案件を継いでも案件を築いてきた汗を継ぐのは難しい。
長い年月をかけて取引先との関係を築き、 お互いの成功を収めてきた人の悩みです。 それはこの関係自体を引き継ぐことに比べると、これまでの努力や苦労や経験を次に引き継ぐことの困難さです。 大切な顧客と顧客との関係が、次にもきちんと受け継がれるためにも、この苦労をどう伝えるべきか悩みます。 初めてのアポイントから取引開始、紆余曲折ある中での関係性構築、ゼロから作る難しさよりも今あるものを引き継ぐ容易さと その容易さが当たり前感覚になってしまうことは、いわゆる「苦労知らずのぼんぼん」の世界になります。 相手が社長だとなお一層難しいからこそそのレベルまで来れたときには違う世界が待っています。
弁護士先生や税理士先生などと同じように業者という立ち位置から知識や知恵を使ってコンサルティングを行うような立ち居地になればなるほど、この引継ぎは難しくなっていきます。大前提の知識を受け継ぐといっても過去の経験は共有できてないわけなのでこのあたりの感覚はどうやっても難しいものなんです。さらに、その案件や仕事を「業務処理する」作業化すればするほど顧客の意図や意思から乖離しますので、渡すほうが大変で渡せない事情も生まれたりするのはこういうわけです。
「忙しい人に仕事を頼め」と言われるように忙しい人に頼むと早いし正確なのも事実ということと、引き継ぐ側の資質によっては汗をかいていないので苦労を引き継いでいない分想いの共有や仕事の質などの「見えない部分」でのやりとりが困難になりますので、引き継ぐほうは現状の1.5倍の力をかけて慎重にしないといけない、のが経験則だったりします。何より顧客が色眼鏡で「大丈夫かいな?」「バッター交代依頼かけたほうがいいかな?」「前の担当者に苦情言ったほうがいいかな」など考えているのが当たり前なので。
『案件を継いでも案件を築いてきた汗を継ぐのは難しい』すごくしっくり来る言葉、引き継ぐ側も渡す側も引き継がれる側もいろんな立場を経験してるので思います。