「vol.80 スマホと夜逃げ」 2013.11.25
インターン生のゲーム制作
学生インターンが10月来ていましたが、その3名が研修でゲーム作成を行いました。
・インターン生でつくりました『カラフルIFO』
・カラフルIFO
サクッとこういったゲームをつくれるのはいいですね。クリアをすればエンディングもしっかり組み込んでいます。呉くん、轟部長などをキャラクターに入れたりして、面白い展開になっていて、短い期間でよく完成までできたな~と感謝と感動しています20歳くらいの若い子だからゆとり世代とか言ってられません。いろんな夢を持って頑張る若者もたくさんいます。
あらためてしみじみ感じます。
スマホと夜逃げ
当たり前になって久しいスマートフォン。 スマートフォンのiPhoneとAndroidと、日本と日本人の性質 について考えてみました。夜逃げの話は最後のほうに出てきます。 iPhone = アイフォン Android = アンドロイド アイフォンはわかりますよね、アンドロイドというのは アイフォン以外のスマホ、と思ってもらえればほぼOKです。あまり英語で書きたくないんですが、 iPhone、Android と書いたほうがみやすい、という意見もあるので 一応こっちで書いてみます。
スマートフォンには、Apple社の開発したiOSをOSとするiPhone と、Google社の開発したAndroidをOSとするAndroidスマートフォンがあります。 iPhoneは、iPhone4だ5sだ5cだと言ってみても、見た目も機能も、 すべて同じようなものです。
それに比べて、Androidスマートフォンは、色んな企業が色んなデザインのものを販売しています。iPhoneは、Apple社でデザインからシステム開発まで行っていますし、 iOSは他社で使うことができません。 要するに、iPhoneは、Apple社からしか出せない特許商品なのです。 逆に、Google社が開発したOSであるAndroidは、特許こそ取っているものの、 どのメーカーがどんなデザインのスマートフォンを作ってもよいことになっています。 ですからAndroidスマートフォンは色んなメーカーが、 色んなオリジナル商品を作って販売できるのです。
世界で売れているAndroid
ここで気になるのは、iPhoneとAndroidスマートフォン、どちらの方が 人気があって売れているのかということ。 先日Androidスマートフォンのシェアが81.0%と、初めて8割を突破した というニュースがありました。アメリカの調査会社IDCが2013年7~9月期 の世界スマートフォン出荷台数を調査した結果です。
一方、iPhoneのシェアは前年同期の14.4%から12.9%に低下しています。 今までの常識や観念を打ち砕いた革命的な製品であり唯一のスマートフォン だったiPhoneのシェアは1割ちょっとになり、後に登場したAndroidのシェアは 伸び続け8割を超えたというのが世界の現状です。
世界一iPhoneが売れている国、日本
ここで、日本の特殊性がみえてきます。
このアメリカの調査会社が行った世界のスマートフォン出荷台数の調査結果を見て、 「へえ、Androidスマートフォンは8割も売れているんだ」 と素直に思えません。私だけでなく、日本人なら誰もがそう思うでしょう。 なぜなら周りを見るとiPhoneを持っている人が多いような気がするからです。
カンター・ジャパンが2012年10月から12月期に行った調査結果によると、 日本国内ではiPhoneが66.2%、Androidが31.9%と、圧倒的にiPhoneが人気でした。
国別で見ると、1位が66.2%の日本。2位は51.2%のアメリカです。 2位のアメリカに15%も差をつけて、日本ではiPhone人気が高かったのです。 ところが、3位以降から、iPhoneのシェアはガクッと下がります。 3位のイギリスは32.4%、フランス25.6%、最下位のスペインはわずか6.4%とい う少なさです。 2013年1月から3月に行った調査でも、全ての国でAndroidスマートフォンの シェアが伸びている中で、日本はiPhoneのシェアは49.2%と最大でした。 アメリカ、イギリス、スペイン、ドイツ、フランス、イタリア、オーストラリ ア、中国を合わせた9カ国のうち、iPhoneの販売シェアがトップなのは日本だけ です。
日本は、世界で最もiPhone人気が高い国なのです。 新しいAndroidスマートフォンが次々に発売されている中でのことですから、日 本での根強いiPhone人気がわかります。
iPhoneが1~10位までを独占する日本
日本人のiPhone好きを裏付ける調査結果は、国内にもまだあります。 2013年11月4~10日の携帯電話週間売れ筋ランキングでは、 「1~10位を全てを新型iPhoneが独占」 という状態にまでなっています。
1位:NTTドコモ iPhone 5s(32Gバイト版)
2位:ソフトバンクモバイル iPhone 5c(16Gバイト版)
3位:ソフトバンクモバイル iPhone 5s(64Gバイト版)
…と続き、上位10位はすべてiPhoneが独占しています。 ドコモがiPhoneに参入したこともあって勢いがあったためかもしれません。 世界の中で日本だけがiPhoneの売り上げをここまで伸ばしている状況を、アメリカのWall Street Journalはこう報道しています。 「Appleは日本という思わぬ金脈を掘り当てた」
iPhoneとAndroid、世界と日本でなぜこうも人気に差があるのか
ここで、疑問がわいてきます。 なぜ、国によってここまでiPhoneとAndroidスマートフォンのシェアが違うのか。なぜ、日本はこれほどまでにiPhoneが人気なのか。 日本以外では、Androidスマートフォンの方が売れています。 それは人気があるからでしょうか。 調べてみると、人気があるから売れる、機能がいいから売れる、そんな理由ではなく、値段の問題が大きいようです。要するに、Androidスマートフォンが良いから売れるのではなく、安いから売れ ているのです。
日本の平均月収約26万7,000円に対し、iPhone5の値段は5万1,360円。月収の約20%です。 また、分割で買うと割引されたり、携帯キャリアの中で最も強いドコモから顧客¥を奪うため、auやSoftBankがiPhoneをドコモのAndroidスマートフォン以下の価格で販売したり、各種特典で値引きしたため、実質0円になることもよくあります。 一方、インド・インドネシア・中国・ブラジルでのiPhone 5の16GBモデルの価格は、平均月収の2.5から3倍もするそうです。
しかも日本のような割引もなく、定価販売が基本だそうです。 しかし、Androidスマートフォンは違います。AndroidというOSを開発したのはGoogleですが、Androidスマートフォンを作っている企業は、Googleに特許料を支払う必要はありません。 だから、端末を安くすることができるのです。 中国のZTEや、韓国のLGやサムスンからは、100ドル(約8800円)~50ドル(約 4400円)と言った格安のAndroidスマートフォンが発売されています。 日本と違い、新興国ではiPhoneは高級品であり、このような価格と機能を抑えたAndroidスマートフォンが売れるのです。 幅広い層のユーザーを獲得するためにAndroidというOSを自由に使わせる。 Googleのこの戦略は、世界で8割のシェアという形で現実のものとなったのです。 しかし、日本では、そういった機能と価格を抑えた格安Androidスマートフォンを見かけることはありませんね。
Androidスマートフォンは、OSであるAndroidを自由に使えることで価格を抑えるという強みがありますが、OSを自由に使えるということは、同時にキャリアやメーカー独自のサービスを自由に組み込めることでもあります。 日本では、安く作れるはずのAndroidスマートフォンに、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信といった、ガラケーの、日本独自の機能を盛り込んだiPhone以上の機能や価格のものまで出ています。
海外では高級品のはずのiPhoneが安く売られ、海外では安さが売りのはずの Androidスマートフォンに日本独自の機能が搭載され高値で売られている。 これが日本の現状です。
価格がそれほど変わらないなら、人気のある方を買うでしょう。 また、日本では高機能のガラケーが普及しています。機能の低いスマートフォンをわざわざ買うぐらいなら、今まで慣れ親しんだガラケーを使い続けるという人もいるでしょう。 こういった日本の特殊な状況が、日本のiPhoneのシェアの高さにつながっているのかもしれません。 それ以外にも、日本のiPhoneのシェアの高さには理由がありそうです。 海外で売れているはずの安価なAndroidスマートフォンが日本では売れていない理由について、KDDI 田中孝司社長が面白いことを言っていました。 「日本人はいくら安くても、安いだけでよく分からん端末(ブランドでない端末やメーカーのもの)っていうのはダメなんですよね(苦笑)」
iPhoneのApple社がブランドとして日本人に高く評価されている証拠として、日経BPコンサルティングが実施した「ブランド・ジャパン2013」があげられます。Apple社は2012年に続き2年連続で消費者が選んだブランド1位となっています。
また、どのような層がiPhoneを求めるのかについても、田中孝司社長は、 「iPhoneが売れるのはアーリーアダプター層(※1)。ここでは圧倒的に強い」 「そして、もう1つの層が、フォロワー層(※2)。このあたりは日本人の国民性 が出ています」 (※1 新しい商品やサービス、ライフスタイルなどを早くから受け入れ、他にも大きな影響を与える層) (※2 アーリーアダプター層の影響を受けやすい層) ……日本でiPhoneが売れる理由には、 アップルの製品がかっこいい、というのが理由も大きいです。
日本のスマートフォン市場
Androidスマートフォンも機能やシェアを伸ばし続けていますし、縛りの関係上、スマートフォンの買い替え期間は24ヶ月と言われています。 もう少ししたら、iPhoneとAndroidスマートフォンのシェアも変わるでしょう。 それでも、こういった日本や日本人の性質は、iPhoneとAndroidスマートフォンのシェアだけでなく、スマートフォン市場全てに大きく影響し続けると思われます。 こんな感じに書いてみましたが、 iPhone持ってると「かっこいい」感じがしますし、クールな感じがします。 スマートフォン=iPhone なので、スマホ持ってると iPhone持ってるの?と言われても 「アンドロイド持ってるの?」とはいわれません。今のところ。 かっこいい、おしゃれ。 日本の特殊性というよりどこの国でもそんなもの。
少し前にベトナムに行ったときに、現地の人やガイドさんに話を聞くと、 パナソニック、とか日立とか、キャノンとか、 ベトナムではお洒落なブランドのイメージだそうです。 当たり前ですよね、日本から多くの企業が工場を作り、その企業で雇用を つくり、その企業や工場で働く人には「通常賃金の数倍」を支払えば、 ふつうはブランドイメージよくなります。 あと地元の和歌山だと大阪のファッションとか 東京のお洒落なファッションは人気でした。(かつて少しまえ) ニューヨークで流行の、というよりも 「大阪梅田のセレクトショップのコンセプトそのままに・・」 などキャッチを書かれると響きます。(個人的な感覚なんですが) まーそんなものです。地域性は離れると見えたりします。 ブランドが好き、というよりも、しっかりしたブランドを作った 成果と考えればそういうことかと思います。
肝心の夜逃げの話
カラフルIFO 大事な夜逃げの話ですが、夜逃げ本を 『君は夜逃げしたことがあるか―私の人生体験と経営理念』 新日鉄の元会長の永野さんが書かれています。
永野さんは1984年なくなっているので、私が6歳のとき。 本のタイトルのように、永野さんはほん
とに夜逃げしているそうで、 戦前と戦後と生き抜いた永野さんからすれば、戦争で何もなくなった
状態や そこからの復興で日本を作り上げたことからすれば 『君は夜逃げをしたことがあるか、 社員の給料が払えず夜逃げをした人生体験がバネになる。』 だそう。 そして永野さんは 『私の生涯で一番勉強になったのがこの時期です』と晩年語ったそう。
夜逃げが良かった、夜逃げしましたと言う経歴は賞賛されるもの、 そんな感覚を持ちずらいですが、アップルはかっこいいブランドという 意識と同じように永野さんのような意識にならんとあかんのでしょうね。
半分だけ水が入ったコップをみて 「半分しか入ってない」か 「半分も入っている」と、事象同じでも見方が異なるとすれば、 「きみは夜逃げをしたことがあるか」と聞けることはすごいこと、 と言う感覚を持ち合わせないといけない、そんな風に思います。
そう考えると、webマーケティングというものも 見方変えれば素晴らしいものにも見えてきます。
———————————————————————-