新日本製鉄会長の永野さんの1982年の著書、今から30年前の本です。
最近少しだけ古い本を読みますが、普遍的な部分が今の価値観を大きく変わっているのかと思いきやほぼ変化がありません。読む中で学歴社会の問題だったり、フランクな世の中になればなるほど古きよき日本の道徳心であったり家族の愛情だったりなどの正に「民法出でて忠孝滅ぶ」のようなことが書いてあったのですごく共感しました。
(民法は平等観念のフランス型の内容なので、その民法をそのまま取り入れたら忠孝が亡くなってしまう、と言う考え)
竜馬がゆく の徳川幕府の終わりの頃や、明治時代などの司馬良太郎さんの世界をみると納得することやルーツを感じますが、もう少し最近の話を読むとこれもすごく納得をするわけで。永野さんは戦争の時代を生き抜いたあと、何もない昭和時代から高度経済成長期を作り上げて進んできたわけです。あの頃と比べると今の時代など何もかもがありすぎて恵まれているとしか感じません、歴史の教科書でしかみたことのない闇市や規制の範疇にない取引など整備がないときにいろんな生きる術を作り出して今の日本があるわけで。
そんな意味で、昭和な人間な分1982年には生きていた時代ということで、いろんなことが納得して共感できます。
新書も好きですが、少しだけ昔の本を読むとこれも面白い。