疑惑の総合商社と聞けば鈴木宗男さんと辻元清美議員のやりとりですね。
名言として残したい名言、疑惑の総合商社、総合商社と聞くと大きな事業に取り組み幅広く活躍する素晴らしいニュアンスを感じさせないのがこの修飾語の「疑惑の」。そんな言葉に何となく似ている「幸福の商社、不幸のデパート」。
水野さんのビジネスの回顧録で3億の借金をつくり会社経営を引退せざるを得なかった話。読み終わると悲しい度合いが普通の本と違います、共感しか出てきません。経営などでの悩みや事業が異なれども「ヒト・モノ・カネ」などに集約されてきたりしますし、ビジョンやミッション、マネジメントに組織など複雑化してきますが、経営を始める際には誰もが経験を持っておらず、
「ちょっとそこの山にハイキング行くつもりの軽装で出発したのに、実はビジネスはエベレスト登山試みるヒトとの競争で山登りしている」
ような状態に気付いたりします。また
「運転免許もないのに、F1の舞台でクルマ運転するくらいの緊張感持たないと事故って一瞬に命落とす」
ひやひや感もあります。免許なくクルマ運転する人いませんが、勉強も経験もないのに取り掛かってしまって大失敗をしてしまうこともあります。経営の失敗の本はそれほど多くないからこそわかります。わかっても結局そのときになると失敗するのもわかるのですが、その意味で深い本でした。