発信しているため、そのデータから、 「バスの現在地が分かるアプリ」 なども作られているそうです。 電車より運行ダイヤが乱れやすいのがバスですので、 移動手段にバスをメインとしている人には、 かなり喜ばれるんではないでしょうか。

■ 鯖江市のオープンデータへの取り組みに対する反応

平成25年6月14日に政府は「世界最先端IT国家創造宣言」 を閣議決定しました。
閉塞した現在の日本の状況を打破し、日本を再生させるために 世界最高水準のIT利活用社会の実現を目指すことを旨とした この宣言の中で、オープンデータの推進を謳っていることもあり、 鯖江市のオープンデータへの取り組みを視察しようと、 地方議員や行政関係者も次々に訪れており、新聞やテレビなど の取材も相次ぐなど外部からの評価は高まっているようです。

■1%に満たない市民の利用

では、肝心の鯖江市民は、どの程度オープンデータを 使ったアプリを利用しているのでしょうか。
現状では、鯖江市民のアプリ利用は1%にも満たないそうです。 外部からの評価は高くとも、人気のアプリでも年間3000アクセス程度。 そのほとんどが県外の技術者やオープンデータからのアクセスで、 市民からのものはほとんどないそうです。 また「何のためにやるのか」「他にやるべきことがあるのでは」 と批判を受けることもあるそうです。
市民のITリテラシーを高め、アプリの利用を進めるためにも、 地域の子どもや高齢者を対象としたタブレット講座や プログラミング教室を開くなど地道な活動を始めているそうです。 「今は反発も多いが、リスクのない挑戦なんかない」 「僕が背負って立てば、その中でいいものが出てくるし、実際に出てきている」 と牧野市長は話しているそうです。

■「間違ってはいけない」公務員

どのデータを何のために出すのか。 牧野市長はオープンデータ化に関して、 迷いながら進めてきたそうです。
「公務員は『間違ってはいけない』と教育される」 と述べながらも、 「前例のないことに抵抗はあったが、市長の命令なので、 権限の範囲内で少しずつ挑戦している」 「間違ってはいけない分野は当然あるが、 そうでない分野もあると最近は思っている」 「新規性のある分野は挑戦しないと次の展開が見込めない」 と前向きに取り組んでいるようです。
事なかれ主義といったイメージの強い公務員ですが、 牧野市長はそういったものとは無縁なのでしょうね。

■オープンデータで目指す「新しい公共」

鯖江市がオープンデータで目指すのは「新しい公共」だそうです。
行政だけでなんでも済ませてしまうのではなく、市民にも いろいろ関与してもらい、公共が担っていたことを市民にも 任せていこうという姿勢だそうです。 この流れは日本各地で進みつつあり、オープンデータや、 行政と市民が共同でアプリ開発を行うなどの試みもなされているそうです。
昨年、市民と行政とが協力し地域の課題を解決するための アイディアを考え、テクノロジーを活用することで、 公共サービスの開発や運営を支援していく非営利団体 「Code for Japan」が立ち上がったそうです。
こういったコミュニティから、エンジニア同士の横の つながりが生まれますし、オープンデータを使って地域の問題 を技術者の力で解決することができれば、同じ問題を 抱えている別の地域にも応用できると期待されているそうです。

まとめ

多岐にわたる統計情報を一番持っているのは行政です。
その行政の持っている統計情報を活用することができれば、 それは価値を生む宝の山にもなります。 平成24年3月に欧州委員会に提出された調査結果から NTTデータが試算した見積もりによると、オープンデータ の市場規模はEUでは280~320億ユーロ。
これをGDP比で換算すると日本では1~1.2兆円、直接的 な経済効果は1.5兆円、経済波及効果は5.5兆円にまで 上るそうです。 しかし、政府や自治体などがオープンデータ化に取り組み、 オープンデータを利用しビジネス展開しようとする 民間企業は多くとも、日本でオープンデータを活用して ビジネス化まで至った事例は極めて少ないそうです。 理由はいろいろあります。
オープンデータは活用されてこそ価値があるにも関わらず 公開されているデータが活用しづらいという状況になっていたり、 ビジネス化に成功した事例におけるノウハウの分析や共有 ができていなかったり、などなど。 情報を公開すればそれでオープンデータの目的が 達せられるわけではなく、今後は、オープンデータを活用し、いかにビジネスにつなげていくかが重要です。 オープンデータ化には、まず手始めに、膨大な行政が 保有する情報を整理し、標準化して、どこの誰でも アクセスしやすくする必要がありますが、その時点でも 行政と民間のIT企業との協力が必要になってきます。
それだけビジネスチャンスがあるということです。 オープンデータを活用することで新しいビジネスを生み 出すこともできますし、そこには様々なビジネス チャンスが存在します。 そういったチャンスをモノにできれば、と思います。 その勉強のためにも、鯖江市をはじめとする各自治体の オープンデータへの取り組みにこれからも注目していきたい と思います。
地元の和歌山県田辺市でも何か・・。 地元愛、郷土愛と言うのは、 いつまで経っても変わらないものです。 こういった分野に楔を打っていくのが事業家! ですよね。
記載:クレアネット谷

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(次回につづく)

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