[盛和塾] 機関紙マラソン 21号
己の人格をつくる
心が十分に強くなければ、われわれは自分の才能の奴隷になってしまいます。
これに対して、能力を使いこなせる人がいます。徳のある、尊敬される人間性が、才能をコントロールするのです。ここで主役になるのは「己の人格」でなくてはなりません。
【気付き】
自分の欲望が本当に強い、また、欲望のままに活力を持って仕事をしている、という人がいます。ただし、心のおもむくままに仕事をしたりするとどうしても自分のことを中心に物事を進めるようになったり、考えたりするようになります。
「世のため、人のために行う」ことを常に忘れないようにしていきたいと思います。
塾長講和 「思いをときおこす」
私は多くの先輩たちの例を見ながら、長く、年を取ってまで会社の仕事をすることが決していいことではないと考えていました。
私はまだ元気で、若さが残っているこの六十五歳に会社の第一線をの期待と思ったのが引退の一番目の理由です。
第二番目の理由は、一歩身を引くことによって、次の後継者の方に仕事をしてもらおう、つまり後継者育成をしようということです。
この世に生をうけてからの二十年というのは、実際に私が会社に出たのは二十三歳ですが、働くための準備期間ではないでしょうか。つまり最初の二十年間は、会社に出て仕事をする準備期間として神様から与えられた時間です。そうして、その後四十年間を一生懸命に働いたとするとちょうど六十歳になります。仮に、私が八十歳で死ぬとしますと最後の二十年間は実恥じぬための準備をするのに必要なのではないかと私はずっと思って来ました。
つまり禅宗というのは座禅という体験をして、その昔お釈迦さんが菩提樹の下で座禅を組んで悟りを開いたのと同じ経験をする、というものです。
禅宗の場合にはこの心の探求といいますか、心の在り方というものを教えるという面がたいへん強いと思います。
一方では、悟りを開くのには至らないまでも、一日に一回、いや二日に一回でもいいから心を鎮めたいと思います。
【気付き】
塾長がすごいことは、毎日心を静めている習慣があるからです。
このマラソンスタートしまして、読んでいるときやまとめているときには心が静まる感はありますが、それ以外の場合には
穏やかな心の在り方ができてないようなときもあります、ばたばた忙しい時、それによって余裕がなくなっているとき、仕事で思い通りに
進まない時など。「ピンチがチャンス!」と奮い立たせるのですが、それでも電車の遅延で訪問遅れるなどでもイライラしてしまうことも
自分で認識していて、まだまだです。
今回塾長が65歳で身を引く、後進に譲るとしており、年齢によって仕事の働き方を変えています。
私は来年で不惑40歳になります、ようやく惑わなくなる年齢ですが、まだまだ青いひよっこ。40代も必死のパッチで駆け抜けたいと思います。
光通信の重田社長
一つはパソコンを使いこなして、顧客データベースを充実させていることです。当社では、社員、アルバイトの区別なく全員にパソコンを一台以上配置しています。さらに、NTTのタウンページに掲載されている六百万社のデータを入力して顧客データベースの基とし、入手したデータを新たに入力して蓄積し、それを活用するテレマーケティングの販売手法をとっています。
損益は月次でみていますが、受注数や一人当たりの平均値は、日次でみており、平均値をみれば損益分岐点が分かるようになっています。日次については、電子メールで毎日送られてくる全部門の平均値、対前月比、目標に対する進捗度をみています。そのようにして、当社は最初から日次損益を把握しています。
【気付き】
かの光通信の重田さんです。
ITでも通信系でもいろんな意味で有名な重田さん、子会社もいろいろ上場しいろんなことで通信業界、IT業界なので知ってますが、この
テレマーケティングのくだりだけでパワーが異なります。今は盛和塾ではないと思いますが、この携帯ショップでKDDIさんを含め
多くのいろんな仕事を行ったことも聞いています。とりあえず、印刷して営業スタッフと共有しました、テレマーケティングなども
これくらいでいかないと。
ユーシン精機の小谷専務
社長が自ら設計し、機械加工や塗装、組み立て、それに据え付けまでするものですから、利益は上がっていました。しかし制作だけして、販売は代理店を通していました。ところが中には、売掛金の回収がスムーズに進まない得意先も現れはじめました。そこで、昭和五十七年ごろから、自社営業に切り替えました。
お客様がどんな製品を求めているのかを常に優先させてきました。そして、お客様が自社制作されるよりも当社で作ったほうが絶対にいいものが安くできるからこそ注文はある、お客様が本当に必要とするものだけを作るという信念を貫いていました。
社長はかねてから、原価意識の大切さ、人材確保といったことを考えていましたから、上場という目標を設定することで社員たちに対してそれらの意識徹底を図ったという計算はあります。
【気付き】
奥様の発表ですが、社長のできない部分や苦手な部分をしっかりとサポートされている印象でした。それでも現在は、211億売上、30億の利益、自己資本245億円、自己資本比率83%、すごい優良企業さんです。ユーシンさんは今は小谷さんが社長になってやっていますが、奥様の強さをすごく感じます。
プラスチック射出成形品取り出しロボット世界シェア3割で首位。すごいです。
ピコイ 近藤さま
中村先生に「社長の仕事は社員教育だ。その原点は社員をかわいいと思うことだ。君は、社員をかわいいと思うか」と聞かれました。
私は下手でもいいから、自らの手で、自らの心で社員教育をしようと決心し、自らのいちばん大きな役割として、社員教育を位置づけています。
教育とは何かを教えることだと思われがちですが、社員教育の基本はまず「社長はどんな人間か」を語ることなのです。
だからこそ、経営者は「自分は社員に尊敬される人間になる!」と堂々と決意することが大切なのです。そうやって自分を律し、実際に尊敬される社長になり、部下が「自分は誇りを持てる社長の会社で働いている。それは大きな喜びであり、誇りだ」と思えば、社員たちは最高に幸せです。誇りがなければ、いくら給料が高くても、人はついてきません。
成績のことは問いませんが、私は挨拶や礼儀のことはやかましく言います。「脱いだ靴はきちんと揃えろ」とか、忘年会などでよそで食事をしても「最後はきちんと片づけろ」といったことです。やはり、生活の中で基礎になることができることが基本ですから、いくら仕事ができてもそんな基本ができない人には辞めてもらいます。
【気付き】
教育者であり、経営者である。ことが経営には大事で、そのためには、スタッフをかわいいとか愛情を持つとか、そんな気持ちが大事です。自分がどんな人間なのかをもっと伝えていけば、自分自身を知ってもらえますし、理解もしてもらえるので、どんどんと語りかけていこうと思います。後は、挨拶や礼儀などの当然の事項を伝えることも大事で、必要最低限でのことをできないと高度なこともできない、凡事徹底して仕事も教育も進めないといけない、改めて精進します。
あの日あのとき稲盛和夫氏
稲盛さんは技術者であり、同時に経営者です。さらに、”考える”ということを取り上げるなら哲学者であり、”天と己”ということを考えればそれは宗教家です。そのように、稲盛さんは自己を真剣に生きることで、稲盛さんそのままなのです。技術者であり、経営者であり、哲学者であり、宗教家であり、それらのものが渾然一体となって、稲盛さんをかたちづくっているわけです。
【気付き】
技術者、経営者、哲学者、教育者。
塾長はたくさんの側面をもっているからこそ人間的魅力があると思います。
立派な方は自分を鍛錬しているので、そのような悟りを開いたような部分が見えます。自分もその域に達したいと思います。