新しいポプラ社さんの野口英世、まんがでわかる伝記シリーズです。
野口英世は1歳のときに、ゆりかごからいろりに誤って落ちてしまい手を大やけどしてしまいます。野口家は貧しく手術をするお金もないのでやけどしてしまった手はくっついてしまい、左手が使えなくなってしまったのですが、野口少年は勉強をしてみんなを見返してやろうと努力を重ねます。
小学校を卒業すると優秀な野口少年を見込んだ教頭の小林が、費用を出すので高等学校に進学したらどうかと勧めてくれて、野口少年は12キロ離れた猪苗代高等小学校に通い続けます。
小さいころから手が不自由なため「てんぼう、てんぼう」とからかわれた野口少年ですが、ひたむきに勉強に打ち込む姿を見て手の手術代金を学校の先生や生徒がカンパしてくれ、無事手術が成功します。この手術をきっかけに医者の道を志ざし、夢を叶えていきます。
千円札になってくらいなのでぼんやりは野口英世を知っていても、こと詳しくは知らないのが普通ですし、手に火傷あったくらい知っててもその手術代金をみんなからカンパしてもらったことはさすがに知りませんでした。みんなが助けてくれる、それだけで野口少年の真摯さやひたむきさがわかりますし、そこから医者に感動し自分もそのような医者になりたいと思い道を進んだこと、これは天の道だったのだと思います。
医者になったから立派なんかで全くなくて、同じ境遇や同じ状況の人へのエールになっていて、手が不自由でも大志を抱くことは可能なんです。
偉大な人物の伝記は小学生向きくらいの漫画で読むと、すごく話も入ってきますし、親の立場から読み解くこともできるので面白いです。野口シカさん、おかあさんも立派です。