iPS細胞の山中教授の本が出ていて、その隣には稲盛さん、これは!と購入したのですが、山中教授は京都マラソンで走っているのを目撃しミーハー根性で握手していただき、快く笑顔もらって以来何か応援してます、人間そんなものです。
iPS細胞の山中教授ですが、教授のお父さんは中小企業を経営し工場でミシンの部品製造の仕事をしていたそうで、病気になり長い闘病生活を行っていたとのこと。また、挫折の話では、形成外科医として仕事ができず上司にやまなかでなくて「ジャマナカ」と呼ばれたとのこと、さらに米国留学から帰ってネズミの面倒を見る日々となったことなど大きな挫折の話が書かれていました。
全然エリートではない教授。その後の活躍は知っての通りですが、興味深いのは山中教授が臨床で「目の前の人の生命を救う」ことも大事だけど、その部分ではなく基礎医学分野の重要性を感じたとのこと。基礎医学の分野で研究を重ねても「目の前の人の生命」が救えるのかはだいぶ先にならないとわからない中、研究を続けた話がありましたが、成功するのか失敗するのかわからないなか走ることは正直ラクなものではありません。
失敗は成功の母、などもっともな格言だけでは納得できません、そこには何としてもやり遂げる強い医師だったり純粋な興味だったり。「一体、何のためにこんなに苦しい思いをしなければならないんだ!?」なんてことも感じる時があるかもしれないのですが、そういったことも今の形の結果。『賢く生きるより辛抱強いバカになれ』、素晴らしい本です。