『SEOマーケティングの未来を読む vol.182』
ドローンとロボットテストフィールドの話
【1】令和元年おめでとうございます
祝・令和元年。
おめでとうございます。
明けましておめでとうございます、感じがしますが、
ご商売のほうでも「新年セール」の如く、結構令和セールを
みかけますし、ネットでもよくみます。
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マシンがトミカから発売中、でポイントが18倍!
トミカさん恐るべし。
さらに「ご注文はお一人様1個までとさせていただきます」
このへんも手抜かりはありません。
当たり前ですがユーザーは子供、購入者は大人、
こういう風にうまくくすぐられます。
もちろんおめでたいときにしっかりお金を使うのも大事なこと。
令和ロールを食べ、令和セールに興味をもち、
令和まんじゅうをGWは食べお休みが過ぎていきます。
【2】【ブログ】
■ 東北研修の旅:何を感じるか?
https://www.clarenet.co.jp/column/staff/2019/04/26/2818.html
■ 【元総理大臣、小泉純一郎氏の基調講演】「一つ」ビジネスの基本をみいだしたり!!!
https://www.clarenet.co.jp/column/staff/2019/03/06/2773.html
ドローンとロボットテストフィールドの話
■ ロボットテストフィールド
https://www.fipo.or.jp/robot/
小さなヘリコプターが商品を配達してくれるドローンの話です。
SFの世界のような、ドローンによる配達サービスの飛行試験が
欧米や中国などで活発化しています。
中国は今でもどんどん国を挙げてドローン事業に取り組んでいるそうで、中国国内だけ
でもドローン関連会社が1000社あると言われているそうです。
ちょっと前にはAmazonのサービス「Amazon Prime Air」によって
初めて商品配送の実験も行われています。
技術的・法的な問題から、ドローンによる配達が実際に行われるように
なるまでにはまだ時間がかかるでしょうが、
それでも着実に実用化に向けて前進しているのを感じます。
そのドローン分野における国際競争で日本は遅れをとっていましたが、
当然、日本企業も手をこまねいて何もしていないわけではありません。
というわけで今回は、
ドローンとロボットテストフィールドです。
前に、福島県南相馬市の海岸で実施した
「完全自律制御によるドローンを使った長距離荷物配送の飛行実証試験」
約12kmの飛行試験を成し遂げたという話を聞きました。
イギリスやドイツなどのドローンによる配達サービスの飛行試験が
進んでいる先進地域でも最長距離は5km程度だそうですから、
日本は2倍以上距離を伸ばしています。
日本もドローン分野を伸ばしていければ、と思います。
この実験は、ドローンメーカーの自律制御システム研究所や
経済産業省、そして福島県や南相馬市などが協力し、
福島県南相馬市の海岸で実施したものです。
今後、今回の成果は普段の荷物の配送だけでなく、離島への配送や、
被災地へ緊急物資の輸送等にも応用されることが期待されています。
その強力なバックアップとなるドローンの飛行試験を行える
ロボットテストフィールド、これは大事なものです。
今回のメルマガは、こうした日本のドローンに関する話です。
いろんな企業の協力で成功したドローンによる配達サービスの飛行試験
前に発表があった、日本の12kmのドローンによる配達サービスの
飛行試験は、ドローンメーカーの自律制御システム研究所が
主体となって実施されました。
他にも、ドローンに関して用途に応じた性能・安全性の評価手法を設定
することを目標としている新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOや、
経済産業省、ウェザーニューズ、楽天、NEC、福島県、南相馬市などが
協力し、福島県南相馬市の海岸で実施したものです。
飛行実証試験が行われた場所は「福島浜通りロボット実証区域」です。
この場所は、経済産業省と福島県や南相馬市が、ロボットやドローンの
性能試験に使う目的で設けた場所です。
この区域の海岸から約150m離れた海上の高度約30mを、時速約40kmで
完全自律制御によってドローンを飛行させ、12 km離れた北泉海水浴場
のサーファーに温かい飲料を運ぶ、という実験でした。
ドローンの飛行申請が簡単な「福島浜通りロボット実証区域」
ドローンを飛ばすには、厳格な規制に則った手続きが必要となります。
そのため日本ではドローンの飛行実証試験は遅れてきたのです。
南相馬市の「福島浜通りロボット実証区域」の沿岸部は、
行き交う船も少なく、ドローンの飛行申請の手続きも簡単で
すぐに降りるのだそうです。
そのためドローンによる配達サービスの飛行試験場所として
「福島浜通りロボット実証区域」は期待されているそうです。
法が足かせとなるドローンによる配達サービスの飛行試験
ドローンによる配達サービスの飛行試験にとって、技術的な問題だけ
でなく法も足枷になっています。
今回の実験で使われた自律制御システム研究所のドローンは、
時速70kmで飛行できるそうです。
しかし、今回の実験での飛行速度は時速43kmしか出せなかったそうです。
その理由は、ドローンは常に操縦者の目視内で飛行しなければならない、
という規制があるためです。
この規制をクリアするために、監視する人間を乗せた船を
ドローンと並走させて実験を行ったのですが、
この船の速度がドローンほど速くなかったからだそうです。
法が足枷となっているのは日本だけではありません。
アメリカ・ワシントン州シアトルに本拠を構える企業Amazonも
ドローンによる配達サービスの飛行試験を進めていますが、
それはイギリスで行われています。
なぜでしょうか。
その理由は、アメリカも日本と同じように、
ドローンは常に操縦者の目視内で飛行しなければならないと
連邦航空局(FAA)によって厳しく制限されているからです。
イギリスではこうしたドローンに関する規制がゆるいため、
視野の外でのドローンの飛行の許可をAmazonがイギリス政府から
得ることができたため、イギリスで実験が行われたのでした。
ドローン開発の第一人者であり千葉大特別教授でもある、
自律制御システム研究所の野波健蔵社長はこう語っています。
「こんなルールはおかしい。政府には今すぐにでも柔軟な対応をお願いしたい」
アメリカと日本のドローン規制
技術的な問題と同じくらいドローンによる配達の大きな障害
となっている法による規制。
といってもアメリカにはトランプさんがいます。
G20には大阪に来る予定のトランプ大統領。
「違憲にならない限りは全ての大統領令と連邦規制を撤廃する」
との方針を彼は掲げていました。
厳しすぎると批判されている連邦航空局(FAA)のドローン規制が、
トランプ大統領によって本当に撤廃されれば、ドローンによる
配達サービスの飛行試験ももっと活発になり、アメリカでの
ドローンによる配達サービスの現実化が早まるかもしれません。
そうなったとき、外国に倣うことの多い日本でも同じように、
ドローンに関する規制が緩和されるようになるのかもしれません。
まあ、外国やアメリカがどうとかではなく、
日本が世界に先駆けてドローン配達を実用化させてくれるのが一番なのですが。
南相馬市の大規模実証試験場「ロボットテストフィールド」
福島県南相馬市に、政府主導で、ロボットの研究開発拠点である
大規模実証試験場「ロボットテストフィールド」ができました。
ロボットやドローンの実験場所を提供することで先端企業を誘致し、
東日本大震災からの復興を成し遂げようというものです。
「ロボットテストフィールド」の一画には、経済産業省によって、
同じ空域を多数のドローンが飛んでも衝突を回避できるようにするシステム、
つまりドローン航空管制システムを構築する計画もあるそうです。
今回のドローンによる配達サービスの飛行試験は、これに先駆けて
基礎的な飛行データを収集する狙いがあるそうです。
アメリカなどではすでにドローンによる配達サービスの飛行試験が
本格化しています。
ロボットテストフィールドが開業すれば日本でも
本格的なドローンによる配達サービスの飛行試験が可能となり、
国際競争での遅れを取り戻せるかもしれません。
ロボットテストフィールドの整備が決まった復興推進本部会議で、
福島県の内堀雅雄知事はこう述べたそうです。
「世界に誇れる『メードイン福島』のロボット技術や
製品が生み出されることを期待する」
千葉市でドローン宅配が現実に? 自律制御システム研究所の目標
自律制御システム研究所では、ドローンを使った宅配の
実現を目指しています。
https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/tokku/tokku_drone.html
千葉県市川市などの沿岸部の物流施設から、東京湾上を飛行し、
約10km離れた千葉市の高層マンションに配達するという計画です。
今後、月に2回のペースで飛行実験を実施し機体の性能を
向上させるだけでなく、ロボットテストフィールドでもドローンの
飛行実験を実施する計画を立てているそうです。
行く行くは、千葉市での宅配サービスだけでなく、災害時の緊急物資の
輸送などにもドローンを活用する考えだといいます。
千葉市の市長は熊谷さん。
メディアでもよく見かけますし、元NTTコミュニケーションズということもあって
こういった取り組みなどは詳細長けているのだと感じます。
ドローン開発の第一人者・野波健蔵氏が語るロボットテストフィールドの可能性
ドローン開発の第一人者である野波健蔵氏が
ロボットテストフィールドの可能性について語っています。
非常に興味深いのでいくつか引用してみます。
「ドローンの性能を評価し、認証、登録などお墨付きを
与える場として使うべき」
「福島で合格しないと国内で飛ばせないという施設になればいい」
「操縦技術などを教える『ドローンスクール』は国内各地にあるが、
各スクールの指導員を養成する場としても使える」
また、災害対策ロボットとしてもドローンは特に注目を集めています。
そのことから、以下のようにも発言しています。
「災害用のロボットを開発し、次に世界のどこかで大規模な自然災害が
起きた際、今度は日本が災害対応のために現地に向かう。
そういう取り組みではないか」
「ロボットは日常から使われ、使い慣れている必要がある」
「平常時はインフラ点検や警備、測量、農業関係の仕事に使い、
災害時は災害対応に集中投下するというシナリオなら、
ビジネスとして成り立つ」
震災で甚大な被害を受けた福島という土地ならではの発想では
ないでしょうか。
野波健蔵氏の言葉は夢があると同時に非常に現実的でもあるのが
特徴だと思います。
そしてこうも語っています。
「ドローンは今、市場をつくっていこうという段階で
産業としての完成はまだまだ先。今から取り組めば十分間に合う」
まとめ
故障や飛行中のバッテリー切れ、障害物に当たっての墜落、人との衝突、
こうしたリスクや、都市部の人や障害物の多さや
荷物を降ろすスペースの狭さなどから、都市部でのドローンによる配達
が普及することに専門家は懐疑的なようです。
しかし福島は震災という被害から復興するために、逆境の中で、
ロボットやドローンの実験場所を提供することで先端企業を誘致し、
東日本大震災からの復興を成し遂げようとロボットテストフィールドの
開始を決めました。
このロボットテストフィールドでの取り組みが活発になれば、
技術的な問題や法的な問題をクリアし、そう遠くない未来で、
日本でドローンによる配送は現実化するのではないでしょうか。
また地元和歌山でも、ドローンは農業にも活用されています。
クレアネットでも工場撮影や施設の全体像を撮影したいなどの
顧客ご要望はよく聞く話ですし、ドローンを用いた提案も行っています。
また、最近聞いたのは「散骨」で、白浜沖で散骨する際に船の上空から
撮影を行い、その様子をメディアに収めるという業務です。
何しろ普段みることのない角度からの撮影なので、
訴求力がありますし、こういった提案も望まれているとひしひし感じます。
まだまだ先ですが、想像すると結構ワクワクします。
未来を想像するワクワク感、令和という新しい元号になった今さらに
さらにワクワクしています。
(記載 谷 美輝)