野村監督の論語と関連させた本ですが、ふといつも野村監督の生い立ちを見ると、ほんとに今とは違う環境や時代だったことに気付きます。
野村監督はもともと京都の田舎の高校を出た後、何とかしてプロの世界に入りたいということでほとんど2軍以下の待遇でプロ野球の世界に入りました。
しがみつきながら何とか2軍の世界で生き残ることができ、そこから1軍の世界にのし上がり、そしてホームラン・打率・打点の3つのタイトルを取った3冠王になった人です。
他の人とは能力も劣ることを最初から知っていたので、何とかして他のことでカバーをしようと工夫や改善を続けることで、打てなかったピッチャーを打てるようになり、弱かったチームを強く作り上げました。その後は監督業を行って成果を出すのですが、一度プロ野球の解説者の仕事をされます。ここでも話ができない自分に気付き、何とか言葉をうまく使えるようになりたいことから必死に学びました。その甲斐あって、監督業を努めることになったさいに、わかりやすく表現を加えて選手に伝える能力がついたそうです。
プロ野球という世界、解説者という世界、そして監督業、という違う世界で成功されているのは日々改善を加えながら現状を見つめつつ足りないことを常に認識して、一歩一歩進む絶え間ない努力の賜物だと感じます。
野球がすきだから、という理由でなくても読む価値はとてもありました。もちろん野球も好きなのですが。