■ まんが人物伝 アラン・チューリング AIの礎を築いた天才数学者
アラン・チューリングは、コンピュータの父であり、人工知能の父でもある。
コンピュータの計算可能性を考える上で重要な概念であるチューリングマシン、そしてコンピュータが知性を持つかという問いから作り出されたチューリングテストなど、現代の人工知能の基礎を作り出した天才である。その才能と数奇な人生は、個が大切にされるようになったいまの時代背景の中で考えさせられるものがある。人工知能が人間の知性を超えようとする今だからこそ、この20世紀を代表する天才の人生を振り返っていただきたい。
角川まんが学習シリーズまんが人物伝のチョイスはいつも斬新で、ベースとなる西郷隆盛とか徳川家康、野口英世なんかはあるのですけど、天才数学者のアランチューリングをもってくるとはという感覚です。
エニグマと戦うアランですが、エニグマとは、第二次世界大戦でナチス・ドイツが用いたローター式暗号機のことで、今から80年前にこのようなことが行われていました。「ニイタカヤマノボレ」「トラトラトラ」だけでは全くないんです。
ちなみに。アラン・チューリングは小さいころは勉強も教育も学校生活もなかなか馴染めずで、変わった子とか変人扱いなんかされていたのですが、やはり秀でた部分もあったわけでそこから数学分野で一気に突出した結果を出していきます。将棋の羽生名人の若いころのような感覚で、寝ぐせとか風貌とかあまり興味関心ないとかなんかそんなイメージです。親になって子供の教育うんぬん思うと、子供に与えることやできることは本当に少なくて、機会を与えること、興味を抑制しないこと、自分の背中を見せること、くらいしかできないように思います。後は「名前をつけること」もあるのですが、自分の常識非常識を押し付けないことなんかも大事なことなのでしょうけど、アラン・チューリングさんご家庭もこの視点で見るとえらいなあとしか思えません。