[盛和塾] 機関紙マラソン 94号
塾長理念引用
欲しいものが手に入らないときは、手に入るものを欲しがれという格言もあります。「満足こそ賢者の石」。
知足にこそ人間の安定があるという考え方や生き方を、私たちは実践していく必要があるのです。
【気付き】
最近なのですが、新しい気付きがありました。
心臓カテーテルという技術を世に広めた「ヴェルナー・フォルスマン」さんの話です。
詳細はテルモさんのサイトにありましたが、
「一九二九年、晩冬のドイツ。国家試験に合格したばかりの研修医ヴェルナー・フォルスマンは、自分のアイデアを実行したい衝動を抑えきれずにいた。
チューブを馬の血管から心臓に挿入し、血圧を測ったという記録を医学書で見つけた彼は、もしチューブを人間の血管から心臓に挿入できれば、強心剤を直接心臓に注入して、より有効な治療ができるはずだと考えていた。「これを生きた人間で試してみたい…」。
ある日、実験は手術室で決行された。彼は自分の腕の静脈にゴム製のチューブ(尿管カテーテル) を差し、もう片方の手でチューブを心臓へと押し進めていった。」
http://challengers.terumo.co.jp/challengers/04.html
ちょうど90年前に「??」という行動ではあるものの、医療の発展に寄与された方で、その後ノーベル賞を受賞・・。
ドラマでも今やっている「最上の命医」でも主人公の医師が、世界初の手術を「一回自分で実験してやったから大丈夫だよ」と
患者を納得させるシーンがあります。
「一度自分やったから大丈夫」
は何よりも説得力があります。ヴェルナー・フォルスマンもそうですが、チューブを血管に入れて心臓まで進めて、「これ治療方法に使えるね!」
なんて言われれば納得です。
医療の世界ではこのように自分を実験にして、さらにはそれで命を落とした方までいて、その中で現在の最新の医療がある。
新しい気付きとともに、先人への感謝と、自分の至らなさを痛感しました。
「満足こそ賢者の石」。もっとサービスを、会社を、自分自身成長を、顧客満足を、
よくするにはどうするか、貪欲にならないと。
塾長講話[第90回]共生の思想と経営
経営者として、事業化として大成をする人、大きく伸びていく人は、儲かればいいという利己だけで生きている人ではありません。
会社を立派にするためには、従業員を含めた周囲の人たちを幸せにしていくこと、会社という小さな森全体を立派にしていくことを目指さなければなりません。
会社というのは、私の技術を問うための場ではなく、従業員の生活を将来にわたって保証する場である
一緒にがんばってくれる集団をつくりあげることは、経営者としては最も大事なことです。
しかし、従業員が「無制限でがんばりますよ」と言ってくれたからといって、それに安住してたのでは経営にはならんのです。
【気付き】
みんなを幸せにするために。
経営者は圧倒的な経験も行動も結果も人格も備えないといけない、と思います。
また、ヴェルナー・フォルスマンさんのように。
「この施策は自分でもやったのでうまくいきました。なのでおすすめです」
と自分自身でもやってみることでより説得力が増します。
医療では高須クリニックの高須院長は自分で美容整形をやって、よければ
患者さんにおすすめするそうです。だから信頼も納得も説得力も違うんです。
永田智之〈京都〉 フジヤ 代表取締役社長
永田さんは三十五歳で、フジヤには四百人の社員がいました。永田さんは再建していこうとしていきます。
ところが何にもわからないものだから、藁にもすがるような思いでメインバンクの支店長に会いに行き、包み隠さずすべてのことを話しました。
実はここがポイントなのです。
【気付き】
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」とも言います。
以前に盛和塾37号の冊子で「ぴあ」の社長さんが解任動議話があったのを思い出しました。
すぐに稲盛塾長に相談に行き、話したエピソードです。
「ぴあの矢内社長のすごい話が出てきています。
役員の解任動議など「なぜだ解任(三越の)」では聞いたことありますが、
上場企業のさらに業界トップ企業ではなかなかない思います。」
本当に危険なときには包み隠さず助けを請う。大事です。
山本斉〈庄内〉 山本組 代表取締役社長
企業経営を安定させようとするなら、できれば消費材に重点を置くことが大事です。
たしかに微生物培養土や野菜の作り方を教えるというのは、一回の契約で相当売上になっていくかもしれません。
一方、トマトを一個売っていくらというのは、小さな商売です。しかし、そのほうがずっと続けていけるのです。
【気付き】
盛和塾でも、よく消費材に重点を、話は出てきます。
経営をしていて感じるのは「多くの人は優秀な知識人を目指してるのかな」という部分です。
「微生物培養土や野菜の作り方を教える」ことはごく一部のスタッフしかできないはず、ここに事業の柱を
据えると人の問題で伸びません。
肌感覚ではあるんですが、なんかそういう感じが。
ネットでも多くのマーケティング施策に製作技術、言語もあるのですが、5言語使えるよりも
より顧客に沿って「即対応、業界踏まえて施策提案」のほうがずっと価値を認めてもらえます。
こうなるとより業務が「サービス化」しますが、企業安定にとってはこっちの思考のほうが大事。
ぼくなど何やかんやで資格など10個以上取ったり、国家試験とったりしてますが
顧客から本当に求められるのはその勉強や知識はほぼ関係ない事項のほうが99%です。
採用面談など評価測定していると、なかなかその辺の価値観の違いは気付くものの
「学校で4年、この業界で5年」などそれで培ってしまったものを壊して新しく設定するのは
難しいなと痛感しています。
川村梯弐〈名古屋〉 三晃社 代表取締役会長
毎日同じようなことの繰り返しだけでは、売り上げを顧客満足や顧客感動と比例してあげていくことは難しいのです。
一日に八時間仕事をするとすれば、なんとなく仕事が一日の三分の一を占めています。
こんなに多くの時間を充てているのであれば、楽しめないのはもったいない、意義のある時間でないともったいないと、いつも思っています。
【気付き】
同じ時間働くのなら創意工夫で楽しまないと時間がもったいない。
この発想はすごくわかります。バイトでも学校でも会議でもセミナーでも
何か1つでも2つでも得ようと思うので楽しくなる、時間を無駄にしたくないので
有効にしたくなる、という原理原則、があると創意工夫が生まれます。
あの日あの時 稲盛和夫氏 仙元隆一郎
社員は、溌溂として、和気藹々の工場でした。この会社は、きっと急成長すると直感しました。
女子社員が機械に手をはさまれて指を切断する事故が起きました。
居合わせた稲盛さんが、とっさに手拭で傷を押さえて血を止めながら、必死で切れた指を探しました。
以前、切れて二時間以内やったら、手術でつなげると聞いた話がチラッと頭に浮かんだ。
【気付き】
和気あいあいの現場は伸びる、成長する、よくみる文章です。
ほかでもよく見る文章ですが、同じく現場に行った際に感じるポイントは同じです。
「いつも感じてることと同じ感覚」というのは結構大事です。
塾長が工場でどのように仕事してるのかが何か想像できます。