「持たない」ビジネス 儲けのカラクリ
ですが著書の金子さん最近亡くなったことを知りました。値切り方交渉などテレビでやっていたのを見て、ほんとうまいなと関心したとともに、店員さんや相手も納得してしまうような話の口調なので嫌味もないところが凄さだったのですが、改めてこの本を読むとその軽快な話の裏にはいろんな事情をしっかり知った上での話ができる土台を感じました。
ただ単に「まけてください」ではなく、その背景などをしっかり知った上での会話は納得点や妥協点も見出しやすくなります。持たないビジネスの本質はビルや人などの資産や固定費を削減していく部分が本質の考え方ですが、究極的にはノウハウと現金以外は保有しない考え方であって、身軽な企業へのシフトチェンジが望ましい、といっているわけです。ユニクロのような製造小売業も、自社で製造工場を抱えるのではなく、綿密な指示のもと工場を自社で保有しないと変化に対応できることからその分ロス率が下がっていきます。ロスしないことができれば、ひいてはその結果コストダウンに返すことができるわけで、9800円のジーパンが1980円で販売できるような仕組みが完成するわけです。
また受託生産を行う工場の場合、その受託数を増加させれば一定の知識と経験、及び信頼を得れます。世界最大のEMS(電子機器受託生産サービス)・鴻海精密工業ガシャープと提携したというのも、この持たざる経営を企業が行った結果必要不可欠な存在になりえたから、というもの。また事例に東横インがありましが、30年間借り上げを行い安定収益を確保する仕組みを記載してました。そう考えていくと、製造よりも販売や収益を上げる仕組みつくりに注力を注ぐことがこの時代の変化の中では必須になるわけです。鴻海になるか、東横インになるか、ユニクロになるか、ですが、webサービスの場合にはwebのメンテナンス自体が製造ではあるものの販促の面を備えています。
だからこそ1つのバナーの文言にこだわる部分も必要ですし、それは「モノヅクリ」という抽象的な言葉でなく、「売れないから。クリックしてくれないから。アクセス伸びないから」というユーザーより発想で考えることができるわけであり、しっかり作らないとあかんよ、ということです。