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世界中で人気の「ダイソー」さんの話

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SEOマーケティングの未来を読む~クレアネット通信vol.121
『世界中で人気の「ダイソー」さんの話』

【1】100円均一は何を売るのか?

 
今回の題材は100円均一のダイソーさんの話です。
マーケティングの有名な話で、「顧客はドリルを買うのではなく、ドリルを使って開けた穴を求めている」ドリルを売るのではない、といった話がありますが、100円均一の場合は何を売るのか?

人によって違いますが、私の場合は『電池』です。100円均一行けば安定して電池がある、という意識が変に強くて、アルカリが100円なので何かやすいような気がしてます。

あとシンガポールにもダイソーさんあったのですが、200円均一で、「ホッカイロ」売っていました!シンガポールは南国ですがエアコン効きすぎて寒い部屋内が多いので、意外や意外に冷えるんです。
でもってダイソーあったから探したら「カイロ」置いてました。そのときに「顧客ニーズ」というものは正に現場にあり、痛感しました。

そんなダイソーさん、企業も社長さんもすごいです。

【2】WEBマーケティング4コマ漫画

■ 第147話
新入社員への俳句
4月ですので新入社員への俳句を一句。名句を呉くんが読んでくれます、知らなかった!の声が聞こえますね。

■ 第146話
変わった検索
ユーザーが検索したワードのうち、20%は今まで検索されたことのないワードだそうです、今回検索について呉くんと轟部長が話してます・・。

【3】世界中で人気の「ダイソー」さんの話

ある男がいました。大学を卒業した男は、妻の実家の事業を継ぐために広島へ。しかし3年で倒産。借金を抱え、男は妻と子を連れて東京に夜逃げします。ちり紙交換や百科事典のセールスマンなどしましたが、どれもこれも上手く行きません。

9回転職を繰り返した後、義兄の仕事を手伝うために広島に戻った男は、妻と一緒に日用雑貨の移動販売を始めます。

しかしそこでも男は不運に見舞われます。商品を保管している倉庫と自宅が火事になってしまったのです。男は商売もできなくなり、生活にも困るようになりました。そこで広島市内のスーパーに頼みこみ、日用雑貨のコーナーを出店させてもらいました。

男はそこでこう思いました。「値札を付ける手間を省けないだろうか?」そこで男は、商品全部が100円の「100円ショップ」をオープンさせたのでした。

これが業界最大手の「ダイソー」の始まりであり、その男こそ売上高3500億円企業を一代で築き上げた「大創産業」の社長、矢野博丈氏です。(ちなみに、会社の規模は小さくても名前だけは大きな物にしようと「大きく創る」から「大創」としたのが社名の由来だそうです)

100円ショップの商品は「安物買いの銭失い」と言われていましたが、それはもう昔の話。商品開発や品質管理などの企業努力により、製品の質もデザインも目覚ましく向上し、今では「この値段でこの品質!?このデザイン!?」と驚かされる、お得な商品もたくさん目にすることができます。

女性誌でもコストパフォーマンスに優れているとダイソーの化粧水やメイク道具などが特集を組まれたりしています。

今回はそんな100円ショップの「ダイソー」の話を取り上げたいと思います。

国内約2800店舗、海外25カ国に約840店舗を展開するダイソー

大創産業が展開する100円ショップ業界の不動のナンバーワン「ダイソー」の店舗数は一体どれくらいあるのかというと、日本国内だけで約2800店舗あります。

海外にも進出していて、アジア各国やアメリカなど25カ国で約840店舗。そして今年度中にも140店舗ほど出店する予定だそうです。この情報だけだと、ダイソーは出店攻勢をかけているように思えますよね。

でも実はそうではないようです。ダイソーのウェブサイトにはこう記されています。

「出店ペースは2、3年前より落とすように心がけている」「しかし大型ショッピングモールやショッピングセンター、デベロッパーのみなさんからの出店要請が相次ぎ、なかなか思い通りにいかないのが現状」

出店要請があるということは、ダイソーがあればお客様がたくさん来てくれる、と考えられているということですね。実際、ダイソーが近くにあれば便利だな、ショッピングモールにあれば足を運びたいなと思う人は、皆さんやその周りにも多いのではないのでしょうか。

海外でも人気のダイソー

ダイソーは海外でも人気のようです。海外でもカタカナでダイソーと書いてある上に、店舗の雰囲気も扱っている商品も日本のそれとほとんど同じだそうです。

ただ、100円ショップとは言え輸送コストなどもあるため、100円で売るというわけには行かず、海外では150~200円程度で売られているようです。1.5から2倍の値段ですが、それでも十分安く、日本人にとっては当たり前となった低価格でありながら水準以上の品質をもつ100円ショップの商品は、海外の人間にとっては驚くべき事なのだそうです。

そのためか、海外にあるダイソーは、祖国の製品が買えると現地に住む日本人に重宝されているのは言うまでもなく、現地の外国人にも人気だそうです。安い商品が豊富にあって、しかも品質に定評のあるメイド・イン・ジャパンなのだから、人気がでるのも当然かもしれません。

海外で人気のダイソー商品 アメリカの場合

所変われば品変わるというように、同じダイソーの商品でも国によって人気のある商品は違います。

アメリカの場合。冬、日本に来たアメリカ人は、日本の高級な便座に座るとびっくりするそうです。電気で暖められているからです。アメリカの冬のトイレの便座の冷たさに泣かされている人に人気があるのがダイソーの便座カバー。温かいし、汚れても安いので使い捨てにできて、大変人気があるそうです。

海外で人気のダイソー商品 サウジアラビアの場合

ダイソーの話を調べていて面白いな、それは気が付かなかったな、と思わされたのが、ダイソーの「ある商品」がサウジアラビアで最も売れている理由でした。

その「ある商品」とは何かわかりますか?
ヒントは、サウジアラビアの女性の全身をスッポリと覆った、あの黒いローブのようなファッションです。あれはアバヤと呼ばれるアラビア半島の国々の伝統的民族衣装です。

強い直射日光から肌を守るためだけでなく、イスラムの女性は肌を露出してはいけないという宗教上の理由から、女性が外出する時には法律でアバヤの着用が義務付けられています。(驚くことに外国人の女性にまで義務付けられているそうです!)

アバヤは女性の体のラインをスッポリ隠してしまうわけですから、顔を想像させて異性にアピールすることができるのは、露出している目だけということになります。

ここまで言えば、もう答えがわかりましたか?答えは「つけまつげ」。

目を大きく魅力的に見せるつけまつげが、サウジアラビアの女性に大人気なのだそうです。理由を聞けばもっともですが、答えを聞くまでは、ちょっと気づくことができませんでした。

文化や風習の違いで日本ではそれほどでもないものが、海外では売れに売れるという事実が興味深いですね。

海外で人気のダイソー商品 中国の場合

世界の工場と呼ばれる中国では、服や雑貨や家具、世界中のありとあらゆる物の生産が行われていますが、その品質はあまり高くなく、中国のスーパーで売られているような100円から150円の製品と比べると、ダイソーの商品は明らかに質が高いそうです。

そのため、中国人にもダイソーの商品はかなり人気があるそうです。
中国人自身もMade in ChinaではなくMade in Japanの製品を買いたがるそうです。

昔、大阪本町の問屋街で働く知人がこう言っていたのを思い出します。「日本製、メイド・イン・ジャパンというのは、物凄いブランドなんやで」

我々日本人にはあまり意識できないことですが、海外の人間にとって日本製はとても信頼性が高いそうです。これからもずっとそうであって欲しいと願います。

「デコ弁」「キャラ弁」「Kawaii」ダイソーの通販サイト

日本とは違い、海外ではダイソーは通販サイトをやっています。そこでは書道に関する物や手ぬぐい、お箸など「和」を感じさせる商品はもちろん、最近海外でも日本文化の一つとして有名になっている「お弁当」や、ご飯やおかずで子どもに人気のあるキャラクターの顔などをつくったいわゆる「デコ弁」「キャラ弁」を作るための製品まで売っています。

「Cute & Kawaii」というカテゴリもあって「Kawaii」はすでに英語圏でも通じるんだなと感じさせられます。

こうしたサイトを通じて、伝統的な日本文化だけでなく、現代の日本文化も海外で広まるのは嬉しいですね。

人気があるからパクられる!?中国と韓国の店「ダサソー」「メイソウ」

有名で人気があるものはパクられるものです。

ダイソーが海外で人気があり有名だという証拠に、韓国にはダイソーをパクった雑貨店「ダサソー」なる店があり、その運営会社が訴えられ「外見や呼称が日本のダイソーと紛らわしい」として商標使用を禁じられた判決が出たりしています。

「ダサそう」……なんでこんな購買意欲のわかない名前にしたのか疑問ですが、韓国の方言では「全部買ってください」という意味になるそうです。

また、中国にはダイソーとユニクロと無印良品をパクった「メイソウ(名創優品)」なる店もあります。これも「迷走」を連想させ日本には受けがよくなさそうですよね。

日本のものをパクるならそういうところも考えればいいのになと思わずにはいられません。

まとめ

100円ショップが当たり前になった今では、とにかく値段さえ安ければ売れるということはありません。消費者の目が肥えてしまった今、企業はニーズを捉え、品質の高いものを提供することが要求されます。

矢野博丈氏はウェブサイトでこう言っています。
「店舗が拡大すれば、商品を大量に仕入れることができます」「1万個や10万個、あるいは100万個では実現できない100円も、1,000万個の仕入れだと可能になります」「現在の取扱商品約7万点は、こうしたひとつひとつの積み重ねです」「さらに、月に1,000種類の新商品が誕生しています」「しかも、そのほとんどがダイソーブランドで提供されるオリジナル商品です」

100円にするためにコストを削りつつ、同時に月に1,000種類もの新商品を生み出し提供し続ける。大変な企業努力だと思います。

日経ビジネスのインタビューで、矢野社長はこう述べています。
「僕の考え方は、過去の積み重ねからきた理論なので、今の世の中では全く通用しない」「本当に、難しい時代になりました」「私の進化は常識の範囲内の進化に過ぎなかったんです」「進化というのは、大きく自分を否定して、このままじゃ生きられないと心底感じて、「 完全に変わっていくことを指すんですね」

企業は変わらなければ生きていけないと常々自身に言い聞かせていますが、「このままじゃ生きられないと心底感じる」とまで強い言葉で言われると、まだまだなのかな、と感じます。

ネットも一緒、サイトで悩んでいる場合はぜひご相談を!

記載:クレアネット谷

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