『SEOマーケティングの未来を読む vol.174』
「漫画村から漫画タウン、時代の波」
【1】まんがの見方が自分で変わる
今回はまんがの話です。
漫画村、という法的にはよくないサイトの話です。
マンガの話になると、いろんなマンガがあるんですが、
本当にギャップを感じます。
今日は「火垂るの墓」が21時から金曜ロードショーであります、
高畠監督の追悼で決まったそうです。
小さいときにもみた記憶がありますし、少し大きくなって
みた記憶もありますが、今みるのは結構きつい気がするのは、
「子供を置いて戦争に行ってしまった父ちゃん」
視点で映画を見ることになりそうなので、そうなると
ラストシーンも知ってる分、なかなかにきついきつい。
まんがも自分の環境や境遇で変わる、
文学もマンガもサブカルも、そういった視点があるから面白い、
なと。
【2】 WEBマーケティング4コマ漫画 毎週金曜日更新
■ 第292話
伝わる、伝える工夫
伝える努力によって成果が生まれます
■ 第291話
インスタ映えする写真をアップするコツ
インスタの背景から色々なものが推察できます。
■ 290話
売上倍増の理由
人の行動心理を把握した、言葉選びが必要です。
利用者が増えた?法的に責任を問えない?海賊版サイト「漫画村」の話
※ マンガ村、なんですが、こんな内容をまとめた今日、
閉鎖されました!!!
ただマンガタウンになったりとか、なんかわからないのですが、
とりあえずマンガ村についてご紹介です。
「通抜け 無用で 通抜けが知れ」という川柳をご存知でしょうか。
ここは通抜け禁止だと看板に書くことで「ああ、ここから通抜けができるんだな」と世間に知られてしまう……という意味ですね。
その川柳を思い起こさせる事件がありました。
数々の漫画などのスキャンをサイト上にUPし、無料で閲覧できるようにしている海賊版サイトが話題となっています。
その中でも特に有名なのが「漫画村」です。
ニュースにも取り上げられ、「漫画村」は多くの漫画家によって批判されました。
アングラでコッソリやっていたのに、ニュースに取り上げられたら逮捕されるかもしれないと「漫画村」の運営者は今頃ビクビクしているのではないか……と思いましたが、そんな事はなく、それどころか「漫画家が宣伝してくれたお陰でユーザー数が1.8倍になった」とサイトでうそぶいていたそうです。
「著作権を軽視しマンガを無料で読み放題にしている漫画村はケシカラン」という論調のニュースを見たとしても
「そんなサイトがあるのか、よし自分も利用してやろう」と考える人が多かったのでしょう。
批判が逆に、知名度を上げる結果となったわけです。
おまけに漫画村の運営者は、ユーザーの増加に伴い「海賊版サイトの有料版サービス」まで立ち上げる準備まで始めているというのですから、驚きですよね。
ちなみにそのサービスの名前は「漫画村プロ」で、広告が表示されなかったり、ZIP形式でマンガをダウンロードしたりすることができるようです。
iPhoneなどのスマートフォンの普及で、通勤通学の電車の中でゲームやデジタル書籍を楽しむ人が増えました。
そういう人たちの中にも、漫画村に気軽にアクセスし、そこにUPされたマンガを読んでいる人が大勢いるのかもしれませんね。
「盗人猛々しい」と批判がまきおこり、物議を醸している漫画村ですが、今後のデジタル書籍関連のビジネスの行く末を決める出来事と見ることもできます。
今回のメルマガは、出版業界側ではなく、漫画村と著作権に焦点をあてて話をしてみます。
海賊版サイト「漫画村」とは
「漫画村」とはどういうものかをまず説明してみましょう。
一言で言えば、マンガや雑誌、写真集などが無料で読み放題の海賊版サイトです。マンガ自体や特別のアプリをダウンロードする必要もありません。
インターネットを通して、スマートフォンやパソコンの画面上だけで閲覧可能になっています。
当然、それらの多くは出版社の許可を得ておらず、無断でUPされたものばかりです。
漫画村の月間利用者数は約9800万人(日本の人口の80%以上)と大変多く、これはインターネットの全サイトの中で日本でのアクセス数第31位だそうです(ちなみに1位はやはりGoogle)。
日本の人口の80%以上と言っても、日本人の8割が漫画村を利用しているのではなく、同じユーザーが何度もアクセスしているから、こういう結果になるのでしょうね。
しかし、それでも「漫画村」が賊版サイトでありながら大変な人気である事実は変わりません。
2017年10月25日より漫画村の運営者は「lichiro ebisu」なる人物が運営しているとされ、「日本国内のいかなる
企業・個人との関わりはありません」と記載されているそうです。
「漫画村」の特徴
漫画村の特徴の一つとして、海賊版サイトでありながら、取り扱っているマンガの豊富さと、ユーザーインターフェースなどの使い勝手が非常にいい、ということが挙げられます。
人気漫画ランキングだけでなく、少年マンガ・青年マンガ・少女マンガ・成人マンガという風に、マンガは細かくジャンル分けされており、読みたいマンガの検索が容易になっています。
最近では、作品を評価する機能も実装されたそうです。海賊版サイトでありながら充実のラインナップというわけですね。
明確に違法とは言えない?グレーゾーンに位置する「漫画村」
出版社の許可を得ずにスキャンしたマンガを誰でも読めるようにインターネット上にUPする。
本来なら売れるはずのマンガがタダで読まれてしまって売れなくなるわけですから、間違いなく違法な気がしますし、
なぜ閉鎖されないのか疑問がわきますが、法律的には違法と言い切ることもできないようです。
これには漫画業界も頭を悩ませているようです。その辺をこれから詳しく説明してみましょう。
「漫画村」運営者の言い分は
漫画村の運営者は、己のサイトを法的にどう考えているのでしょうか。それがよくわかるのが「漫画村 -漫画村入口ページ-」です。
そこで運営者は漫画村のキャラクター「クマのらりっくまくん」の口を借り、以下のような主張を展開しています。
「よく『違法じゃないの?』とか質問が来るから『違法性』についても説明するクマ」
「漫画村を見るのは違法なことではないんだ」
「『音楽と映像以外の違法ファイルをダウンロードする行為については、違法化の対象外とされている』とあるので見る行為に違法性は一切ないクマ」
「多分だけど『漫画村を見る分には問題ないけどアップロードしてる人が違法だ』という意味だと思うクマ」
「漫画村は国交のない・著作権が保護されない国で運営されているんだ」
「だからアップロードしてる人も違法性のないクマ」
「例えば北朝鮮のテレビ番組を日本のテレビが流していることがあるけどあれは許可を貰ってないし貰う必要もないんだ」
「それと同じことなんだクマ」
「もちろん悪意を持って『違法だ』と言ってる人もいるけど無視してあげてほしいクマ」
「他にも漫画村の名前を使ってアクセス稼ぎをするチンピラもいるから気をつけてクマ」
……海賊版サイトを運営しておきながら、自身のサイトでアクセス稼ぎする同類をチンピラ呼ばわりしているのが興味深いですね。
日本国では法的責任を問う事が難しい「漫画村」
「画像を見せているだけだから違法ではない」
「日本と国交が無く著作権も保護されていない国で運営しているから日本の法も無関係」
というわけですね。
前者について詳しく補足すると、マンガの画像をネット上に直接UPしているのは「漫画村」ではなく、「漫画村」は別の所にUPされた画像をクローン表示しているだけのようです。
海賊版サイトのリンク集の作成が著作権違反だとされた例があるので、別の所にUPされた画像を見せているだけでも責任を問うことは不可能ではないという見解もあるものの、判例がなく何とも言えない状態のようです。
後者については、間違いではないようです。
事件には、その事件が起きた国の法律が適用されるため、国交も無く著作権が保護されない国、つまり万国著作権条約に
加盟していない国で「漫画村」が運営されているのが事実であれば、法的責任を問う事が難しいようです。
漫画村は「合法だ」というよりも「日本国では法的責任を問う事が難しい」と言えば理解しやすいでしょう。
グレーゾーンでありながら漫画村が閉鎖に追い込まれないのは、
上記のような理由からだそうです。
漫画家や市場を苦しめる海賊版サイト
海賊版サイトはマンガや雑誌を公開することで人を集め、広告費を稼ぎます。
しかしその利益は一銭たりとも著作権者には還元されません。
「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている」と日本漫画家協会が「漫画村」などの海賊版サイトを批判する声明を発表しましたが、まったくその通りです。
こうした海賊版サイトの利用者が約23万人とされており、経済損失は500億円と推計されています。
公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究所による2017年(1~12月期累計)のコミック市場の統計によれば、「漫画村」などの海賊版サイトの横行のためか、日本のコミック市場規模は、紙と電子合わせた全体で2.8%減となったそうです。
著作権者や出版社の被害は甚大ですね。
また経済的損失だけでなく、このような状態が続けば作家は作品を作り続けられないことから、漫画文化の衰退も危惧されています。
海外でも日本のマンガの人気は高いそうですが、海外の読者の9割以上は海賊版サイトで翻訳版を読んでいると言われています。
海外ではお金を払って正規のマンガを読んでいる人間の方が少数派な状態なのですね。
ほくそ笑んでいる?「漫画村」の運営者
ニュースに取り上げられ批判にさらされた「漫画村」ですが、運営者は逆に「漫画家さんが無料で広告してくれたおかげで2カ月
でユーザー数が1.8倍になり、Twitterの利用者数(月間4500万人)を超えた」とサイト上でうそぶいていたそうです。
また、アクセス数の増加に伴って維持費も増加したために、従来の無料版だけでなく月額500円の有料版「漫画村プロ」を4月から5月に開始すると表明しました。
「漫画村プロ」では、全ての広告の非表示、アダルト作品の非表示選択、マンガをzip形式でダウンロード、3人まで同時利用可、無料版とは別の安定したサーバー、等のサービスを提供するとしています。
しかしやはり、有料版になっても、著作権者への還元は行われません。
こうしたことから「漫画村」を批判する声はますます強くなっているようです。
「まとめ
漫画家にとって大打撃であるはずの「漫画村」の存在ですが、漫画家の中にも「海賊版はいつの時代にもあるのだから、いま必要なのは海賊版サイトを批判することではなく、それに対抗しうる新たな合法のサービスを作り上げることだ」と主張する人がいるようです。
医療の矛盾や不条理に向き合う研修医が主人公の
「ブラックジャックによろしく」の作者、佐藤秀峰氏などですね。
怒るよりも嘆くよりも、電子書籍の仕組みを変え、もっとマネタイズできるようにしていくしかないのかもしれません。
違法ダウンロードに対抗するために、業界の体制を時代に合ったものへと変化させたiTunesのように。
どうすればいいのか?については何とも言えません。
ただ無料で読めれば嬉しい、はユーザーとして正しいのは正しいのは事実。
あと、マンガはみんな好きで読んでいるのも事実。
マンガ自体が廃れたわけでなく、出版ビジネスというビジネスモデルが
廃れてる、というのもいろいろ思うしわかるわけで。
だからこそ、何かチャンス、というのも納得。
変化は刻一刻と進むからこそ、過去と一緒だとあかん、のはビジネスの常です。
(記載 谷 美輝)