「vol.79 ガラパゴスケイタイというものについて大学生に話したら」 2013.10.29
10月ももう終わりですが、クレアネットには学生インターンや研修生が来て一緒に仕事をしています。いろんな感じること、気付くこと、貴重な体験を感じてもらえることも1つの社会貢献かなと思ってます。朝礼を通じて、仕事を通じて、ご飯などを通じて、新しい発見をしてもらえるようにしていると、教える側も気付きを得ることがあります。教えることでこちらが学ぶ。 こちらからその様子が伺えます。
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ガラパゴスケイタイというものについて大学生に話したら
スマホ人気とガラケーの復活なんかを考えてみたりしてみます。 世間を見回してみると、最近はスマホを使っている方が多いですね。 「iPhone5sだ5cだ、いやandroidだ」 と新機種が出るたび盛り上がっています。 ガラケーの新機種もあまり見かけなくなってしまいました。 iPhoneの登場と、グーグルがOS「Android」を開発し、 2011年以降は通信各社はガラケーからスマホの販売に 移っていきましたからね。 しかし、今月10日に行われた通信各社の冬春モデルの発表で、 1年ぶりに、またガラケーの新モデルが発売されることが 明らかになりました。 時代に逆行するともいえるこの出来事ですが、 残存者利益を取ろうと考えていることからすれば 納得なのですが、もう少し別の考え方を。
そしてガラケーが残った
実はスマホの普及率は、意外なことに、日本では高くないそうです。あくまで現時点で。Googleによって発表された、今年で3回目となるスマートフォンの利用に関する大規模調査「Our Mobile Planet」(2013年版)によれば、
・2011年は6%だったスマホ普及率が2013年には25%と4倍に伸びた
・しかし、主要各国と比べると、日本は依然としてガラケーが主流
だそうです。言い方を変えれば、来年はもっとスマホが伸びるだろうけど、今はガラケーを使っている方もたくさんいるよ、ということです。
昨年の販売台数でみても、NTTドコモでは2355万台の端末のうちスマホは1329万台で、残りの約1000万台約42%がガラケー。NECカシオも同じようなもので、290万台のうちスマホは約55%で、残り45%がガラケー。調査会社MM総研が発表した「スマートフォン市場規模の推移・予測」(2013年10月9日)でも、9月末のスマホ契約数は5015万件に対し、ガラケーは6862万件。
現段階ではガラケー利用者が6割近いそうです。
数字のレトリックなので、発表されたアップルの数字では、
・四半期だけで3400万台売れてるiPhone、
・1400万台売れてるiPad、などを見ると、正に数字のレトリックであるわけです。
というわけで、近い将来、ガラケーは消えてしまうんじゃないのか。そんな風にも感じるかもしれません。事実、先の調査でも、2014年度中には、スマホの契約数は過半数に達すると見られています。しかし、5年後の2018年3月末時点でも「ガラケーは3割強残っている」と予測しているものもあります。3割は小さくない数字ですね。ガラケー市場は縮小するものの、一定の規模は保つ、と予測されているようです。
スマホの普及が急速に進んでいるとはいえ、ガラケー復活を求める国内ユーザーも多く、企業にユーザーから要望がよく寄せられるそうです。「スマホにしたくないが、機種変更したい」と考える、そういったユーザーのために中古のガラケーを扱う専門店もあるそうです。
完全にガラケーをなくしてしまえば、決して少なくないそういったユーザーが他社に流出しないとも限らないため、各社とも新機種の投入を続ける判断を下したようです。
「通話とメール中心でネットはさほどしない」「家にパソコンもある」 と言うケースもあります。電話やメール以外にも、
「インターネット」「カメラ」「赤外線通信」「ワンセグ」「音楽プレーヤー」「iDやおサイフケータイ」と、十分すぎるほどの機能が盛り込まれた、従来の日本の携帯電話で十分だったのかもしれません。
日本のスマホ普及率が他の主要各国に比べて低いのには、こういった事情もあるのだと思います。
ガラケーとかフィーチャーフォンとか
しかし、従来の携帯電話の日本では当たり前のこういった機能も、海外ではほとんど普及していません。アフリカではスマホが流通されているそうですが、それはスマホの決済機能が便利なので、スマホ=決済・銀行 の代わりに使うそうです。アフリカは土地が広いから銀行まで行くには時間がかかる、だからこそスマホで決済など行う、という日本ではないニーズがあります。
日本の中だけで、新しいサービスをつくり、コストを度外視し、日本人の好みや要求をすべて満たそうと追及してきた結果、
機種代は高くなり、規格からはずれ、日本の携帯電話は世界市場では売れなくなってしまいました。
こうして、日本と日本人の好みや生活習慣に特化させすぎた携帯電話はスマートフォンの登場以来、これだけ高機能であるにも関わらず、世界から隔離されたような環境で、独自の進化をとげたガラパゴス諸島に喩えられ、ガラパゴス携帯、略して「ガラケー」と揶揄されるようになりました。
国際マーケットで売れなかったとは言っても、それでも、どこまでも良いものを作っていこうとする、日本や日本人のモノづくりに対する執念を、すごいいいことではあります。小型化したトランジスタラジオや、ウォークマンなど、その技術と発想は世界をうならせてきました。ガラケーだって、その一つだと思えなくありません。
昨今のスマートフォンの普及は、逆に、日本人にガラケーの良さを再認識させることにもつながりました。ガラケーという言葉の意味に気づき、その呼び名は日本の携帯をあんまりいい言い方ではないなということで、「特徴」「特色」といった、非常にプラスイメージを持つ featureという単語を使ったりします。
フィーチャーフォンと言い換える人たちも増え、ガラケーは再評価されています。しかし、新しく発売されるガラケーの機能は、さほど進化していません。
それだけ、ガラケーの完成度が高かったということかもしれません。新しく登場したアンドロイド携帯も、やはりガラケーと同じように日本独自の進化をとげていて、「ガラパゴス化したスマートフォン」から「ガラスマ」という呼び方まで登場しているそうです。
もうあまり何のことかよくわかりません、ガラスマ。
結局、こういったことを考える場合には簡単に周りを見ればいいんです
勝手に調査したスマホ保有率はこちらにご紹介。
・地下鉄谷町線で見る夜11時にケイタイ割合 ・・ スマホ90%
・周りの取引先ケイタイ割合 ・・ スマホ 60%
・学生だったり20代のスマホ率 ・・ スマホ 80%
あと、LINEのスタンプはガラケーだと使えないそうで。「ミクシもフェイスブックも知りません。よく使うのはLINE。
これでコミュニケーションしてます」という大学生インターンの話聞いて、へー、でした。
ガラパゴスケイタイというものについて大学生に話したら、
「昭和の時代のケイタイですよね?」
だって。
思わず返してやりました。 「そうそう。当時100万円したからね、ケイタイ1台。」 そんなわけでもないですし、100万円で買ってもないんですが。
頑張って統計書いてきましたが、ガラケーは使っていたので好きですが、ビジネスではスマホベースで考えるのが正しいですし、スマホユーザーが多いようなBtoCではスマホの対策は必須です。ということでまとめます。
スマホサイトの構築もクレアネットに。
(次回につづく)