「vol.82 午後11時谷町線にて定点観測を行ったデータから」 2014.01.14
【1】高槻市ハーフマラソン
またも、マラソンの話なのですが、今週末は高槻市ハーフマラソンです。 高槻市を走るので、絶妙なタイミングにあうと何と、車が走るから 「ランナーのみなさん、いったんストップになります~!」 というストップを受けることがあります。
タイムを競うランナーは びっくりしますが、高校生くらいのボランティアが 「すみません!すみません!待ってください!すみません!」 と言われると怒れるはずもありません、という面白いマラソンですが、 いいタイムで走るもよし、車で止まって1分くらいロスするもまたよし。
気持ちだけ、1分止まったから1分くらいタイム早かったな、と 自分で納得だけしてタイムをサバ読んでしまえばいいかと。
マラソンばかりしてますが、馬のように今年も走ります。 いつのまにか、馬年年男で年男3周目になりました、ひひんと駆け抜けますよ。
【2】午後11時谷町線にて内定点観測を行ったデータから
大学生が作ったサービス
「栴檀は双葉より芳し」という言葉があります。
栴檀は白檀のことで、白壇は発芽したばかりの二葉の頃から良い 香りがすることから、大成する人物は幼いときから人並みはずれて 優れたところがあるという意味です。
この言葉のように、大学在学中という早い時期から、斬新なアイ ディアで新しいITサービスを産みだし、そのサービスを世の中 に定着させて日常的な当たり前のものにしてしまう人たちがいます。
フェイスブックのザッカーバーグ
その中で一番有名な人物と言えば、映画にもなった、 アメリカのプログラマであり実業家でもあるマーク・ ザッカーバーグMark Zuckerbergでしょう。 名前は知らなくとも、Facebookの生みの親といえば、誰でもわかると思います。
ハーバード大学在籍中に、彼はSNS「Facebook」を開設し 大成功を収めました。
2010年、25歳という最年少でありながら、経済誌フォーブス誌の 「世界で最も若い10人の億万長者」の第1位にランクイン。 この時点で推定総資産額約40億ドルというからすごいですね。 しかし、もっと驚くべきことに、この2年後には4倍以上の総 資産約175億ドルで世界富豪ランキング35位にはいっています。
大学に入学する前から発明していたザッカーバーグ
ハーバード大学に入学する前から、彼は友人とともに、 ユーザーが過去に選択した曲から聞く曲目を予測する機能を もつ音楽再生用フリーソフト「Synapse Media Player」の サービスを開始し、高い称賛を受けていたそうです。
ハーバード大学時代には、同じクラスを履修している他 の学生のリストを参照できる「Coursematch(コースマッチ)」や、 ハーバード大学内に特定した画像格付けサイト 「Facemash.com(フェイスマシュ.com)」を作ります。
しかし、このサイトがオンライン上に存在したのはわずか4時間程だそうです。 「自由で公然とした情報の利用を可能にすべき」という ザッカーバーグの主張もむなしく、セキュリティを破り インターネット上のプライバシーや知的財産の規約に違反 したとして、大学の管理部職員によってザッカーバーグの インターネットアクセス権が無効とされ、彼は処罰されたからだそうです。 Facebookを立ち上げるとザッカーバーグは大学を休学し、1年後に中退したそうです。
新しいことをする時、叩かれたり非難される露払いのような 役目をする人や企業があるものですが、 まさにそういったものかもしれません。
この辺は映画で『フェイスブック』をご覧になった方は 経緯をご存知かもしれませんね。
日本では日本人も負けていません。
新しいサービスを、大学や大学院在学中に生み出す日本人 の学生もたくさんいます。
中央大学、慶應義塾大学、早稲田大学などに通う大学生 たちが開発したソーシャルサービス「trippiece」は、 行ってみたい旅行プランを立て、そのプランに共感した人 と一緒に旅に出る仕組みを作っています。
団体でまとめて購入するため、一般のツアーより安く旅行できるんですね。
現役東大大学院生3人が立ち上げたニュースキュレーション 「Gunosy」は、Twitter、Facebook、はてなブックマークの アカウント情報を利用することでユーザーの興味を学習し、 より良い記事を推薦することができるようになっています。
(ITにおけるキュレーションとは、インターネット上の 情報を収集・選別・共有することです。分類されまとめ られた情報は新しい価値を持つようにもなります。)
こういった、大学生や大学院生たちが開発したものの中で、 特に興味を持ったのが、10代から20代のファッションに興味 の高い女性をターゲットに開発されたアプリをリリースして いるパペルック株式会社と、代表取締役CEO小澤一郎氏 と取締役CCO松浦和博氏。
小澤一郎氏は明治大学法学部に在籍中の現役の大学生で、 彼も中学~高校生の時にはすでに携帯サイトのビジネス を行っていたそうです。
パペルック株式会社のアプリ
写真を切り抜いたり、背景や文字を加えてスクラップを作ったり、 それを共有できるアプリ「papelook(パペルックpaperとlookbook を組み合わせた言葉)」や、いつも読んでいる雑誌を選ぶだけで、 その雑誌に出ているモデルのブログやブランドの情報を自動で 簡単に収集できるファッションマガジンアプリ「pape.mu girls」を、彼らはリリースしています。
ファッション雑誌と同じように、広告モデルによる収益を行っ ていて、「papelook」は情報発信、「pape.mu girls」は情報受信、 という位置付けだそうです。
「pape.mu girls」の面白いところは、好きなブランドやモデル をキーワードで選ばせるのではなく、好きな雑誌を2、3誌選ぶ だけでユーザーのファッションタイプを推測するところと、 その後で閲覧したコンテンツをもとに、ファッションの趣向を解析し、 おすすめのファッション情報を自動的に提供してくれるところです。
こういった、10~20代のファッションに興味のある女性を ターゲットにしたアプリを開発するにあたり、会社設立に あわせて渋谷に拠点を移したり、二人でありとあらゆる 女性誌を、片っ端から読んだそうです。(私も含めて、男性は女性のファッションやブランド に疎いものですから、苦労したんだろうな~と勝手に思っています)
アプリによるレコメンド
「pape.mu girls」で最も重要なのは、独自開発した レコメンドエンジンだそうです。
横文字でちょっとわかりづらいですが、英語ではrecommend、 推薦するという意味で、ここで言うレコメンドとは、amazonのようなECサイトで よく見かける、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というオススメの商品を提案するシステムを思い浮かべれば、 わかりやすいと思います。
好きな雑誌をもとに、オススメのファッション情報を 提示するレコメンドエンジンは、ECサイトより複雑で、 よく登場するモデルやブランドから各雑誌を特徴付けたり、 例えば、モデルAの情報を見たユーザーはモデルBにも関心 を持つ傾向がある場合はレコメンドすべき情報と判断したりしているそうです。
統計的アルゴリズムなので、多くのユーザーが利用 すれば利用するほど、情報の精度を上がることになりますね。
このレコメンドエンジンは、設定を入れ替えれば、 メンズ版、インテリア、アートなど、どんなカテゴリー やターゲットにも対応可能というメリットがあり、 そういった方面にもリリースしていくそうです。
ITリテラシーの高くないユーザーも使えるアプリ
スマートフォンがもっと普及していく、これからの社会に おけるITビジネスの特性の一つをよくあらわしている気が して共感を覚えたのが、代表取締役CEOをつとめる小澤一郎氏のこの言葉です。
「ITリテラシーの高くないユーザーでも、ペラペラと雑誌を めくる感覚で簡単にブログやサイトに載っているファッション情報がチェックで きる」
インターネット上にはファッション情報があふれていますし、 オンラインでその情報を交換したり、人とつながるサービスも存在します。 しかし、それを検索して調べたり使いこなすには、やはり ある程度のITリテラシーや手間が必要ですし「ペラペラと 雑誌をめくる感覚」という手軽でアナログな感覚とは全然違いますよね。
インターネットに詳しくなくても、まるでコンビニで雑誌を 立ち読みする程度の気軽さで情報発信や情報収集できる環境 をiPhone上で再現したかったのだそうです。
そして、取締役CCO松浦和博氏は、アプリ開発やWebサービス で起業を目指すエンジニアに、こうアドバイスしています。
「よく言われていることですが、情報過多の時代、 『キュレーション」や『レコメンド』がこれからのアプリや Webサービスには欠かせないものになります」 先ほどあげたニュースキュレーション「Gunosy」 が注目されていることからも、この言葉にうなずけます。 インターネットは情報を調べたり集めたりするのには 確かに便利ですが、その情報量は膨大です。
その膨大なインターネット上の情報を収集・選別・共有し、 あなたにあう情報はこれですよ、と薦めてくれるアプリや サービスが登場するのは必然なのかもしれません。
ユビキタス化するサービス
これからのアプリやWebサービスで欠かせなくなると 言われている『キュレーション』や『レコメンド』ですが、 もう一つあえてつけ加えるなら、『ユビキタス化』ではないでしょうか。
ユビキタスとは古いラテン語で「どこにでもある」という意味で、 コンピュータやネットワークが生活に溶け込んでいる状態の ことを指す言葉として、特にIT分野の用語として広く定着しています。
今までは、サービスを受けるためには時間や場所に制約があったり、 専用の機器が必要でした。 しかし、スマートフォンが当たり前の時代になった今、 スマートフォンを使うことで、サービスを提供する場所 や時間の制約が著しく小さくなりました。
「ITリテラシーの高くないユーザーでも、ペラペラと雑誌 をめくる感覚で簡単にブログやサイトに載っている ファッション情報がチェックできる」
先ほどのこの小澤一郎氏の言葉の、ITなどと意識もせずに スマートフォンを使ってサービスを受ける女性の姿も、 単に『便利ですしね』だからです。
時計と一緒ですね。
・置き時計
・柱時計
・腕時計
とコンパクトでみやすいように進化するように
・デスクトップパソコン
・ノートパソコン
・スマートフォン
あまり専門用語を使って小難しく言わなくてもそんなものなのかなと。 『ヤフーの爆速経営』と言う本を読んでいたら、文章の一文に、 エレベータに乗ったらみんな緑色のサイト『LINE』していて 強烈な危機感を持った、とありましたが、まさにそんなものだと。
電車乗っててもスマホ触っている率が高い高い、80%超えていたように感じます 。(午後11時谷町線内定点観測)
スマホでの広告出稿やスマホ対策などは今後必須です。
そういったご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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(次回につづく)