『SEOマーケティングの未来を読む vol.173』
「「カール」受験もうカール。昇進試験もうカール。」
【1】3月9日 卒業式
春です。別れと出会いのシーズン。
3月9日、打ち合わせで出てたのですが、
偶然にもその日は取引先さんのお子さんの卒業式。
中学校の卒業式なんてユーミンの
「卒業写真」じゃないの?言うとギャップなので
何も言えなかったのですが。
■ 3月9日 といえばレミオロメン
サクラサク、サクラさかない、
もう1つこちらも。
■ ぜひ受験生に観て頂きたいCM
https://www.youtube.com/watch?v=aooOoJsrzJ4
というわけで今回は受験とかちょっとそっちの話です。
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画 毎週金曜日更新
■ 第290話
売上倍増の理由
人の行動心理を把握した、言葉選びが必要です。
■ 第289話
不動産SEO
名前+サービス名で開業するのはビジネスでは有効です
■ 288話
サーバーが落ちる有名度
アクセス数を想定してサーバを対処させる必要があります。
「カール」受験もうカール。昇進試験もうカール。
受験シーズンも終わり。
合格できた方、できなかった方、辛酸は人生の糧です。
など言うのですが、おかしでは「うカール」売ってました。
最近は普通にカール売ってて、ちょっと前にカールが買占めとかとかあったけど、落ち着いてしまったような気がします。
「それにつけてもおやつはカール♪」がキャッチフレーズの、日本人なら誰でも知っていて、一度は必ず食べたことがあるであろう「カール」。
カールは生まれてから半世紀近くたっているロングセラーのスナック菓子です。
トウモロコシを原料としており、日本発のスナック菓子だとも言われています。
「カールおじさん」のキャラクターもよく知られていますよね。
菓子大手の株式会社明治が、そのカールの販売を縮小し、中部地方以東では8月生産分を最後に販売終了すると発表がありました。
中部地方以東では9月には店頭から消えてしまう見通しなのだそうです。西日本でも販売されるのは「チーズあじ」「うすあじ」の2種類のみ。
「カレーあじ」「大人の贅沢カール」などは全国的に販売終了となるため、西日本でももう手に入らなくなるそうです。
SNSなどインターネットでも反響が高く、残念がる人が多かったようで、駆け込み需要のためか近所のスーパーではカレー味や贅沢カールだけでなく、「チーズあじ」「うすあじ」などのカールも全部売り切れていました。
今回のメルマガはこの明治のカール、「カール」で受験もうカール。昇進試験もうカール、の話です。
いつの間にか縁起物になってるカール。
昔から親しまれているカールとカールおじさん
1968年、カールはポップコーンに着想を得て当時の明治製菓から発売されたそうです。
カールは日本初のスナック菓子だとも言われています。
イメージキャラクターは当初は子どものキャラクターだったそうですが、CMに脇役として登場した麦藁帽子の農作業姿のカールおじさんが人気を博したため、現在のカールおじさんがイメージキャラクターを務めるようになったそうです。
諸説あるカールの名前の由来
カールの商品名の由来は
・昭和30年代に流行した「カール人形」
・クルッと丸まっているからcurl(巻く)
・軽い→カール
などが挙げられるそうですが、発売開始が1968年とかなり昔のことで当時のことを知る人もいないためはっきりしたことはわからないそうです。
ちなみにカールのスペルは karlだそうで、最初のカールのパッケージにはkarlのロゴが印刷されていたそうです。
商標登録の関係からcurlが使えなかったためだと言われています。
全面的に販売を中止することも考えなければならない状況だった
1968年に発売された、ロングセラーであり知名度もあるカールですが、収益の面から見れば、全面的に販売を中止することも考えなければならない状況にあったそうです。
実際に3年前から全国での販売終了が検討されていたそうです。
しかし、社を代表する商品であること、1968年から長く愛された商品であることなどから、カールというブランドを消滅させることはせず、地域と販売品目を縮小し販売を続ける事になったそうです。
そこで残すものを「カールチーズあじ」「カールうすあじ」とし、
それ以外の「カールカレーあじ」「大人の贅沢カール」
「熟旨炙りカレー味」「濃厚炙りチーズ味」「こつぶカールチーズ味」
「こつぶカールうす味」は完全に販売を終了させることになったようです。
「カールおじさん」などのキャラクターは継続して使用するそうです。
3年前から全国での販売終了が検討されていたのなら、もっと早くに売り上げが落ちていると教えてくれれば良かったのに、そうすれば買い支えることもできたのに、とインターネット
上に書き込むカールファンもいたそうです。
なぜカールは西日本だけの販売となったのか
しかしなぜカールは京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県より西の西日本地域限定で「チーズあじ」「うすあじ」の2品に絞って販売を続けられることになったのでしょうか。
カールは西日本では人気があって売れているけど東日本ではそうでもなかったからか、と思う方もいるかもしれませんが、実際は違うようで、カールは東西で売り上げに大差は無いそうです。
カールの生産拠点は全国に5カ所あるそうですが、主力の坂戸工場(埼玉県坂戸市)を含めた4カ所での生産を8月中に終了し、9月以降はグループ会社である四国明治の松山工場(松山市)1カ所に集約するそうです。
そのため、西日本のみの販売とした方が生産と物流の効率が良くなるため、西日本限定で販売されることになったそうです。
工場の生産品目を集約して生産効率を高めるという狙いもあるようですね。
なんとかブランドを存続させる方向でシミュレーションを重ねた結果、こうなったそうです。
収益性を悪化させているカールの生産を中止したいが知名度もあり長年看板商品だったカールのブランドも大事だから、少しでも赤字が少なくなるよう西日本限定で販売していこう。
簡潔に言うとこうですね。
こうするしか無かったんだ、という現場の苦渋の決断だったのでしょう。
カールが売り切れ続出……ネットで転売も
販売中止となると急に欲しくなるのが人間ですよね。
カールの販売中止がニュースになったところ、カールを求める人が増え、スーパーなどで売り切れが続出しているそうです。
SNS上にはカールが買えなかったという人の書き込みや、カールが売り切れたためにぽっかりと穴の開いた商品棚の様子を撮影した写真が全国各地から投稿されるようになりました。
あるスーパーではもうすぐ販売終了という張り紙とともに、カールをレジ横に山積みにしていたそうです。
また、インターネット上のオークションでは、通常の小売価格より高い値段を付けてカールを出品するケースもあるそうで、現金出品で話題になった人気フリマアプリ「メルカリ」やネットオークションサイト「ヤフオク」でもカールの転売が相次いでいるそうです。
こうした状況から、もしかしたら明治は販売縮小を撤回するのではないのか、と思いますが、広報担当者のコメントによると、「惜しむ声が上がっていることはありがたく受け止めているが決定したことなので、売り上げが伸びても方針を変更する予定はない」
「通販も考えていない」とのことです。
確かに、東日本での販売を再開するには一度閉鎖してしまった東のカールの生産拠点を再開させる必要が出てきます。
そんなことは西日本でのカールの売り上げが飛躍的に増加でもしない限り難しいかもしれませんね。
いちおう会社近く、兎我野町隣、野崎のライフに置いてましたけど。
カールの販売中止は明治の「選択と集中」なのか
自社の得意とする事業分野を明確にし、そこに経営資源を集中的に投下する、という戦略ですね。
1980年代のバブル経済期は多角経営がもてはやされていましたが、バブルが崩壊した1990年代半ばの日本全体が不況で苦しんでいた時期にはこの「選択と集中」というフレーズが注目されるようになり、特にビジネスの世界においてよく使われるようになりました。
明治は、カールだけでなく、少子化などで成長が見込みにくくシェアや市場の拡大が期待できないベビーフードなど約150品目の生産販売から撤退を決めたそうです。
これも明治の「選択と集中」の結果なのでしょうか。
「選択と集中」のリスク
「選択と集中」にも当然リスクが存在します。
収益性をたかめるために特定分野に特化させた場合、それがコケた場合、リスクも大きくなるわけですね。
また短期的に見れば「選択と集中」が効果的であっても、長期的に見たとき同じように効果的かどうかはわからないものです。
次世代の事業まで視野に入れたとき、収益を落としたり、回り道したりすることになっても、やらなければならないことも企業にはあるということです。
「選択と集中」は使い方を間違えると大失敗してしまいます。今回のカールの販売中止は、長い目でみてどうなのでしょうか。
「まとめ
長年消費者に愛されてきた自社の看板商品を「選択と集中」だからと簡単に販売中止にするのは忍びないことかもしれません。
なんといってもカールは生まれてから半世紀近くたっているロングセラーの商品ですからね。しかし、ビジネスではそうも言っていられないのでしょうね。
ライフでも合格の縁起物として、キットカット2つで「キットカツ」。
明治のカールも、「カール」で受験もうカール。昇進試験もうカール。
いろんな販売体系やパッケージが生まれるのでみてて楽しいものです。
いつの間にか縁起物になってるカール。
そんな視点もマーケティングには必須で大事です。
(記載 谷 美輝)