作業者の感覚とか仕事の生業的なことからすると、フルスクラッチなんかの話になってもまあまあいろんなものを拝借してたりもするわけですし、フルカスタマイズ言っても結局はフルスクラッチになってないようなことも多々あったりします。ワードプレスみたいなもの、なんて話を聞くとワードプレス自体自分は触って15年にもなりますが、20年近くも生き残って歴史あるものになっている以上、同等品を完成させるとか言うと20年かかるんですほんとに。
さらにオープンソースでプラグイン開発者もたくさんいて、みたいなものなので20年経ってもできないでしょう、と考えるのが正しくて、今のサイトシェアの40%にも到達しているのがワードプレスなので合えてスクラッチ開発したとしても、能力意欲うんぬん思考してもまあ難しそうな感じはします。別にWordPress絶賛したいわけでなくて、中にいる作業者でもありながら物事をしっかり客観視するのは実に大事だし、別の業界や分野でも同じようなことが多々あることなので素人風情がなんか「こんな風にしたほうがいいくない?」というのはほぼ生兵法は怪我の元なので素人発想でうまくいくほど甘くないと思っています。
長年仕事していてよかったと思うのは、「そんなもの誰も使わないし流行らないだろうなあ」と感じたり思ったものは、だいたいそのとおりで爆発的ヒットになってないですし、使ってないわけでもないけどそれほど認知度高くないのでまあ微妙なんかな程度だったりしまして、このへんユーザー感覚でいろいろすると感覚値が研ぎ澄まされているのであたったりします。ちなみに家族アプリ「みてね」は流行るだろうなという触った感じのやりやすさと、創業者の笠原さんが押しで開発して使っているというエピソードからも、やっぱり数字が出てきてます。
ソニーのウォークマンも盛田さんが飛行機で行き来中に使えるもの作らんかい!と自分使いたい用のものを作らせたと聞きますので、プロダクトはまず『隗より始めよ』だと思います。
そういう意味で、自分は使わないのにサービスを提供してる企業なんかはまあすげえぜ、とかいつも感心しています。麻雀嫌いなのに新しい全自動卓を開発するとか、ハンバーグ嫌いの店長が営む洋食屋さんとか、けどそれでも流行っていたりするので必ずというものでもないのですが。
ふと出てきた田辺高校甲子園出場新聞、76年ぶりなのですけど、これくらいかけてもなおうまくいかないという事柄は多々あります。フルスクラッチなんかもそう。