司馬遼太郎はもともと新聞記者だったそうですが、東大阪の司馬遼太郎博物館に行くと、そういったことも少しありました。
歴史や地理など詳しい司馬遼太郎ですが、今回の作品はその中の1つ。何で新聞記者だったのかというと、新聞会社からすれば新聞を買ってもらうためには通常の記事だけでなく他にも面白い記事が必要だったわけでその内容が新聞小説だったわけです。小説読みたさに新聞を買ってもらえるということになり、そこから新聞広告が派生して発展した、と聞いたことがあります。
その小説を司馬遼太郎は書いていたそうです。この本の中の近江商人のくだりがありますが、近江商人の有名な言葉に三方よしがあります。
買い手よし、売り手よし、世間よしの三方よしですが、その発想のとおり近江には今も昔も商人気質が存在しているとのこと。「商人の売利は士の俸禄に同じ。売利なくば士の禄無くてが事が如し。」と石田梅岩が商人道を説いていますが、正に商人もその道を大事であるという考えは、何か司馬遼太郎の記載部分にも共通するような気がします。
近江商人が発展した由来は世間に喜ばれたからでもあり、売利を用いてさらに世間に喜ばれることを行ったからこそ。
ご商売は世のため人のため。サッカー選手はサッカーを通じて人々に元気や喜びを伝えるのと同じように、商売にも道がある。そんな気がします。