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拡大し続ける訪日外国人とインバウンド施策の話

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『SEOマーケティングの未来を読む vol.124』
拡大し続ける訪日外国人とインバウンド施策の話

【1】 なでしこジャパンのミッションとビジョン

なでしこジャパン、すごいですね!今現在では、(7月4日)決勝戦を控えた状態。

アメリカに勝ったのはたった1回だけ、過去の対戦成績を見ると圧倒的に不利ですが、今の勢いなら勝てるはず!

そういえばあの4年前の優勝からあっという間に4年です。あのときの勝利は本当にすごいものでした。

とある先生に聞いたのですが、あのときのなでしこのミッションは「勝って優勝すること」だったそうですが、ビジョンは何だったのか?

ミッションが勝つこと、サッカーやってる人で最初から負けるつもりの人はいません、なので勝つことは当たり前、とも思えるのですが、ミッションを達成することでビジョンも達成されるんです。

そのミッションは・・。

「震災で大変な中、日本中をもっと元気にしたい!」

だったそうです。戦いに勝つことで、前評判をくつがえすことで、諦めない気持ちを持つことで、ミラクルを起こすことで、日本のみんなを元気にしたい! がミッションだったそうです。

結果、なでしこは優勝しましたし、その活躍は見ている側も元気をもらいました。

勝つことも大事ですが、勝つことで得るもの、そんなミッションを持つことはすごく大事です。経営者や事業家など経済に活きる人は、経済を通じて世の中に人のために貢献する、これもすごく大事です。

では、引き続きどうぞよろしくお願いします。

【2】 WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第152話 
サーチターゲティング
有効な広告宣伝手段であるサーチターゲティング。呉くんの提案は…?

■ 第153話 ウィンドウズ10
ウィンドウズ10
新しいもの好きの呉くんが部長とウィンドウズ10について語ります。
注目の新ブラウザとは…?

【3】拡大し続ける訪日外国人とインバウンド施策の話

最近、皆さんの周りで日本を訪れる外国人観光客が増えていると感じませんか?

これには様々な理由があります。

アジアの近隣諸国が豊かになったこと、ビザの発給要件が緩和されたこと、免税制度が日用品にまで広げられたこと、そして円安などなど。
そして、家電量販店やドラッグストアで、電化製品や化粧品を大量に買い占める中国人観光客を見かける機会も増えています。

近場で具体例をあげれば、心斎橋筋商店街のドラッグストアなど大変なことになっていますよね。
高い品質を誇る日本製品を大量に買い求めようとする中国人観光客のこうした旺盛な消費行動は「爆買い」などと呼ばれており、日本企業の株価にまで影響を与えています。

中国には富裕層が1億人以上いるとされ、1度の訪日で100万円以上を使う者もいるそうです。

また、観光目的以外で日本に来る外国人も増加傾向にあり、その他の欧米各国やイスラム教圏からの旅行者も多く見かけるようになっています。
10年前の2004年の訪日外国人数は613万人でした。2013年の訪日外国人数は初めて1000万人を突破し過去最高の1036万人。
そして昨年2014年の訪日外国人数は、前年より約30%もアップの1341万人となりました。

また、2014年は日本人が海外旅行で使う金額と、外国人が日本旅行で使う金額がついに逆転した年でもあります。
観光局によれば、オリンピックが開催される2020年には訪日外国人数は12000万人に達する見込みだそうです。
経済効果に好影響をあたえるとして、拡大し続けるインバウンド(訪日外国人)の消費に期待と注目が集まっています。

今回のメルマガでは、こうした訪日外国人とインバウンド施策を取り上げたいと思います。

2014年に逆転した「旅行収支」とは

「日本を訪れた外国人が宿泊や飲食などに使ったお金」から「日本人が海外で支払ったお金」を差し引いたものを「旅行収支」と言います。
2013年度の旅行収支は5304億円の赤字でした。それが2014年度には一転し、2099億円の黒字になっています。

前回旅行収支が黒字だったのは1959年といいますから、55年間も赤字が続いていたわけですね。
1959年度の訪日外国人数は18.2万人で、海外に出かける日本人は5.7万人だったそうです。

海外に行く日本人よりも、日本を訪れる外国人のほうが圧倒的に多かったのです。
日本の高度成長期以降、海外に行く日本人数は増え続けましたが、2000年代以降は横ばいだったそうです。
これらの理由のため、旅行収支は赤字続きだったわけです。

2014年度の旅行収支が黒字に転じた理由は、円安により日本人にとって海外旅行が割高になったこともあるのかもしれませんが、やはり訪日外国人の急増であると言えるでしょう。

こうした旅行客をいかに取り込むか。すなわち「インバウンド施策」の重要性が高まっているのです。

訪日外国人が日本で買い物する時の平均支出はどれくらいなのでしょうか。

北京、上海、香港、台湾、韓国の5エリアで、1年以内のビジネス以外の日本旅行者を対象に調査され、4月27日に発表された電通の「訪日外国人のお買い物調査」の結果では、「買い物の平均支出額:17万0004円」だったそうです。

17万とはかなりの大金ですよね。2014年春では8万8767円だったそうですから、ほぼ倍に増えています。

また、買い物だけで50万円以上を支出した層が4.1%もいることや、自分の物だけでなく家族や友人のために購入する割合が67.0%もあることがわかりました。
「爆買い」の背景には、家族や友人へのおみやげにするために同じものを大量に購入するという理由があるようです。
「日本に行くなら●●を買ってきて!」と周囲の友達や親戚から頼まれているのかもしれませんね。

興味深い事に、北京や上海からの訪日外国人は、インターネットやテレビ、家族や友人の口コミを情報源にすることが多いようです。
インターネットを使って、彼らに対し何らかの宣伝を行うことができれば、効果が高いかもしれません。

ドラッグストアと「インバウンドインフレ」

最近、中国人観光客でごった返しているドラッグストアをよく見かけます。
これには日本を訪れる外国人が増えたこととはまた別の理由があります。

2020年には東京五輪が開催され、大勢の外国人が日本を訪れるようになります。
それに先駆け日本をショッピング大国にしようという腹なのか、2014年10月から外国人旅行者向けの消費税免税枠が、食品や薬品、化粧品などの消耗品にまで拡大されたため、税抜で総額5001円以上50万円以下までの消耗品に消費税がかからなくなったのです。

もともとドラッグストアは日本製品が安く買えるという理由で訪日外国人から人気がありました。
そのドラッグストアで5001円以上買えば免税されるようになったものですから、袋に商品をありったけ詰めた中国人観光客で店内があふれかえるのも不思議ではありません。
ドラッグストアで中国人観光客用のタックスフリーのレジが用意されたのも、こういう理由からです。

これはドラッグストア側からすればいい話なのかもしれませんが、日本人にとってはいいことばかりではありません。
日本でのマナーを守らない外国人で店内がごった返すだけではなく、たとえば、訪日外国人に人気が高く中国人の「爆買い」の対象にもなっている、馬油を成分にした「尊馬油(ソンバーユ)」というスキンクリームなどは、値上がりした上になかなか手に入らなくなってしまったそうです。

こうした観光客による旺盛な消費活動の余波を受けての物価の上昇を「インバウンドインフレ」というそうです。
昔は安く買うことのできた商品が、消費税を払わない中国人観光客に何十個も買い占められた結果、高額・品薄になって手に入りにくくなったとなれば、中国人観光客やインバウンドインフレに腹をたてる日本人もこれから大勢出てくるかもしれません。

「爆買い」に対応したドン・キホーテの予約サービス

訪日外国人の2人に1人が訪れていると言われる場所があります。
それは総合ディスカウントストアとして有名な「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」です。
訪日外国人の団体客が押し寄せ「爆買い」するために欠品が続出し、他の旅行客が商品を買えないというトラブルがドン・キホーテでも続出したそうです。

こうした「爆買い」によるトラブルを未然に防ぎ、また「ここで買わないともう手に入らないかもしれない」という訪日外国人の心理に対応するため、ドン・キホーテではある予約システムを開発したそうです。
それは、取扱品目数万点の中から特に訪日外国人に人気の高い商品200をピックアップし、事前予約をすれば店舗で確実に受け取れるというサービスです。こうすれば店内の「爆買い」も防げるというわけですね。

中国人韓国客に人気の「意外な商品」

中国人旅行客にある変わったものが飛ぶように売れているそうです。そのあるものとは「ステンレス製の小型魔法瓶」。
特に人気があるのが「有名メーカー製の500ミリリットル程度の円筒形タイプ」だそうです。
おみやげに配るため10個単位でまとめ買いする中国人旅行客までいるため、常に品薄の状態だそうです。

なぜ、魔法瓶が人気なのでしょうか。
専門家によると、中国では冷たいものが体に良くないという考え方があるため、温かいお茶やお湯を飲む習慣があるからだそうです。

他にも、中国国内の職場にはお湯を沸かすスペースが少なく、自動販売機も普及していないため、お湯やお茶を入れた魔法瓶を使う人が多いという理由もあるのだとか。

中国人旅行客に人気の3つのおみやげ

中国人観光客に人気の商品は「電化製品」「医薬品」「化粧品」等です。
その中でも特に人気が高く、スリートップと言われるものが、「魔法瓶」「電気炊飯器」「温水洗浄便座」。

共産党機関紙である人民日報には、日本製の温水洗浄便座を絶賛するコラムが掲載されたこともあるそうです。
パナソニックは中国でよく食べられている「長粒種」という、粘り気の少ない米を最適に炊きあげる機能を搭載した海外仕様の炊飯器まで開発したそうです。

株式市場の「インバウンド銘柄」とは?

先日、日経平均株価が終値で2万円台を回復しました。「ITバブル」と呼ばれた2000年4月から実に15年ぶりです。
こうした株価の上昇にもインバウンド(訪日外国人)が影響を及ぼしています。

メイド・イン・ジャパンの製品は品質が高く圧倒的な信頼性があります。
しかし、中国国内で販売されている製品には日本製を騙るニセモノが多いため、中国人ですら信用しません。
そのため、中国人は日本旅行もかねて、確実に本物である日本製品を買うために、日本にやって来るわけです。

象印は中国人観光客に人気の高い魔法瓶を販売していることで、株価が急騰しました。
訪日外国人2人に1人が訪れると言われる「ドン・キホーテ」の株価も大幅に伸ばしています。
こうしたインバウンド(訪日外国人)によって消費の増加している銘柄は、株式市場では「インバウンド銘柄」と呼ばれ注目されています。

株で儲けるヒントを得るために、彼らが欲しがる物を先回りで考えようというわけですね。

まとめ

これから増え続けるであろうインバウンド消費。

訪日外国人を直接対象にしてない業界や業種でも、その恩恵に預かることは可能ですし、それを積極的に新たなビジネスチャンスに変えていかなければなりません。

独自のインバウンド施策を行っている企業をこうやって調べてみるのは、そのヒントを得るためにとても有効なことだと思います。

記載:クレアネット谷

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