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リアル店舗を脅かす「ショールーミング」関連のサービスについて思うこと

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.97
「リアル店舗を脅かす「ショールーミング」関連のサービスについて思うこと」2014.05.27

【1】ワールドカップ

クレアネットの谷です。
とうとうワールドカップも来月。
相手のコロンビア、ギリシャ、コートジボワール、 実は主力選手がヨーロッパの各国で主力で活躍しているので、 相手としては十分に強い相手。 絶対に負けられない戦い、です。
■ A Question of Honour ? Sarah Brightman

テレビ朝日系列でサッカーするときには必ずこの曲、 「A Question of Honour」。
後は松木さんと川平慈英さん、松木さんはまとめられているくらい、 その応援の声や危ないときの「危ない!」という声は、解説の枠を 遥かに越えてファンになっています。
共感力が高くて熱くなります、松木さんと川平慈英さん。そういえば今日はキプロス戦!

【2】WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第100話 とうとう100回目

■ 第99話 ヒアリングが大事

「こんなネタも書いてほしい!」などあればお気軽に
スタッフまでお声かけください。

【3】リアル店舗を脅かす「ショールーミング」

リアル店舗を脅かす「ショールーミング」関連のサービスについて思うこと
店頭で見た商品を、スマートフォンなどを使ってオンラインで検索し、 その商品が一番安く売っている通販サイトで購入する。 最近よくある、こういった消費者の購買行動を「ショールーミング」と言います。
消費者が店頭をまるでショールームのように利用 していることから、こう呼ばれています。 スマートフォンが普及し、今までよりもっと大勢の人間が、 もっと手軽に価格比較サイトやネット通販を利用するようになり、 店頭にいながらにして商品の価格や特典、レビューなどといった 商品に関する情報を調べ、他店と比較したり、購入まで簡単に できるようになったために、ショールーミングは人々の間に広がりました。
スマートフォンはこれからも普及するだろうし、国内のネット通販市場は 年率1割を超える成長が見込まれているため、この流れはもう止まらないでしょう。 この「ショールーミング」に関する様々なアプリやサービスが展開されています。 今回のメルマガでは、ショールーミングの実態や、通販サイトがそれ をどのように活用しているのかを調べ、感想を述べてみたいと思います。

■ショールーミングの実態
「店頭で見て気になった商品の情報を、何気なくスマートフォン で調べてみたら、もっと安く売っている通販サイトがたまたま 見つかったので、店頭ではなくオンラインで買うことにしました」 ……ではなく、最初から下見目的で店頭に足を運ぶ人が多いようです。
野村総合研究所の「生活者1万人アンケートにみる日本人の価値観 ・消費行動の変化」によれば、オンラインで購入するユーザーの7割は、 「リアル店舗で商品を実際に確認してから買うようにしている」 のだそうです。 オンラインでは価格を調べることはできても、その商品の現物に 触れて確認することはできませんから、購入に踏み切るためにも 実際に店頭で手にとってみたいという心理が働いているのでしょうね。 要するに、そのオンラインで購入するユーザーの7割は、 店頭を完全に「商品の下見をする場所」として捉えている のがわかります。 店頭ではなく通販サイトで買う理由としては、 「店頭よりも商品が安い」 「商品を家まで届けてもらえるので手軽」 といったメリットがあるためです。
リアル店舗と比べると、ネット通販の方が人件費などの 諸経費がかからないため、価格が安い傾向がありますし、 送料も無料の通販サイトも多いですからね。 通販サイトでは、ショールーミングのためのアプリや仕掛けが、 すでに数多く作られています。

■Amazon・楽天のバーコードによる商品検索
Amazonのスマートフォンアプリには、店舗で気になった商品の バーコードをスマートフォンのカメラで読み込むと、Amazonの 在庫を調べてその場で購入できる、バーコードを使った商品 検索機能がすでに提供されています。
楽天もバーコードを使った在庫検索アプリを提供しています。

■リアル店舗まで検索してくれる、「ショッピッ!」
ショールーミングに限らず、リアル店舗での購買まで支援するアプリ「ショッピッ!」があります。
商品のバーコードを読み込むと、アマゾンや楽天をはじめと する6万店の通販サイトの在庫を検索するだけでなく、 スマートフォンの位置情報から、検索した商品を販売する 最寄りのリアル店舗まで検索してくれるそうです。 利用者数は100万人で、主な利用者は女性。 特に主婦層に人気なのだそうです。
ネット通販でもいいし、リアル店舗まで出向いてもいいから、とにかく安く買いたい!という人向けなのかもしれませんね。

■ZOZOTOWNの「コーディネートを見ること」に特化した「WEAR」
株式会社スタートトゥデイの運営する、数多くの有名アパレルブランドやショップが参入するファッション通販サイト大手のZOZOTOWNでは、ショールーミングを活用するアプリ「WEAR」を提供しています。
面白いのは、このアプリが「コーディネートを見たり 見せたりすること」に特化していること。 WEAR提携店舗で気になる商品のバーコードで読み取ることで、 商品の詳細情報を見ることができる「バーコードスキャン機能」 や、有名人やショップ店員などの様々なコーディネート画像まで 見ることができ、そのコーディネートに出てくる他のアイテム を確認することもできる「コーディネートレシピ機能」が使えます。 さらには、自分の持っているアイテムやそのアイテムを使った コーディネートの保存や閲覧ができる「マイクローゼット機能」もあります。
店頭で商品のバーコードをスキャンし、ファッション通販サイト ZOZOTOWNで購入し、コーディネート画像を共有する、という 流れになっています。 ファッション通販ならではのアイディアと言ったところでしょうか。 また、迷いながらも店頭では購入まで至らなかった客が、 後からオンラインで購入する、ということも多いそうで、 販売機会のロスを無くすのに一役買っているそうです。

■「WEAR」を利用する「カリスマ店員」
「オンラインで購入されるばかりだと、リアル 店舗側にはデメリットしかないのでは?」 そう感じるかもしれません。
しかし「コーディネートを見たり見せたりすること」に特化 しているこのアプリなら、店頭の販売員が自らの コーディネート画像を客に見せることで購買意欲を 高めることもできるのだとか。 こうした販売員の中には9000人ものフォロワーを抱える、 いわゆるカリスマ店員もおり、その存在が集客アップや ブランドイメージの向上にもつながっているようです。
また、服はさすがに試着してみないと不安だという客や、 ZOZOTOWNで見つけて店舗に来たという客も多いようで、 アパレル市場では、リアル店舗とオンラインとで価格に さほど差がないことから、ネット通販は今はまだそこまで 脅威になっていないという現場の声もあるようです。

■「WEAR」で手数料を支払われる「パルコ」」
リアル店舗の入っている、商業施設の立場から見たショールーミングはどうでしょうか。
商業施設がテナントから得る賃料は「固定額+テナント の売上高に応じた歩合」です。 そのため、店頭ではなくオンラインで商品を買う ショールーミングは、テナントからの賃料収入が 下がることを意味します。 こういった事情もあり、商業施設側が入居するテナントに、 客にバーコードの撮影をさせないよう通達することもあるようです。 商業施設各社の反発も大きく、許可された施設内でしか 使えないようにする「チェックイン機能」をWEARに 組み込むなどの修正を余儀なくされたこともあるそうです。
そんな中、商業施設で初めてWEARを導入したのがパルコ。 その際の、パルコの考え方と、ZOZOTOWNを運営する スタートトゥデイの手法が目を引きます。 「店頭を訪れるWEARユーザーが増えることで、接客次第で売り上げを拡大できる」 というのがパルコの林直孝WEBコミュニケーション部長の弁。
また、パルコで撮影された商品がオンラインで購入された場合、 「売り上げの数%の手数料をスタートトゥデイがパルコに支払う」 という仕組みを採用したそうです。 こういう考え方や、やり方もあるんだな、という感じですね。

■とくに家電量販店で問題視されるショールーミング
アパレルの話ばかりになっていましたが、ショールーミングに 利用されやすい傾向があるのは、メーカーと型番さえ 同じであれば、リアル店舗だろうが通販サイトだろうが、 どこで買っても同じ製品を入手できる家電製品、とくに 持ち帰るのが大変な大型家電だそうです。
販売員が熱心に客に商品説明をしている光景は家電量販店 につきものですが、どれだけ親身になって客に説明しても、 ショールーミング目的の客はオンラインで買ってしまうので、 販売員のモチベーションは低下するわ、店頭に展示された 商品はいじりまわされるわで、家電量販店は商売あがったりで、 迷惑なことこの上なしですよね。 家電の販売で売上日本一を誇るのはヤマダ電機ですが、 インタビューでヤマダ電機が 「ショールーミングに負けないためには、価格で勝負するしかない」 と語っていたそうです。 ショールーミングや通販サイトにかなり苦戦している 証拠ではないでしょうか。
しかし、店舗や人件費のコストからネット通販に 価格面で勝つのは難しいのではないでしょうか。 コンサルティング会社、A・T・カーニーの 後藤治パートナーの言葉にも、こうあります。
「ネットに同一商品があふれる分野では、店舗 コストがかかるリアルのお店が価格で対抗するのは間違い」 「活路はサービスにある。例えば店頭で不良品の返品 にスムーズに対応すればそれが信用につながる」 「リアルの店は顧客の信用を得る仕掛けがより重要だ」

まとめ

スマートフォンが普及し、ショールーミングが生まれたように、 これからもショッピングの仕方がますます便利なものに進化していくでしょう。
その進化に合わせ、収益を拡大させようと 通販サイトが生み出した新しいアイディアや サービスは興味深いものばかりで、もっと調べてみたくなるものばかりです。 これからのライフスタイルをどのように革新できるのか、 革新されていくのか、そういったことを考えながら議論したりアプリを みるだけでとてもエキサイティングなことです。
結局のところ、社会が変化するのなら、自分や会社が変化するのか 変化しないのかしかありません。 せっかくなら変化してみようか、そんな気持ちでいます。
記載:クレアネット谷
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(次回につづく)

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