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読書感想文

草下シンヤさんの「怒られの作法」

ドラッグや裏社会に関する作品が多い草下シンヤさんの「怒られの作法」。
ドラッグや裏社会の事情に精通し、アンダーグラウンドに関する内容が多いのですが、ビジネスではエリートとか優秀な人や政治が思うほど清廉にできていないので、汚い部分と卑怯な部分を見て絶望しそうになるのなら清い部分に行くべきですし絶望などは早めに見たほうがいいのでは、とも思うので、「怒られの作法」なんかはほんとにいろいろ納得することだらけです。

金融腐食列島などのようなハゲタカサギ的なものもあれば、ビジネスしてると小さな嘘や虚飾なども当然あって。
そういう意味では飲食店のバイトとかコンビニのバイトなんか程度でもいろんな学びを発見できたりするものです、昔ですけどダイエーの流通科学大学で学び小売でたたき上げた方の話を聞く機会があり、結構納得することがありました。それは「感情とビジネス帰結を分ける」というやつで今でも腑に落ちています。

なるほどと思ったのは、お店運営なんかで雨天時に、雨天とともにかさ立てを用意して「足元にお気をつけください」の張り紙をする話です。まあそれでも滑りやすいお客さんがいるということで。
雨なので滑りやすいのは当たり前というのは大前提としても、滑りやすい床で滑りそうになったという不快感を与えてしまったのは店側の責任なので、「(不快感を与えてしまい)申し訳ございません」と謝罪するけど、その隣に「滑りやすいのでお気を付けください」と張り紙をして注意喚起するから万が一滑った場合の骨折などに関して、きちんと店側としては注意喚起を行っているので責任回避になる、という話です。

ビジネスしている以上、相手に不快感を与えたり怒らせたりしていいことはありませんので、しっかり気持ちや感情に寄り添うことは大事、という部分と、じゃ損害賠償をするとか金銭での責任などの問題は全く別とわけること、というのがすごくしっくりきました。

となると、クレームやもめ事や炎上や人付き合いなどありとあらゆることに関して、自分ではなく相手が納得できないとか苛立った時点で「お詫び対象」と思考するのが正しい気がします。納得できない理由を最初から潰しておけばいいわけですし、天気が雨で苛立つ前には「もうてるてる坊主作ります!」とかで少ないながらもできることをするなど、何かしら回避策はあるのですから。

こういったものはビジネスの「慣れ」の部分にはなるのですけど、小さい頃からよく怒られてきた自覚あるものとしては、納得いくことばかりでした。以前に、いろんな仕事の事情の中で、サンドウィッチマンの伊達みきおさんそっくりの相手方のクレームや怒りをたっぷり2時間話するときがありましたが、今この本を読んでみると見事に「カタに嵌めて」処理してたなあとセオリーどおりに進めてたのでうまかったなと感じます。

詰める技術も大事、かわす技術も大事、怒られの作法も大事ですので。
継続ビジネスなら「感情を害してしまったことへの謝罪」はサービス業としても敏感になるのですが、トラブル時はこれが逆効果にもなるので難しいことも多いのです。

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自己紹介

趣味はマラソン、サッカー。よく走り、よく蹴り、よく学び、よく仕事し、よく経営する。

勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。人間の大切な徳。徳である限りこれを積むには不断の努力がいる。

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