● 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負—万年赤字会社は、なぜ10カ月で生まれ変わったのか
『大企業で役員目前だった沢井は、ある日突然、出向を言い渡される。出向先は万年赤字の問題子会社。辞令にショックを受けつつも、1年以内に黒字化することを決意した沢井だが、状況は想像以上に悪かった。やる気のない社員、乱雑で老朽化の進む職場…。しかし、新しく人を雇ったり設備投資をするような予算はない。今ある人材、今ある設備で黒字化できるのか。そこで沢井が講じた施策とは・・・?』
あらすじ見るからに、半沢直樹みたいな経済小説なんですが、前に読んだミスミの三枝さんの「戦略プロフェッショナル」、「 経営パワーの危機」、「 V字回復の経営―2年で会社を変えられますか」の三部作のような、イメージがすごくわきやすくすっと全部読めてしまう内容でした。話がストーリー性になっているので、主事項の沢井含めて人物がわかりやすい人物設定も加えて、時系列にすっと入ってきやすい印象です。ただ、特に、社長の沢井がコストをかけれず、設備投資もできず、採用もできない中で黒字化を行わなければ会社が潰れる、という中で社長を任命されたという話が、同じく社長視点で見ていくと非常に面白い。
企業に力を吹き込むのは当然トップの仕事、自発性で燃え上がらないと周囲の人も巻き込んで燃え上がるはずがない、読んでいても読んだあともいろんな気付きと余韻が残った本でした。