絶滅企業に学べ!指南役さんの新書です。
絶滅企業に共通する傾向やそのエッセンスを抜き出す、という内容に近いですが絶滅企業では時代もご商売の内容も、やり方も全部違うのでこの辺は共通項は難しいのですが、その辺がまた実に面白く紹介されています。個人的には鈴木商店さんは昔有名だった神戸の商社で、というのはテレビで見たくらいしか知らなかったので詳しく知らない分びっくりするような内容でした。神戸の商社なんて聞くと、港に関する企業さんなどなどなどイメージ勝手にするのですが、考察が素晴らしい本です。
あと最後のスティーブジョブズの格言めいたもので、自分で創業したアップルを追い出されたことを引き合いに出して
「あのアップルを追い出されたことは今となってはあのことがなければ成功がなかった」
と、過去の失敗をしっかり振り返り糧にされていることは、成功してしまえば過去のことなど忘れていきますし、そこに固執しなかったからこそ新しい分野やサービス、アップルだとスマホなどに力をかけていけたんではないか、という話です。絶滅したくないので繰り返し読みます。そういえば鈴木商店さんは、今でもサイトがありました。
『「幻の総合商社・鈴木商店」は大正6(1917)年、売上は当時のGNPの1割に匹敵し、日本一の総合商社となる。大番頭の金子直吉は、「三井、三菱を圧倒し、しからざるも彼らと並んで天下を三分するこれ鈴木商店の理想とすることなり」と発した。』
>>鈴木商店について
>>金子直吉曰く「生産こそ最も尊い経済活動」
神戸製鋼さんやサッポロビール、今ある企業の土台がこの鈴木商店だった、などは改めてみるとすごいと思うわけです。