■ 部下はなぜ、あなたをそんなに嫌うのか?
嫌われていることが大前提になっているのがまた読む気を誘います。小山さんの本はいくつも出ていてその説明や方法などは常に一貫しているような気がしますので、今回のこの本もその延長線上のように感じます。とにかくこの小山さんのヒューマンパワーから出てくるマネジメント手法なので、初めての上司がこれやろうとするとうまくはいかないはず。
『思いっきり部下に嫌われている』自覚が生まれてから読むとすごくしっくりきます。ついでに言えば、嫌ってもいいけど仕事しろ、仕事するなら嫌ってもいいし上司だって仕事中心で考えるから好き嫌いなどどっちでもいい、合理的な発想も割り切るためには大事です。
確かサッカーの元日本代表の岡田監督が言ってたと思うのですが、この言葉。
「代表に選ばれるくらいの選手なので自分が上手いと思ってるし、あいつとはウマがあわんなども普通はあるはず。ただウマはあわんがパスを出したらシュートを決めよるとか、ピッチの中では信頼して任せる、そんな関係でしか代表で合わせることはできん」
ニュアンスは違いますがこんな感じの言葉、しっくりきます。嫌われるのくらい上司なら当たり前、まずはその立場を受け入れるのはすごく大事な気がします。特に耳の痛いことを指摘するときや人事関係の話だと、相反する利益ばかりになるので矛盾だらけ、その最終納得できるポイントは自分で感じるほかないのだと思います。
嫌われないし仕事も進む。そんなことはまずないものです。だからこそ上司らしく受け入れる。
ついでに言えば、会社自体は社会の批判を浴び、矛盾も不条理だらけの中で存在するので、そんなものと思い受け入れることができれば楽。