『SEOマーケティングの未来を読む vol.165』
「フリマアプリメルカリの現金出品」
【1】インスタ映えするビアガーデン「旧桜宮公会堂」
インスタ映え、よく聞くようになりました。
とりあえず、インスタ映えすればいいんだろうと、夜のナイトなんちゃらが非常に多いのですが、そういう流れで行ってまいりました。
ビアガーデン「旧桜宮公会堂」!
夏はやっぱりビアガーデン、なんですが、去年は予約も取れなかった「旧桜宮公会堂」に一年越しに参戦。
会社から少し離れていますが、大川沿いで少し涼しく、何といってもビールがおしゃれ。初めて見たのでテンションも上昇。
夏も終わりになりますが、たまにはこういうのはいいと思います。よく仕事して、よく遊び、よく働き、よく飲む。
予約は明日も可能です。月末、8月ラストですがまだ予約可能でした。
https://restaurant.ikyu.com/102400/plan10485450/
おすすめです!
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画 毎週金曜日更新
■ 第254話
世界最古の広告
テーマは広告の歴史と変革です。 世界最古の広告は「奴隷が逃げたので捕まえてください」というエジプトの広告だと言…
■ 第253話
IDふせん
セキュリティに関する不祥事やトラブルは日々頻繁に起きています。 そういったトラブルについて発生した原因の追求を…
■ 第252話
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定についてです。 「ウェブデザイン」は、ウェブサイトのデザインに当たって、使用する環境…
■ 第251話
2045年問題
「2045年問題」とは、2045年にはコンピューターの性能が人間の脳を超えるという予測です。この予測はコンピュ …
【3】 フリマアプリを舞台にした謎の現金出品の話
メルカリ、CMでもやっていますね。
メルカリで売れた商品の50%は24時間以内に買われている、という話も聞いたことがあるメルカリ。
ここ最近「メルカリ」フリマアプリに現金が出品され、そしてそれが額面以上の金額で落札される、という事例が相次ぎました。
たとえば「現金2万円が2万7000円(送料込み)」「現金1万円が1万3500円(着払い)」というふうに出品され、それが何故か落札されていたのです。
その現金は現行のもので、別に希少価値がある紙幣やコインというわけでもありません。
現金が出品されることも、額面以上の金額で落札されることも、不思議ですよね。
中には30万円が35万円といった高額のケースもあり、10万円の「諭吉10枚セット」は、13万5000円の価格がついていたそうです。
この不思議な現象はTwitter上などで話題になり、その背後にあるとされる貧困ビジネスが俎上に上がっていました。
今回のメルマガは個人間で商品売買ができるフリマアプリ「メルカリ」を舞台とした「現金出品」のお話です。
額面以上の値段で落札される現金の謎
メルカリに出品されている現金は、なぜ額面よりも高い値がついたのか。
廃版となった古いコインや紙幣、また現行の紙幣や硬貨でも発行枚数が少なかったりゾロ目番号だったりした場合、その希少性からコレクション用として取引するユーザーが存在し、額面以上の値がつくことがあります。
具体的には、二千円札や円の位置がズレた五円玉などですね。
そうしたコレクション用として取引するユーザーのために、メルカリは2017年2月14日から出品禁止商品の項目から現金を外し、現行紙幣の出品を可能にしたそうです。
すると、なぜか、ごく普通の現行の紙幣が額面以上の価格で取引されるようになりだしたのです。
なぜこんな取引が行われるようになったのか。
その背後にはいわゆる「マネーロンダリング」という地下経済と、「クレジットカードのショッピング枠の現金化」という貧困ビジネスが絡んでいると考えられています。
舞台となった人気のアプリ「メルカリ」とは
本題の前に「メルカリ」とは何かを説明しましょう。
メルカリはスマートフォンで服や雑貨など色々なものを簡単に出品でき、個人間で商品売買ができるフリマアプリで、運営は東京都港区に本社を置く日本の企業、株式会社メルカリ(Mercari, Inc.)です。
ラテン語で「商いする」という意味で、マーケットという言葉の起源でもある「mercari」に由来しているそうです。
2013年にサービスを開始後、急速に利用者を伸ばし、1日の出品数は2013年に1万点以上だったものが、2015年には10万点以上になったと言われています。
出品と落札の手軽さと、扱うものの多様さが人気の理由のようです。
Google Playの「ベストアプリ2013」の「ベストショッピングアプリ」や、モバイルプロジェクト・アワード2014モバイルコンテンツ部門で優秀賞を受賞しています。
「マネーロンダリング」とは?
先ほど現金出品の背後にはいわゆる「マネーロンダリング」という地下経済と、「クレジットカードのショッピング枠の現金化」という貧困ビジネスが絡んでいるようだと述べました。
この「マネーロンダリング」のロンダリングとは「洗濯する」という意味です。
薬物や盗品などの取引、詐欺、脱税などの犯罪行為によって得られたいわゆる汚い金を、口座から口座へと転々とさせることで出所がわからないようにし、一般市場で使用しても身元を特定されないように、また犯罪が露見しないように、正当な手段で得たお金と見せかける事を「お金を洗浄する」と比喩的に言っているわけですね。
現金出品の理由は「クレジットカードのショッピング枠の現金化」
次は「クレジットカードのショッピング枠の現金化」を説明します。
今すぐ現金が必要だが手元にない場合、大抵の人はクレジットカードのキャッシング機能を利用し、お金を借りることができます。
しかし、そのキャッシング枠には上限が設定されていて、借りられるお金には限度があります。
しかしクレジットカードにはお金を借りることのできるそのキャッシング枠だけでなく、買い物に使える「ショッピング枠」があります。
クレジットカードのショッピング枠を利用して現金を落札すれば、数日で現金を手に入れることができますが、クレジットカード会社からの請求は1~2ヶ月後になります。
つまり落札した人間は2カ月程前倒しで現金を手にすることができるのです。
しかし当然、現金1万円を1万3500円でカード決済するようなものですから、1~2カ月後には結局さらに多額の金が必要となってしまいます。
借金を先延ばしにしているようなものですね。
こうした「クレジットカードのショッピング枠の現金化」に手を出すのは、他にもう借りる先がない多重債務者だと言われています。
他にも、今日中にいくらかでも借金を返済しなければ家や職場まで取り立ての怖い人間が来てしまうと怯えている闇金に手を出してしまった者、今日中に現金で支払わなければ店が潰れる状況にある個人の商店主……なども考えられます。
サラ金より利息の高いメルカリの現金出品
メルカリでは現金1万円が1万3500円で出品されていましたが、これは一般のサラ金の利息と比較してどうなのでしょうか。
10万円を12カ月払いで借りた場合の返済額を、法定金利の上限で計算してみたところ、元本10万円以上100万円未満の場合は年率18%なので11万11円、元本10万円未満なら年率20%なので3万円なら3万3344円となるようです。
メルカリで出品されていた現金の相場は10万円で13万5000円あたりですから、はるかに高い利息(?)となっています。
このことから、メルカリで現金を落札する利用者は、もうクレジットカードのキャッシング枠でもサラ金でもお金を借りられない多重債務者などではないかと言われています。
ちなみにメルカリは、出品料は無料で、落札された場合は売上の10%が販売手数料としてかかります。
また、1万円以下の場合のみ、売上金を引き出す際に振込手数料210円がかかるそうです。
以前から行われていたカードの現金化
こうしたクレジットカードのキャッシング枠の現金化自体はすでに以前から行われていたようです。
具体的な方法としては、新幹線のチケットなど現金化が容易なものをクレジットカードで50万円分購入し、それをチケット屋などに40万円で売る、という方法ですね。
これを代行する業者もいたようです。
業者は多重債務者に指示して1万円の商品をクレジットカードで購入させ、業者がそれを8000円で買い取る、という形態をとっていたようです。
まさに貧困ビジネスです。
そうした行為がメルカリで行われていたというわけです。
詐欺罪に問われる可能性もある「クレジットカードのショッピング枠の現金化」
一時的に現金を先に手に入れることができても、結局はその金額より高額な支払いに追われることになる「クレジットカードのショッピング枠の現金化」。
それだけでなく犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクがあるとして、絶対にしないようにと消費者庁は警告しています。
また、カードの利用規約でも一般的に換金目的での使用は禁止となっています。
そもそも、払えないとわかっているのにカードで物を買う行為は詐欺罪に問われる可能性もあります。
破産の手続きのための裁判所の申立書雛形にも、現金化のためにクレジットカードで物品を購入していないか、というチェック項目が設けられているそうです。
「クレジットカードのショッピング枠の現金化」が摘発された例
実際に業者が摘発された事案を調べてみると「クレジットカードのショッピング枠の現金化」が違法とされて摘発されたわけではなく貸金業法の無許可営業や、出資法の違法金利などに違反しているとして摘発されているようです。
お金を貸す業務をするには貸金業法によって貸金業者として登録しなければなりませんが、それをしていなかった、というわけですね。
また、出資法で定められた金利の上限を上回ったと見られれば、出資法違反とされるわけです。
ちなみに、摘発されたのは業者のみで、利用者は摘発を受けたことはないようです。
(違法化の方向に向かっているのでこれからどうなるかはわかりませんが……)
しかし、明らかに犯罪のニオイがする現金出品が、メルカリという大手フリマアプリで行われていたことに多くの人は驚かされたのではないでしょうか。
もしかしたら、メルカリの利用者にはターゲットとなるそうした多重債務者が大勢存在すると業者が睨んで、メルカリが現行紙幣の出品を可能にした2017年2月14日を機に現金出品するようになったのかもしれませんね。
迅速に対応していたメルカリ
マネーロンダリングなどのトラブルになる可能性があるとして、紙幣や貨幣を額面以上の金額で出品する、こうした現金出品をメルカリは禁止しました。
もともとメルカリの利用規約第8条の33項でもマネーロンダリング行為は禁止されていたようです。
メルカリが現金出品の投稿は見つけ次第削除したため、現金の出品は一時期姿を消されてしまいました。
「現金チャージ済みのSuica」に「魚のオブジェ」……あの手この手の現金出品
メルカリの迅速な対応により現金出品はもう不可能になったかのように見えました。
が、今度は「現金チャージ済みのSuica」が出品されるようになりました。
現金がチャージされたSuicaはそのまま買い物に使えますし、手数料220円を払って払い戻しすれば現金に換えることもできます。
が、「現金チャージ済みのSuica」も監視していた運営側によって削除されてしまいます。
すると今度は現行の一万円札5枚を折り紙のように組み合わせて作られた「魚のオブジェ」が59000円で出品される事態となりました。
まとめ
メルカリで売れた商品の50%は24時間以内に買われている、という話も聞いたことがあるメルカリ。
私もメルカリでアシックスのマラソンシューズ買いましたが、ちゃんと送ってくれましたし、すごく取引できてよかった、と思ってますので、利用者もすごく増えている感があります。
あと、スタッフが出品して300円でおしゃれな入れ物売れたらしいけど、送料が324円かかるとかで赤字になった話も。
新しい分野では行政もまだたどり着かないようなことも多々起きますが、そうは言ってもすごく便利、で面白いので、メルカリはおすすめです。
ただ、1万円冊で折り鶴折って、「折り鶴10個で9万5千円」と売っているのを見たりすると「???」はわかります。
これも歴史の繰り返し部分、ようやくわかるようになりましたがだからこそ、今がいろんな意味でチャンスも多いように感じます。
(記載 谷 美輝)