「vol.81 スマートフォンにおける企業のブランド戦略とアプリ市場」 2013.12.17
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【1】マラソンの季節がやってきました
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マラソンの季節がやってきましたが、
今年も三田マスターズマラソン参加したものの相変わらず
年輩の方の健脚ぶりに感心しました。
マスターズマラソンなので、マスターズの方が走っていますが、
早い方は本当に早い。
60歳過ぎでもハーフマラソン21kmを1時間10分台で走ってきます、
ところで60歳過ぎるとサッカーでは赤いパンツを履くそうですが、
マスターズマラソンでは赤いベストを着て走っている方が結構いました。
あれは60歳以上の人が着ていることが多いんですね、
折り返し地点でかなり前を走っている赤いベストを着た
推定60歳以上の方たちにはひたすら尊敬でした。
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【2】 WEBマーケティング4コマ漫画
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今年もオリジナルカレンダーができました。
卓上に来年もクレアネットが。
■ 第78話 カレンダーできました
■ 第77話 第77話 電話アプリ
■ 第76話 シェアボタンで拡散
■ 第75話 香りで訴求
「こんなネタも書いてほしい!」などあればお気軽に
スタッフまでお声かけください。
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【3】 スマートフォンにおける企業のブランド戦略とアプリ市場
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● スマートフォンにおける企業のブランド戦略とアプリ市場
前回のメルマガでは、海外とは違いiPhoneが売れている日本市場の
特殊性を取り上げましたが、今回はこれからのシェアの移り変わり
やアプリ市場について考えてみたいと思います。
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■iPhone一強の日本
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前回のメルマガでも言ったとおりですが、世界規模で見れば、
スマートフォン市場の8割以上をAndroidスマートフォンが占めていて、
iPhoneのシェアは1割ちょっとです。
しかし、日本では逆です。11月18日に発表された、調査会社
IDC Japanのレポート「2013年第3四半期 国内携帯電話/スマート
フォン市場規模」によると、日本市場では5割以上もiPhoneが占めています。
9月に発売された新規モデルiPhone 5s/5cが出荷台数を大きく
押し上げたこともあり、国内でのiPhone人気の高さを再確認させられます。
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■ガラケーからスマートフォンへ、ユーザーの選択は
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あと数ヶ月で、1年で最もケータイやスマートフォンが
売れる春商戦が始まります。
この春商戦は、フィーチャーフォン、いわゆるガラケー
からスマートフォンへ初めて乗り換えようという、いわゆる受動的
なユーザーの最後の乗り換えの機会と言われています。
この春商戦で、日本も海外と同じく、iPhoneよりAndroidスマート
フォンのシェアが増えていくでしょうか。
なかなかそうは言えないと思います。
スマートフォンにそれほど詳しくもないし、こだわりもない。
そのような人たちがスマートフォンに乗り換えるにあたり重視
するものは、最先端・高機能・高性能をウリにした、
いわゆる上級者やマニア向けのハイエンドモデルではありません。
デザイン、性能と価格のバランス、そして、「知名度があって、
ブランドイメージがよくて、周りに持っている人が多い」という
無難さと安心感です。
ケースやアクセサリなど周辺市場の大きさも無視できません。
ケースを豊富に取りそろえて、利益を積み上げるという量販店もあるほどです。
これらは全て、iPhoneがまた有利になることを意味します。
「売れているからまた売れる」
そんな正のスパイラルが起こると思われます。
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■ブランドイメージの大切さ
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繰り返しになってしまいますが、日本でのスマートフォン市場では、
品質の高さ以上に、ブランドイメージが重視されます。
ブランドイメージという点では、Apple社の右に出る企業はありません。
日経BPコンサルティングが実施した「ブランド・ジャパン2013」において、
2012年に続き2年連続で消費者が選んだブランド1位と なったのがiPhone のApple社です。
iPhoneの話ばかりになってしまいましたが、「じゃあ日本の企業は
どうなんだ!?」というと、日本の企業も手をこまねいているだけではありません。
「Xperia A」で底力を見せたSONYもブランド戦略で成功していて、
国内でのスマートフォン市場におけるXperiaのブランドイメージは、
iPhoneの次くらいには良くなっています。
「日本市場ではエクスペリアというブランドで手にとってもらえるようになってきた」
とSONYの平井一夫CEOは語っています。
しかし、逆に言えば、残念ながら日本のスマートフォン市場でSONY以外に
ブランド戦略に成功している企業はほとんどありません。
日本市場から撤退する企業もあり、先日NECから今後フィーチャーフォンと
タブレット端末の事業は継続するが、スマートフォン事業からは正式に
撤退するという発表がありました。
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■ドコモの2トップ戦略の明暗
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「Xperia A」の成功のきっかけはなんでしょうか。
それは、ドコモの2トップ戦略にあります。
全てのモデルに大きな差をつけず、公平に扱ってきたNTT
ドコモですが、iPhone 5に対抗するため、2013年の夏モデル
から販売方針を大きく転換し、SONY・Samsungの2社を2トップ
として特別扱いする戦略を開始しました。
その時に選ばれたモデルがSONYの「Xperia A 」、
そして、Samsungの「GALAXY S4」でした。
日本ではAppleにも劣らないブランド力を持つSONYのスマートフォンと、
世界的にはiPhoneのライバルとも言われていたSamsungのGALAXYを、
2トップとして大々的にプロモーションし、
広告費や販売支援金を集中させ、この2機種にだけ、
様々な特別割引を設定しました。
国内最大キャリアであるドコモの行ったツートップ戦略は
影響力があり、ドコモが推薦するなら安心と感じた一般
ユーザーも多くいたと思われます。
結果はどうだったでしょうか。
7月26日に公開された、ドコモの夏商戦のツートップ
戦略の実績によれば、Xperia Aの販売台数は
約110万台とiPhoneに迫る勢い。
販売台数でも、スマートフォン市場でブランドイメージ
を上げ存在感を示したという点でも、SONYは健闘したと言えるでしょう。
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■成功したSONYの「Xperia A 」と、失敗したSamsungの「GALAXY S4」
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しかし、一方のSamsungのGALAXY S4は約55万台と、同じドコモの
ツートップでありながらXperiaの半分しか売れず、期待はずれの結果に終わって います。
この差はなぜ生まれたのでしょうか。
それはSamsungのGALAXY S4が日本の市場環境やユーザーの
ニーズから外れていた点がまずあげられます。
SONYのXperia Aは、最高性能を追求せず、「カメラ」「防水機能」という
日本人の一般ユーザーが求める機能にこだわり、万人受けする
デザインとなっています。
一方、SamsungのGALAXY S4はフラッグシップモデル
ということもあり、最先端・最高性能というハイエンドモデル。
これは発売直後の価格にも表れていて、GALAXY S4はXperia Aより
1万円近く高く設定されていました。
うまく棲み分けされるだろうというドコモの甘い期待は裏切られ、
Xperia Aは予想以上の成果を上げたものの、世界的にはiPhoneの
ライバルであるはずのSamsungのGALAXY S4は期待通りには売れませんでした。
結局、日本のユーザーは、グローバルなハイエンドモデルよりも、
ガラケーの機能をうまく取り入れたスマートフォンを求めていたのです。
しかも販売価格はXperia Aよりも高かったのだから、
売れなかったのも当然かもしれません。
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■Samsungのブランドイメージ
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しかし、SamsungのGALAXY S4の失敗は、日本市場にあわせた
マーケティング戦略ができていなかっただけではありません。
Appleが展開するApple Storeは、現在、日本には東京の渋谷と銀座に2店舗、
大阪の心斎橋に1店舗、北海道、宮城、愛知、福岡の都心に1店舗ずつ、
計7店舗が展開中で、高級ブランドとしてこだわりぬいた店舗デザインをしてい ます。
そして、そこでユーザーは、製品に実際に触れることもできます。
「Apple=おしゃれでカッコいい」というブランドイメージの向上に、
一役も二役も買っています。
SONYのブランドイメージも決して低くはありません。
その一方、日本におけるSamsungのブランドイメージは、
AppleやSONYの足元にも及びません。
いや、悪いといっても差し支えないかもしれません。
SamsungはAppleと非常に良く似た製品を発売しては
特許訴訟を起こされています。
世界各国で熾烈な訴訟合戦を展開しているSamsungとAppleでしたが、
前年2012年8月、AppleはSamsungに対し特許侵害で歴史的勝利を
収めました。それからも裁判は続き、Appleは、Samsungの賠償金
は総額9億3000万ドル(約940億円)近くになると計算しています。
金額以上に、敗訴によるイメージダウンがSamsungに
計り知れないダメージを与えました。
ブランドイメージを重視する日本において、
そのブランドイメージの低さが影響していたのかもしれません。
しかもAppleは先日、この裁判に関連する費用1570万ドルの
負担をSamsungに求めました。
特別に悪意ある侵害に限り例外的に被告に
訴訟関連費用も請求できる、という米特許訴訟の仕組みを利用し、
Samsungの悪質さと、Appleの革新性を、
よりアピールする狙いがあると言われています。
一時はAppleのiPhoneと並び称されたSamsungのGALAXY。
調査会社IDCによると、スマートフォンの2012年年世界出荷は7億台強。
そのうち、シェア首位は約30%でSamsung、2位は約20%でApple。
(3位グループはシェア4%程度でSONYもここに属していました)
しかし、今回のSamsungの敗訴により、
それも大きく変わるかもしれません。
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■ブランドイメージを高めるSONY
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当面iPhoneが中心といわれている日本のスマートフォン市場。
そして、スマートフォンの主戦場は、先進国から新興国にシフトすると言われて います。
その中で、日刊工業新聞などとのインタビューで、
SONYの平井一夫CEOが、興味深いことを言っています。
「スマートフォン事業の優先地域は日本と欧州。
両地域に経営資源を投入していく」
主戦場が先進国から新興国にシフトすると言われているにも関わらず、
日本と欧州で成長を目指すというこのSONYの戦略は、シェアを高め
Appleに追いつくために、価格を下げるのではなく付加価値の高い製品を
作りブランド力を高めていくという姿勢をあらわしています。
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■次のドコモは3トップ
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NTTドコモは、2013~14年の冬春モデルとして、スマートフォンと
タブレットなど16機種を発表しました。
ツートップ戦略をとったドコモでしたが、次回は、
・SONY「Xperia Z1 f SO-02F」
・シャープ「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」
・富士通「ARROWS NX F-01F」
を「ドコモのオススメ3機種」と紹介しています。
(さすがに、Samsungは入っていないようです)
iPhoneの人気が高く、iPhoneに有利な状況が続く日本のスマートフォン
市場ですが、ブランド力を高めているSONYや、日本企業のスマートフォン
をドコモが推すことにより、iPhone一強の日本の市場にもなにか
変化が起こることを、日本人としては期待します。
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■アプリの話
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スマートフォン市場をビジネスの面から見た場合、
アプリを避けて通ることはできません。
iPhoneアプリで小さな会社や個人が大成功することが今までありました。
Androidスマートフォン向けのアプリでもそれは同じ。
不要なタスクを自動で停止させ、電池を長持ちさせるということで人気のある、
「Advanced Task Manager」というAndroidスマートフォン向けのアプリの開発者で、
昼間はIBMの社員として働いているアーロン・ラー氏は、 このアプリで年間10万ドル以上を稼ぐそうです。
そして、ビジネスの面から見たときに最も重要なことは、
日本人はアプリが大好きということ。
先日、アプリストアのデータ分析の調査で、日本はアメリカを
約10%上回って、スマートフォンやタブレットのアプリストア
の売上高で世界一になりました。(ちなみに韓国の3倍、イギリスの6倍)
1年前には日本の支出額はアメリカを約40%下回っていたそうですから、
その急成長ぶりがわかります。
iPhoneの人気が高い日本ですが、Androidスマートフォン向けの
アプリの支出だけで見ても、今年10月までの1年間で4倍以上に増加し、
日本は世界一になっています。
日本でどんなアプリが売れているかというと、やはりゲーム。
日本のユーザーは今年の10月、ゲームアプリに1年前の
4倍近い額を支出したそうです。
これがどれくらい凄いかというと、世界の売上高見通し
122億ドル(約1兆2500億円)の約26%が、日本のスマート
フォンやタブレット向けのゲームの売上高になるという予想だそうです。
日本は少なくともあと1年間はゲームアプリの市場として、
世界トップの座を維持すると予想されているそうですが、
日本人のゲーム好きを見れば、それも頷けますね。
現在、日本ではAndroidスマートフォンよりiPhoneの方がシェアは上だし
、 アプリもiPhoneのほうが多いのですが、SONYのXperiaの活躍や、
アプリ市場をみても、Androidアプリにもかなりの可能性があると言えます。
Androidアプリに目を向けたとき、有料のアプリを作ったり、
無料のアプリを作って広告を載せたりということをまず思い
つくのですが、急成長している市場ですので、それ以外にも
たくさんのビジネスチャンスがあると思います。
何かわくわくしますよね。こういったことみていると。
使っているiPhoneでの音声案内を何気なく使うと、
検索結果の下のほうに「BING」 とありました。
BINGはマイクロソフトの検索システムなんですが、
iPhoneのデフォルトの音声検索は
マイクロソフトBING。垂直統合とか水平統合とかもうわからない。
だからチャンスでもあります。
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(次回につづく)