■ フラジャイル 病理医岸京一郎の所見
岸京一郎、職業・病理医。 彼は直接患者と会うことなく、病気の原因を調べ診断を下す医者、その医者は極めて優秀な変人である。
岸京一郎、職業・病理医。 癌患者にとって自身の命を託すことになるその男は、患者と顔を合わすことなく精確な診断を下していく。 ──直接会わずに済むことは、患者にとって福音である。
フラジャイル20巻までクレアネットにはそろっています。医師の世界にもいろんな職業があるのですが、「病理医」というのはなかなか聞くことがありません。その病理医を背景とする漫画です。
医療とは関係なく異なるのですが、今いるこの業界で言えば人材でいうと実に優秀なのに後輩の育成やチームプレー、顧客対応などがなかなかうまくいかない、という人材がいます。エンジニア、デザイン、リサーチ、そういった職種の方々にお会いすることもあるのですけれども、医療でいえば最後は患者のためになるのかという視点があって、この部分は共通した最も大事な部分なのでまた異なるのかと感じます。
お医者さんといえば患者さんに人当たりがよくて優しく接してくれるお医者さんはいいお医者さんとも思うのですが、治療がうまく進まない場合や治療自体が困難な場合には治療そのものではなく、緩和するケアを行うほうがいいという判断ももちろんあります。患者に立ち向かうこととはその患者にとってそれぞれ実に深いわけで、そんな視点というのはなかなか経験がないと気付かないはずです。商売人の子は商売人のように、サラリーマン家庭で育てばサラリーマンのような発想になるように、最初の感覚が抜け切らないのが普通です。
優秀なのにチームプレーがうまくいかないという人材もまさにこれで、この本質的な部分を変えるのは実に困難で少なくとも新卒でも3年から5年はかかるだろうし、永遠に変わらない場合もあります経験上。
主人公の岸京一郎が魅力なのは、摩擦を気にせず患者のために行動するのですが、組織意思決定プロセスを理解し組織改善に向かい結果として患者のためになるから、と思います。もちろん漫画ですけど。