「期待のウェアラブルコンピュータGoogle Glass」 2014.02.21
【1】ソチオリンピックの葛西選手の活躍
葛西選手銀メダル、すごいですね。 この年齢まで現役を続け身体を鍛えぬき、勝ち抜く精神力は 憧れますし、さらに銀メダル後にさらっと 「次は金メダル狙うよ」 と言ってのける気持ち。強い。金メダルを取れる自信とまだやれるという 精神力は年齢は関係ありません。
『いくら儲かっても、自分が思い描くビジネスができなかったら、 ぼくは嫌だし満足できない。 自分がこうあるべきだと、思っているビジネスができて、しかも儲かる。 それが理想だ。』 ユニクロの柳井正さんの言葉。素敵です。
柳井さんも葛西選手も自分を奮い立てるものがまだメラメラしてれば 止めないですし満足もできません。見習わないと。そう思います。
【2】WEBマーケティング4コマ漫画
■ 第86話 グーグルキープ
■ 第85話 ランディングページ
「こんなネタも書いてほしい!」などあればお気軽に スタッフまでお声かけください。
【3】期待のウェアラブルコンピュータGoogle Glass
● 期待のウェアラブルコンピュータGoogle Glass
誰でも持つようになったスマートフォンやタブレット。
2014年は、スマートウォッチと呼ばれる腕時計などのように、 もっと身近に、身に付けられる情報端末、 ウェアラブルコンピュータが注目を集めそうです。 ウェアラブルとは、身につけられるという意味のwearableから来ています。 その中でも早く触ってみたいな、使ってみたいなと思っているのが、 今年の後半にやっと一般ユーザーにもリリースされる 予定のGoogle Glassです。 (今までは、一部の開発者やVIP、テスターとして応募してきた人だけに、 1500ドルを支払ってGoogle Glassのベータ版を 入手できるという特権が与えられていました)
Google Glassが実現させる「拡張現実
Google Glassは、そのグラス(メガネ)という名前の通り、 メガネの形をしたヘッドマウントディスプレイ型の ウェアラブルコンピュータです。 眼前に画像やテキストを情報として表示させたり、 骨伝導スピーカやイヤホンで音を伝えることができます。 ハンズフリーで、いつでもどこでもインターネットと コンピュータにアクセスできるので、 AR(Augmented Reality:拡張現実)技術、つまり 「リアルで見て触れられるものに情報を加え提供する技術」 を実現できることから「拡張現実ウェアラブルコンピュータ」 なんて言い方もされています。
言葉ではうまくイメージできないという人には、 ドラゴンボールに出てきた敵の戦闘力を数値化する 「スカウター」みたいなものと言えばわかりやすいかもしれません。 これなら簡単にイメージできるでしょう?
操作方法
現行のモデルは16GBのストレージ、 1GBのメモリ、OSは当然(?)Android。
Wi-FiやBluetoothも利用でき、 Android 4.0.3以上のスマートフォンと リンクさせることもできるそうです。
YouTubeでGoogle Glassの利用シーンの 動画が公開されています。
操作方法は主に「OK, glass」と 発音してから命令するという音声コマンド。
「OK, glass. Take a picture.」(写真を撮って) で500万画素のカメラで撮影。
「OK, glass. Google ○○.」でインターネットで○○を検索。 特にこれは便利だな!と思ったのが、道案内機能。
「OK, glass. Give directions to △△.」 (△△への行きかたを教えて)と伝えると道順を教えてくれます。
バージョンや設定では、ウィンクで写真撮影もできる ようになっているそうです。
(まばたきの多い人ならそのたびごとにパシャパシャ 撮影してしまわないのでしょうか?)
Google Glassのデザイン
いくら優れた革新的なアイディアでも、 世に普及させるためには、使いやすい、 使いたいと大衆に思わせるデザインでなくてはなりません。 Google Glass以前にもヘッドマウントディスプレイや メガネ型デバイスはありました。
しかしGoogle Glassと比べると非常に大きく、 頭に怪しい機器を取り付けているという違和感が強かったそうです。 Googleはこの点をクリアしようと力を入れており、 Google GlassではPC部分を小型化し、できるだけ目立たない ようなデザインに改良されています。 日常の中で自然に使えるように、というGoogleの考えがわかります。 一歩進めて、本物のメガネと同じデザインで度も入っている、 チタン製の軽量フレームシリーズ 「Titanium collection」も登場しています。 こちらは普通のメガネのようなデザインになっています。
企業や警察官が採用するGoogle Glass
イギリスの航空会社Virgin Atlanticでは、 アッパークラスを利用する乗客の応対をする地上係員に、 Google Glassを装着させるというトライアルサービスを開始したそうです。
これなら、端末画面と向き合わずとも、チェックインから フライトまでスムーズに、しかもマンツーマンで応対できます。 非常に汎用性も高く、顧客満足度を上げるのにも効果的な取り組みだと思います。 アメリカのニューヨーク市警察でもGoogle Glassの 導入を検討中だそうです。 すでに、サンフランシスコ市警では、犯罪歴や容疑者の 写真の照合などの効率アップのために、捜査用の スマートフォンを警察官に支給しているそうです。 Google Glassなら、これ以外にも捜査中の模様を録画・ 録音もでき、調書作成の手間も大幅に削減できますね。 また「顔認証機能」を捜査に役立てることができれば、 指名手配犯の検挙にも役立ちそうです。 パトロール中にGoogle Glassのカメラが捉えた男の顔が、 登録されている指名手配犯の顔とマッチして逮捕!……みたいな。 また、思いがけない効果として、警察官自身の素行も 改善されることもあるようです。 (警察官の言動もわかってしまうわけですしね)
もし、正式にGoogle Glassが世界中の警察に導入されることになれば、 Googleにとっても大きな市場になりますね。
Google Glass=盗撮?
こう書いていると、Google Glassはまさに近未来の夢の 製品といった感じで、多くの人が手に入れたいと心待ちにし、 発売を歓迎しているような気がしますが、実際はそうでもないようです。
その一番大きな理由は、プライバシーを侵害される のではないかという危機感です。 Google Glassの話を聴くと、ITに関るものとしては、 AR技術に目がいき、どういうサービスが提供されるのだろうか、 自分ならどういうサービスを生み出せるだろうかと考えますが、 大衆の中にはGoogle Glassで盗撮されプライバシーを 侵害されるのではという恐怖感だけを強く感じる人もいるようです。 Google Glassは市民の権利を侵害するという サンフランシスコの市民団体もあるそうです。
また今年1月、Google Glassに度入りのレンズを装着し、 日常的に使っていた男が、妻と一緒にオハイオ州の 映画館で映画を観ていたところ、盗撮していると 疑われ取り調べられるという事件もあったそうです。 濡れ衣だったとわかり、男は解放されたそうですが、 警官に連行され10人ほどの警官に取り囲まれて取り調べ を受けたらしいので、かなり冷や汗をかいたのでは……と思います。 こういった事件により、全米で2万人いるGoogle Glassのユーザーの間には、 カジノやバーなどでは無用なトラブルを避けるためにも着用を 控えたほうがいいのではという声が出ているそうです。
Name Tagというアプリ
まだGoogle Glassが危険視される原因があります。
それは、FacialNetwork.comが発表したName Tagというアプリです。
これは顔認識機能を搭載したアプリで、Google Glassのカメラを人物に向けると、
・相手の氏名
・職業
・交際ステータス
・性犯罪履歴
までわかってしまうそうです。 公開もされていないうちから『史上最も不気味なアプリ』 とマスコミに報道され、アメリカの有名な上院議員が アプリの公開を中止する要請を出したことでも話題になりました。 氏名や職業や交際ステータスは、 Facebookから情報をあつめるのでしょうか。 アメリカでは性犯罪者情報公開法、いわゆるミーガン法により、 メディアやインターネット上に性犯罪者の氏名や住所が 公開されているので、性犯罪履歴はここから集めるのかもしれません。 Name Tagというアプリ、使われるのは怖いけど、 自分は使ってみたい気もします。
こういった一連の騒動のため、警察に導入されるとより 監視ツールというイメージが強められてしまうのでは……と、 大きな市場ではあっても捜査機関にGoogle Glassが採用される ことを、Googleはそれほど歓迎していないようです。 難しいものですね。
歯ブラシテストとユビキタス
「toothbrush test(歯ブラシテスト)」という言葉をご存知ですか?
これは2011年にGoogleのCEOに復帰したラリー・ペイジ氏の 「歯ブラシのように世界中の誰もが毎日少なくとも 2回は使うサービスをもっと開発してほしい」 という言葉から来ており、Googleが製品開発に踏み出すかどうかの指標に使うそうです。
検索エンジンとしての「Google」や、Googleが 作り無償で提供しているスマートフォンのOS 「Android」などは、この「toothbrush test(歯ブラシテスト)」に合格しています。 Googleはこの理念に従い、Google Glassも、 それが提供するサービスも、急速に日常生活の 中に溶け込ませようとするでしょうね。 ハンズフリーで、何時でも、何処でも、 どんな時でもインターネットとコンピュータにアクセスできる。 まさにユビキタスコンピューティング。 今は、実際にGoogle Glassに触れることもしないで、 誤解や恐怖感だけが先走って反対している人も多い状態ですが、 いざ普及してしまえば、Google Glassも当たり前になるのではないでしょうか。
街を 360 度見渡すことのできるGoogle マップのストリートビューも、 導入直後はプライバシーの侵害だとの声があり、 実際にストリートビューにベランダの画像が公開され、 「下着などを撮影され、精神的苦痛を受けた、プライバシーを侵害された」 と福岡市の女性がGoogleの日本法人に60万円の損害賠償を求め、 棄却された事件もありました。 しかし、今ではストリートビューは日常で使われています。 こういった新しい製品やサービスの起こす波を見逃さず、 自分もそれに関する新しいサービスを提供することで、 その波に乗っていけるようにしなければと思います。
時計が昔からあったのですが、時計が 『腕時計』 として ウェアラブルになった歴史があります。 歴史をみるというのはそのあたりにヒントがあると。 電話がポケベルから携帯からスマホになるのと同じように。 そういった視点をいつも気にします。
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(次回につづく)