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フェルミ推定

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【SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.57】 2011.6.28 
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  「フェルミ推定」

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■ 1  フェルミ推定 シカゴにはピアノの調律師が何人いるか?」
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● 【フェルミ推定と統計】

 サッカーの世界ではフリーキックなどのセットプレーから得点の40%が
 生まれます。

 これはプロの世界でも、アマチュアの世界でもほぼ同じ統計だそうです。
 と考えれば、弱いチームは必死に守って守って、一本のセットプレーに
 勝機を見出す、というのは正しい戦術になってくるわけです。
 
 今回はそのような数字に関するデータと統計のテーマでご紹介します。

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■ 2  「シカゴにはピアノの調律師が何人いるか?」
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● シカゴにはピアノの調律師が何人いるか?
 統計と推定について考えるベースとして、「フェルミ推定」があります。
 何かの事業を起こしたり、お店を出すときに、にニーズを探るためによく使われることもあります。

● 「フェルミ推定」とは、仮定や推定など、いくつかの手掛かりをいくつも組み合わせて
 「概ねどのくらいになるか」ということを見積もることをいいます。

● この「フェルミ推定」は外資系企業やコンサルティングの会社などの面接試験で用いられることがあるそうです。
 さらに、欧米では学校教育で科学的な思考力を養成するために用いられることもあるそうです。

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● この「フェルミ推定」をいくつか例を使って、説明したいと思います。
 まず始めに「シカゴにはピアノの調律師が何人いるか?」という質問があるとします。
 これはフェルミ推定で基礎基本のケースですが、なんとも漠然とした質問です。

● そういった漠然とした問題に対して、いくつかの仮定などを元に何人か推測してみようと思います。
 まず始めに考えなければならないのは、シカゴの町にピアノがある以上調律師がいる、
 ということは、お客様が必ず存在します。

● そのお客様の数を今から大体推測していこうと思います。

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 【1】 まず、シカゴって人口どれぐらいいるのかな?と考えます。
 そこで、仮定として500万人としましょう。

 【2】 次に、ピアノがあるということは、世帯数を求めないといけません。
 そこで、1世帯あたりの人数を2人と仮定しましょう。

 【3】 調律するピアノを持っている世帯の数と

 【4】 調律する回数を仮定してみます。

● そうすると、定期的に調律するピアノを持っている世帯は20世帯に1つと仮定し、
 その調律するピアノは1年に1回調律すると仮定しましょう。

● 次に、そういった調律に対応するには、どのぐらいの時間や人件費がかかるのか、を推測してみます。

 【5】 ピアノの調律には交通時間も含め2時間かかると仮定します。そこで、

 【6】 調律師は日に8時間、週5日、年50週働くとしましょう。

 【1】【2】【3】【4】 から1年に調律するピアノは125000台と推定できます。
 【5】【6】 から1人の調律師が調律できるピアノは1年に1000台になります。

● 125000台 のニーズに対して
 1人年間1000台 の供給が可能、

● したがってシカゴにいる調律師の数は125人となります。

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● この数は、必ずしも正解ではありません。仮定が異なれば出てくる数字も変わりますし、
 これは、あくまでも推定です。

● こういった仮定を元に試算していくのが、「フェルミ推定」です。
 今の例は、「フェルミ推定」を説明する例としては、よく使われます。
 今の例で、「フェルミ推定」のやり方や、考え方が大体理解できましたでしょうか。

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■ 3  「大阪市に中華料理店は何件あるか?」
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● 次は、身近な例を元に説明していきたいと思います。
 「大阪市に中華料理店は何件あるか?」これまた、漠然とした質問です。
 中華料理店といっても、王将やバーミヤンから個人店まで様々存在します。

● その中で、ある仮定を元に推測していきたいと思います。
 まず、大阪市の人口は280万人ぐらいです。

● 次に、外食する人ってどのぐらいの人数か、仮定しましょう。

 時間帯別に分けて朝になかなか外食をする人は、いないと考えましょう。
 次に昼はどうでしょうか。様々ですが我々サラリーマンが
 昼休みに外食する機会は多くなると仮定して、全体の40%と仮定しましょう。

● すると昼に外食する人は、112万人と出てきます。

● 次に夜は、昼より少ないと仮定して、20%と仮定しましょう。すると56万人と出ます。
  次はその外食で中華を選ぶ人ってどのくらいいるのかを仮定してみます。
  昼の中華が5人に1人と仮定すると、20%で22.4万人。夜は、10人に1人と仮定すると10%で5.6万人。

● 次に、時間帯別の客単価を仮定してみましょう。
  昼は、様々なセットがあります。そして大体が700円~800円なので、700円と仮定しましょう。
  すると昼の中華店市場は15,680万円と仮定できます。

● 夜は、単品で注文したり、ビールを飲んだりして、単価は上がって、1200円と仮定しましょう。
  すると夜は6720万円という市場があると仮定できます。

● 合計すると、約2.2億円(1日)となります。これを年間に換算すると817億円と仮定できます。
  これが、中華料理店の市場です。
  

● で、中華料理店、1件でいくらくらい売上を立てないといけないか。
  最低ライン考えても、月額50万くらいでしょうか。高校のときに中華料理店でバイトしていた
  のですが、原価は30%程度と聞いていたので、50万円のうち15万円原価、35万が粗利。

  年間で600万円、粗利は420万円。その中から厨房機器等ガス光熱費用、
  備品類、店舗の賃借料・・・。などなど。で30%引かれれば、180万引かれて残り240万。
 

● 大きい家族ならかなり厳しい、ですが、一応これで計算すると、

  
  817億円 ÷ 600万円 = 13616軒  
  

● そこで、およそ13616軒の中華料理店があることが推定できます。

  
● 推定があっていのかどうかよりも、推定に推定を重ねて答えをまずは導き出す。
  推定しないことには、何も実行に移せません。

● WEBサイトででもご商売でも、このことが言えると思います。
  WEBサイトの改善を行ったことで、どれだけの利益になるのかを「フェルミ推定」で推定することで、
  WEBサイトの改善を行うメリット、利益になることが想定できるため、

● その重要性を感じていただけるのでは、ないかと思います。
  仮説と検証が大事ですが、仮説をどのように作るのか、によってスタートラインが大きく異なってきます。

  
● ロジックを作るための一定の数字を明確化する、
  それがアクセス解析であり現状数字です。数字は嘘をつきません。   
  そんな形で数字を見ていくことが大事なのでしょう。

● ご意見やご感想はこちら   tani@clarenet-contents.com 谷宛までどうぞ。

  (次回につづく)

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