バルセロナはまたもチャンピオンズリーグでの準決勝進出と強さを見せ付けてますが、その中でもメッシやシャビ、イニエスタ、ブスケツなどカンテラ上がりではない選手で活躍している選手がセイドゥ・ケイタ。
ケイタは地元マリでは英雄ですが、このバルセロナではシャビやイニエスタの控えとしての起用が多く、先発出場する機会も多くない中でも要所要所での活躍を見せています。立場では後半点差がついたので勝負を終え、試合をこのまま流すいわば試合を流すための選手。このケイタのインタビューがナンバーにあったので読んでいたのですが、ケイタ自身は今の立場に満足してバルセロナの一員になっていることが本当に満足しているとのこと。
ケイタとシャビは同じ年齢で、日本で言うと稲本や小笠原の年代がユース選手権で準優勝したときのマリ代表として活躍していました。
あの決勝は4-0で日本はシャビ率いるスペインに完膚なきやられた試合でした。ケイタはマリ代表の10番を背負い母国のために戦ってましたが、そのときにシャビをみてそのうまさに感動したそうです。その後クラブを転々として今はバルセロナ。シャビやイニエスタが累積警告や欠場の際には出ますが、フルメンバーの際には出場機会を与えられません。
プロの世界の寿命は短いので、ケイタほどの選手なら移籍すれば活躍の場はあるはず、ですがケイタはこのチームへの貢献を第一に満足と考え、そしてその出場の機会だけでなく練習の場などでも全てチームに捧げているとの記載がありました。この前のリーガでも、メッシの累積欠場の際にケイタが代役としてヒホンとの試合で点を決め、ピケまでも退場になるハプニングの試合を救いました。
またそのケイタのプロとしてのチームへの貢献や活躍には、グアルディオラ監督の評価も高くケイタへの賛辞を常に送っているそう。
記事を見ながらバルセロナというチームの強さの土台をひしひしと感じます。サッカーをするものとしては、試合に出る11人を羨望や僻みの対象にするのが普通の選手かもしれませんが、呉越同舟でチームの勝利こそが結局は自分のサラリーや評価にも繋がります。「バルセロナで活躍していたケイタ」と。
そして、チームの控え選手だけでなくチーム帯同スタッフ、広報担当、グランドキーパー、ホペイロ、ユース年代の若手などチームは全ての人の期待を背負っています。そのような考えをすれば、試合に出る出ないだけでない貢献は無数にあるわけです。「試合に出てナンボ」という若手選手の発言を移籍理由にしますが、ケイタのような円熟を帯びたプレーが出来る選手と人間性を高めた方にはそのような気持ちもないのでしょう。
ケイタのような選手がいるからこそ、バルセロナは毎年毎年強いチームを作っていけるのだと本当に感じます。
業務用食材ケイタさんのサイトがオープンした矢先でのセイドゥ・ケイタだったので、想いが交錯しました。セイドゥ・ケイタ、チャンピオンズリーグでもひょっとしたら陰のMVPにもなる可能性があります。メッシのような華やかさはなくても、玄人をうならせる、敵チーム監督には嫌がられる選手、試合後のコメントに「ケイタが中盤で効いていた、そのため攻撃プランを変更を迫られた」このようなコメントを吐かせる選手。
華がないし、検索数も少ない、本には出ない、メディアも積極的に絡まない、マリ代表の英雄セイドゥ・ケイタ。
ケイタのコメントにありました。
「試合に出たい気持ちよりも、このバルセロナというチームに貢献できることが本当に嬉しいんだ。試合に出なくてもチームの勝利が嬉しいし、このバルセロナにいるおかげでビッグイヤーを手にすることも、リーガを制することも、タイトルもいくつ取得できたのかわからないくらいだ。それは全てぼくの満足なんだ」
>>セイドゥ・ケイタ