『SEOマーケティングの未来を読む vol.178』
マリオカートの公道ランと権利侵害に関して
【1】裁判所に傍聴に行ったりしています。
「裁判所 見学」
「裁判所 傍聴」
で検索した際に、最高裁の次くらいに出てくるサイト
【初体験】大人3人が大阪地方裁判所に傍聴見学行ってみた
http://urx3.nu/MmZ8
実はこのページはクレアネットで作っているページです。
実習生が来てるのですが、いろんな経験価値かなと思い、
一度実習生と一緒に裁判所見学をしたら思いのほか
「すごく記憶に残りました!」
などなど多いのでせっかくなので紹介にしてしまおう、と作ってます。
それ以来何回か足を運び、起訴状朗読、公判や判決など仕組み説明に
裁判員裁判の仕組みなどせっかくなので伝えたりすると、記憶に
残るようです。
裁判所でお世話にならない人生歩んでね、とか言いますが、
初めての経験、は何事にも変えれられない価値があるなと。
ぜひ一度。クレアネットは大阪地裁から歩いて10分くらいです。
【初体験】大人3人が大阪地方裁判所に傍聴見学行ってみた
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今回はそういった訴訟関係の話。
ネットでも権利がどうだ、こうだ、はよく起こりえます。
任天堂さんは他にも「任天堂 VS コロプラ特許訴訟」
なんかもありまして、マリオまで世界で有名になると侵害も多いのでしょう。
今回はそういった訴訟関係の話。
【2】 【まんが】商談打ち合わせの際のお作法
■ 【まんが】商談打ち合わせの際のお作法
https://www.clarenet.co.jp/manga/300/
やってしまわないように、商談のお作法をまとめました。
新人への教育などにお使いください。
任天堂の「マリオカート」と「株式会社マリカー」の話
明治22年(1889年)に創業した老舗企業で、創業初期から現在に至る
まで花札やトランプの製造と販売を手がけており、1983年に発売した
家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(略してファミコンですね)、
そして1985年に発売した「スーパーマリオブラザーズ」が空前の世界的
大ヒットとなり、ゲーム会社として世界的に認知されるようになった
日本の誇る大企業、任天堂。
日本人で任天堂のゲームで遊んだことが無い人や、
任天堂を知らない人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
一説には、海外の子供たちがおぼえる初めての日本語はNINTENDOだそうです。
その任天堂のゲームに「マリオカート」、通称「マリカー」があります。
おなじみスーパーマリオシリーズのキャラクターたちがカートに
乗ってレースする、アクションレースゲームですね。
友人の家で仲間と一緒にマリオカートで遊んだ思い出がある方もいるでしょう。
ここ最近、そのマリオカートさながらに、マリオやピーチ姫のコスプレを
した人たちがカートに乗って公道を走っているのを見かけるようになりました。
近年の任天堂は「スーパーマリオブラザーズ」の主人公「マリオ」の
ような世界的にも有名な自社のキャラクターをゲーム外でも活用する
方向で動いています。
ですので、その一環として、任天堂の関連会社か、もしくは任天堂の
許可を得た企業がマリオのコスチュームやカートのレンタルを
やっているのではないのかと思いますよね。
でもこれ、任天堂に無断でやっていたようです。
しかもその会社の名前が「株式会社マリカー」で、マリカーを
商標登録までしてしまっているというのですから驚きです。
これには任天堂も黙っていられなかったのか、訴訟を起こすことになりました。
訴訟の行方はどうなるのでしょうか。
今回のメルマガは、任天堂のゲームの「マリオカート」と
「株式会社マリカー」の話です。
任天堂のゲーム、マリオカートとは
マリオカートシリーズ(MARIO KART Series)は任天堂
が開発・発売しているアクションレースゲームのシリーズで、
「スーパーマリオブラザーズ」のキャラクターのマリオとその仲間達
がレーシングカートやオートバイに乗ってレースする、というゲームです。
しかしレースといっても、「スーパーマリオブラザーズ」の世界観や
アイテムをモチーフにしているため、単純にどれだけ早く走るかを
競うレースではなく、車のレースでありながらジャンプしたりもするし、
中には水中走行したりするコースもあったりします。
そうした多彩なコースを走りながら、プレイヤーたちは他のプレイヤー
に亀の甲羅をヒットさせて転倒させたり、一瞬だけカートを加速させる
アイテムであるダッシュきのこなどのアイテムを使うなどして、
他のプレイヤーと駆け引きをしながらレースが展開されるのです。
マリオのキャラクターが使われているというだけでなく、こうした所が
マリオカートが多くのユーザーに親しまれている人気の理由のようです。
結果にもそれは表れており、スーパーファミコン用に発売された
「スーパーマリオカート」と、NINTENDO64用に発売された
「マリオカート64」は、どちらも日本国内における各ハード向けの
全ソフト中最高の販売本数を記録しているそうです。
また、Wii用に発売された「マリオカートWii」は、
「ビデオゲーム史上、世界で最も販売本数の多いレースゲーム」に
なっているそうです。
多くのユーザーにマリオというキャラクターやその世界観に親しみを
持ってもらうことができるだけでなく、新発売のマリオカートを
やりたいがために新しいハードを買う人も大勢いるでしょうから、
知名度のアップやハードの普及の両面で、このマリオカートシリーズが
任天堂に果たした貢献はとても大きいと言われています。
「マリオカート」に便乗した「株式会社マリカー」
ここ最近、そのマリオカートさながらに、マリオやピーチ姫の
コスプレをした人たちがカートに乗って公道を走っているのを見かける
ようになりました。
その仕掛け人が、公道で走行可能なカートやマリオなどの
有名キャラクターのコスチュームのレンタルサービスや販売を行っている
「株式会社マリカー」(東京都品川区)なのです。
カートやコスチュームだけでなく、任天堂の「マリオカート」の
略称として使われている「マリカー」を会社名にまでしているのですね。
おまけにこの「株式会社マリカー」は、広告やイベントに使用するとして
「マリカー」の文字商標を2015年5月に特許庁に出願し、
2016年6月に商標登録。
また任天堂との間に資本関係も契約関係も無いにも関わらず、
マリオなどのコスチュームが映った映像や画像を任天堂の許諾なく、
宣伝や営業に利用していたそうです。
株式会社マリカーは東京では品川や渋谷、秋葉原など複数の店舗を経営し、
カートのレンタル料は30分1500円~とリーズナブル。
近年では来日する外国人をターゲットにしたインバウンド向けの
展開にも力を注いでおり、ガイドを同行させてのレンタルも行っており、
SNSに投稿すればレンタル料を無料や割引にしていたため
「マリオのコスチュームを着て街中でマリオカートができる」と
ネット上で話題が拡散、外国人観光客の間でも評判になっていたそうです。
ついに訴訟を起こした任天堂
任天堂はこの自社の「マリオカート」の世界観や衣装や略称に便乗して
商売している株式会社マリカーに対して、商標の登録取り消しを
特許庁に行い、1000万円の損害賠償や行為の差し止めのための訴訟を
東京地裁に提起しました。
任天堂の主張をわかりやすく箇条書きにしてみます。
「略称の社名の利用やコスチュームの貸与が著作権侵害行為および
不正競争行為にあたる」
「ゲームの分野では『ポケモン』『ドラクエ』などソフトのタイトルの
略称が流通することがあり、『マリカー』は任天堂のゲーム
『マリオカート』の略称として広く知られている」
「マリカーという商標はゲームとの誤認や混同を意図している」
そして任天堂は「マリオカート」の略称として「マリカー」が
使われている証拠として、ブログや雑誌記事の見出しなどを提出していたそうです。
法的な話をしますと、不正競争防止法2条1項1号は、
「他社の商品表示として消費者に広く認識されているものと同一・類似
の商品表示を使用して、他人の商品と混同させるような行為」
を禁止しています。
株式会社マリカーという社名がそれにあたるというわけですね。
株式会社マリカー側の声明発表
任天堂より訴訟を起こされた株式会社マリカーは報道機関向けに声明を
発表しました。
長いので、要点だけ抜き出してみます。
「私たちのサービスは、旅行で来られる外国人の方々に非常に喜ん
で頂けており、口コミで広がってきたサービスで、これを目的に日本に
来てくださる外国のお客様も多く、Facebook、TripAdvisor等の
レビューにおきましても5つ星の評価を頂いている」
「私たちは、複数の弁護士・弁理士等の専門家に相談をし、私たちの
サービスが、任天堂様に対する不正競争行為及び著作権侵害行為には
該当しないと判断した上で、サービスを提供してきました」
「数か月前には、任天堂の担当者様と協議及び情報交換も行い、
私たちのサービスに理解を示す発言も得られていました」
「今回、既に任天堂さまの突然の提訴により、問い合わせへの対応や
取引先への説明などで、私たちのサービス業務にも大きな影響が出ております」
「ホームページもパンクして閲覧できなくなり、メールも
受信できなくなり、電話回線もパンクしたことにより、お客様で
迷子になった方も発生しており、皆様への対応が遅くなったことを
重ねてお詫び申し上げます」
「世界的企業との法的紛争となると、どの程度の負担がかかるのか
想像することもできません」
「このままでは事業の継続に多大な影響が出ることを恐れております」
「一方で多くのお客様から応援の声も頂いており、専門家の皆様からも
私たちを支援したいというお話も頂いております」
「私たちのサービスは、お客様の笑顔のためにあります。私たちは、
このお客様の笑顔を守るために全力で頑張ります」
……あえて自分の感想は言いません。
これを読んだあなたは、この声明からどんな印象を受けましたか?
任天堂の異議却下?特許庁の判断は
これ、任天堂が勝ちそうなものですが、特許庁は任天堂の異議を却下しました。
「マリカーがマリオカートの略称だと相当程度知られていたことは
認められる」としながらも
「『マリカー』と『マリオカート』が併記されているケースも多いこと
などから一般に広く認識されていたとまでは認められない」
「『マリオカート』と『マリカー』は文字数も異なり、混同のおそれもない」
とし、任天堂の訴えを退けたのです。
文字数が違うから混同しないでしょ、という特許庁の判断は、
ちょっと現実に即していないような気がします。
任天堂も任天堂でマリカーを商標登録していればよかったのに、
と思わずにはいられません。
そして最近ようやく。
この程度で任天堂も黙ってはいないようです。
特許庁へ無効審判の請求や知財高裁への提訴などちゃんとすすめました。
公道カートのレンタル会社が「マリオ」などのキャラクターの衣装を貸し出し、
その映像を許可なく会社の宣伝に利用したのは違法だという主張で、
任天堂が中止と1000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁請求の大部分を
認める判決を出しました。
本業であるゲーム事業が低迷している任天堂は、今後は世界的に有名な
自社のキャラクターを使ったキャラクタービジネスに力を入れている
ところですので、こうした任天堂の強硬な姿勢は、
キャラクタービジネスの要であるキャラクターのイメージと
ブランド価値を守るためにも自社のキャラクターの無断使用は
断固許さない、という姿勢を対外的にアピールするために、
任天堂は?株式会社マリカー?を訴えたのだとは思います。
キャラクタービジネスを極めたウォルト・ディズニーのように、
今後、任天堂は自社の著作権を守るために、
ますます徹底した態度を取るようになっていくのかもしれません。
というか普通に普通に、1号線とか走ってると怖いんやけど。
大丈夫なん??あれ??
とかとか。南森町の交差点あたり走ってるのをみると
「ええの?あれ?」
と思うのですがどうなんでしょうか。
一般感情と法的視点は異なりますし、権利侵害になれば権利性や損害認定に
なるんですが、クレアネットではそういったネット上のトラブルに関しても
日々研鑽しておりますのでご相談ください。
要件定義、法学勉強してきてネットで活用するケースを想像してなかったのですが
やはり最近はよく相談レベルでも頂くケースがあります。
お気軽にご相談を!
(記載 谷 美輝)