火垂るの墓、といえばジブリですが、原作となった野坂昭如さんの小説もセットで。野坂さんは火垂るの墓で直木賞を受賞されています。ちょっと前に火垂るの墓記念碑が西宮にできたというニュースを見ましたが、よくよく考えたらこの火垂るの墓って1回しか見た記憶がないのですが、お母さんの描写のところが余りに強烈だったことと、8月15日くらいによく放映されているので何かちらちら見たような記憶があるものの。
■ 火垂るの墓 誕生の地 記念碑
野坂さんの談話など聞くと、これは実際に戦争中に野坂さんが妹を亡くしてしまい、その話を元にしたフィクションであるということです。最初に清太が亡くなる神戸三宮駅の柱、今はここにはセブンイレブンが建っていてもう柱は無いのですが、大人になって見方が変わってくるとただの回顧録でもなくて贖罪でもなくて何と言うか、ただただ辛い話です。
戦時中の話はどんどん遠い過去になりますが、アンパンマンのやなせたかし先生が戦時中はひもじくてひもじくてみんなを飢えないようなヒーローを描きたかったというのでアンパンマンが出てきた、という話を何かで読みましたが、この時代の食べ物に対する大変さは想像以上のものだったのだと思いますし、飢えやひもじさは兄弟の仲も裂いてしまうものです。そして節子は4歳だったのかということにも、悲しくなるものです。
今の時代に生まれていれば、日本でも戦争被害が少ないもっと田舎のほうに住んでいれば、病院が近くにあれば、お父さんやお母さんが亡くなってなければ、などなどは映画を見て本を読めば思うものです。今の時代はハードだというものの、節子や清太が死んだ時代に比べるとそれはそれはいい時代になったと心から思います。あと言えるのは、読み聞かせしようかなと思って絵本にしたのですが読み聞かせにはちょっと困難でした。