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ウェアラブル端末市場とGoogle「Android Wear」の登場

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.93
「ウェアラブル端末市場とGoogle「Android Wear」の登場」2014.05.1

【1】初めての実習生がランチによく使われるハンドサイン

4月くらいにハンドサインが流行ってました。
広告の仕事をしている以上そういった流行はしっかり とらえていくのが当然の職業病でもあるのですが、 来月になればワールドカップ一色になる予定なので 今のうちにハンドサインの紹介をいたします。
■ 研修生企画として、2つのハンドサインを作ってみました。
会社で新人実習生がよく使うハンドサイン
初めての実習生がランチによく使われるハンドサイン
分かる気がします、うん。
【2】WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第96話 リターゲティングとリマーケティングの違い

■ 第95話 リターゲティング広告

「こんなネタも書いてほしい!」などあればお気軽に
スタッフまでお声かけください。

【3】ウェアラブル端末市場とGoogle「Android Wear」の登場

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今年は「ウェアラブル元年」と言われています。 誰もがスマートフォンやタブレットを持ち歩く時代となり ましたが、2014年は、持ち歩く「モバイル」端末から身 に着ける「ウェアラブル(wearable:身につけられる)」 端末に移り変わろうとしている年だからです。
「スマートフォンがあるんだから、ウェアラブル端末 なんか必要ないんじゃないの?」
と思われる人もいるかもしれませんが、スマートフォンは、 必要なときにカバンやポケットから取り出して使うもの。 スマートフォンと、いつも身につけているウェアラブル端末 とでは、目的や使い方が根本的に異なると言えます。 ウェアラブル端末市場は2016年までに1兆円の市場に成長 すると言われており、日本市場は2018年にウェアラブル端末 全体で500万台弱に成長すると野村総合研究所は予測しています。
ポスト・スマートフォンの有望市場として、業界もこの 流れを歓迎し、注目しています。 そのウェアラブル端末の中で、様々な企業が製品を発売 しているのが、腕時計型のスマートウォッチと呼ばれるものです。

Googleのウェアラブル端末向けOS「Android Wear」

Google は、すでにGoogle Glassというメガネの形をした ヘッドマウントディスプレイ型のウェアラブル端末の 販売をしていますが、2014年3月18日にさらに 「Android Wear」と呼ばれるウェアラブル端末向け のOSを公開しました。
これは、従来のスマートフォンやタブレットなど、 モバイル端末向けにGoogleが開発したOS「Android」 を、スマートウォッチなどの身に着けるウェアラ ブル端末向けに改良、最適化したバージョンです。 スマートウォッチの開発には、LG電子、モトローラ、 HTC、エイスース、Samsung、インテル、クアルコム などが加わっています。
モトローラは「モト360」シリーズとして複数の モデルを今夏にアメリカで発売、LG電子は 「LG Gウオッチ」を4~6月期に発売と、これから様々な メーカーからGoogleの「Android Wear」を搭載した スマートウォッチが発売される予定です。

Googleのウェアラブル端末戦略

しかし、すでにスマートウォッチ市場では、ソニーからは 「SmartWatch」シリーズが、Samsungからは「GALAXY Gear」 などが発売されています。
後でも説明しますが、AppleやGoogleなどのIT企業 だけでなく、スポーツブランドも時計型のウェアラブル 端末を発売しています。 言うなれば、Googleはスマートウォッチ市場では後発となります。 だからと言ってGoogleは不利になるでしょうか?
そうはならないでしょう。
それどころか、Googleのウェアラブル端末向けOS 「Android Wear」の登場により、スマートウォッチ市場 だけでなく、ウェアラブル端末市場全体が活気付く ことになるでしょう。
その理由を説明します。 Googleはこのウェアラブル端末向けOS「Android Wear」を、 端末メーカーなどに無償で提供しています。 スマートフォンの話になりますが「Android」という スマートフォン向けのOSを開発したのはGoogleですが、 幅広い層のユーザーを獲得するため、Googleは 「Android」を企業に自由に使わせるという戦略をとりました。
企業は、Androidを搭載したスマートフォンを作っても Googleに特許料を支払う必要がないため、端末を安く することができ、価格を抑えたAndroidスマートフォンは 新興国を中心に売れに売れ、贅沢品として値段の高かった AppleのiPhoneのシェアを奪っていきました。
昨年、2013年の世界全体のスマートフォン販売台数 9億9000万台のうちの7億8120万台がGoogleが提供する OS「Android」を搭載したスマートフォンでした。 つまり、スマートフォン市場でGoogleのOS「Android」 のシェアは約8割にも上るということです。
しかも、2013年は、GoogleのOS「Android」が、 スマートフォンだけでなくタブレット端末でも勢い を増し、AppleのOS「iOS」を初めて逆転し62%と なった年でもあります。 Googleは、スマートフォン市場で8割、タブレット 端末市場で6割という高いシェアを握ることになりました。 Googleは今回も同様のシナリオを描いていると思われます。 事実、Googleは今回も「Android Wear」を 無償で企業に提供しています。 様々な企業に自由に使わせることでサービス開発を 促し「Android Wear」を普及させ、スマートフォンだけ でなく、ウェアラブルのプラットフォームでも主導権を 握りたいのでしょうね。
「Android Wear」の登場で、スマートフォンの時 と同じように、ウェアラブル端末が安価に作られ、 世界中にもっと普及することになるでしょう。 スマートフォン市場ではiPhoneをお手本とし、 追いつき追い越せでやってきたGoogleですが、ウェア ラブル市場ではGoogleが主導すると思われます。 市場調査会社Forrester Researchでアナリストを 務めるSarah Rotman Epps 氏は、2012年の時点で このようなことを言っています。
「ウェアラブル機器はプラットフォーム係争を激化させるだろう」
「おそらく勝者はGoogleになるのではないか」
「Androidプラットフォームは、より広い範囲で同市場に影響を与えるだろう」

■Google Wearを搭載したスマートウォッチで何ができるのか

Googleの企業戦略の話はこれくらいにして「Android Wear」 を搭載したスマートウォッチで何が出来るのかの話を したいと思います。 受信したメールのプレビューなどだけでなく、 位置情報などを使い、その時に必要な情報を必要な 時に提供してくれます。 天気、スケジュール、飛行機や新幹線の時間、 スポーツの結果、料理のカロリー、場所に応じた ショッピング情報や、近くのショップのクーポンなど を表示してくれます。
スマートウォッチにはキーボードがないので、 機能を呼び出したり、文字入力するには、Googleの 音声認識技術が使われています。 「OK,Google」と話しかけるだけで音声操作を実行でき、 指示や質問を出すという形になります。 受信したメールに対して音声で返信したり、 単純な検索や、ホテルやレストランなどの予約まで、 全て声だけで操作できます。 音楽の再生などをコントロールしたりと、 他のデバイスを操るリモコンにもなります。

■スマートウォッチに期待される「バイタルサインを計測する機能」

しかし、これらはスマートフォンでも出来ることです。 「Android Wear」は基本ソフトウェアであり、今後は アップデートされ、さらに色々な機能が追加されるでしょう。 その中で、実装された場合、今までの生活を最も変えるもの となるのは運動量などを計測する機能ではないでしょうか。 スマートウォッチに備えられた各種センサーから「運動量」 「心拍数」「体温」「血圧」「汗」などの生体情報、 バイタルサインの情報を測定し記録することができるよう になれば、スポーツや健康管理にも役立ちます。 これらを可能にすることができるのが、常に身につける ウェアラブル端末の大きな強みだと思います。

■スポーツシーンで使われているウェアラブル端末

事実、AppleやGoogleなどのIT企業だけでなく、スポーツ ブランドもウェアラブル端末を発売しており、現在ウェア ラブル市場で好調なのは、こういったスポーツマン 向けの製品だそうです。 アディダスやナイキもスマートウォッチを開発しており、 ランニングの情報を記録する「Nike+(ナイキプラス)」 は、スポーツバンドや腕時計型の製品で、身に着けて ランニングすれば走行時間や走行ルートなどの データを記録したり、履歴を表示してくれます。
面白いのがその記録したデータをSNSやウェブサイト で公開したりできること。 これが人気を集めました。 SNSを通じて友人と繋がることが、ユーザーの モチベーションを維持させたり向上させることに 一役買っているんでしょうね。 他にもケーブルレスで音楽を楽しめるBluetooth対応 のMP3プレーヤー機能や、体の動きから「今どんな スポーツをしているのか」を自動で判別できる機能、 水中でも使える防水機能まで備えたウェアラブル端末もあります。
こういったスポーツ用のウェアラブル端末は1万円 前後という高さでありながら、売り切れが続出 しているそうです。 単にデータを記録するだけなのではなく、 モチベーションを維持させ、楽しくスポーツできるよう になる機能が人気の理由なのでしょうね。

■まとめ

Googleの「Android Wear」の登場は、ウェアラブル端末市場 の拡大を促進させ、その過程でウェアラブル端末はもっと 世の中に普及し、より軽くより小さく、身に着けているこ とすら忘れるようなものへと進化していくことになるでしょう。
常に身につけているウェアラブル端末でしかできない機能 やサービスも、もっともっとあるはずです。 小型ゆえに、ウェアラブル端末そのものの処理能力はさほど 高くすることはできないでしょうが、データをどのように 活用するのか、どういったサービスができるのか、そう いったアイディアは、スマートフォン以上に 出せるようになると思います。
スポーツ好きなので、特にスポーツに関するサービスで、 なにかあっと驚くような、もっと多くの人がスポーツ を楽しめるような、そんなアイディアを出してビジネス につなげることが出来れば……!と思っています。

まとめ

時計がもともとあったのに、壁時計になったのはなぜ?
時計がもともとあったのに、腕時計をするようになったのはなぜ?
身につける、という行為をウェアラブルで考えたときに、 時計であったり、メガネであったりコンタクトであったり、 そんなイノベーションが産まれた経緯と、その広がりのスピードをみて考えたときに、今と先が見えます。 お医者さんで麻酔を使うようになったのは1800年代、そして麻酔を行ったのが歯医者、だったそうです。 どれだけ、歯医者で麻酔なしに治療を行うのが大変だったか・・。 そう考えるとあとで「納得」できるんです。
後出しで納得するのではなく、必然がある理由が見えればそれはいずれ必ず咲く見えた夢。そう思っています。

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(次回につづく)

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