■ 板倉雄一郎さんの社長復活
板倉さんといえば「社長失格」で有名な方でしたが、いつの間にか「復活」の本も出していました。
失格と自己批判的に書いてますが、経営者や事業者が陥る部分がほんとに共感したものでしたし、身をつまされるような気持ちで読んだものです。そして、この社長復活ですが、その内容に「経済成長の条件」というくだりがあります。
「経済成長の条件とは倒産件数の抑制よりも起業件数の増加である」
という内容です。失敗を防ぐことなどよりも、起業をもっと促進するほうが活性化する、という政策的な発想が根本にあります。チャレンジないところには果実もないわけなので、失敗をセーフティネットで救うことも大事ですし、安全な状態での保護も素晴らしいことなのですが、やはり大きな視点からすればどんどんチャレンジしやすい環境のほうがいいわけです。スポーツなんてどんどん世界に出て行きますが、ビジネスもその発想のほうが、倒産を防ぐためにいろんな保護をすることよりも別のほうがいいと感じるわけです。あと板倉さんからすれば、資金繰りがうまくいかず企業が立ち行かなくなっても、企業利害関係人からすれば残念としても資金が社会全体に回っているので経済成長があったといえるわけです、それには納得。
大きな失敗をしたからこそ、いろんなものが見えてくるわけなんでしょう。社長失格を読んで知っているからこそ、そんな気がします。