■ 稲盛和夫 最後の闘い―JAL再生にかけた経営者人生
ちょっと久しぶりに稲盛さんの書籍を読みました、が、やっぱり文章も考えも経営もしっくり来ます。
くすっと思ってしまったのが、
「粗々で50億です」と説明すれば(稲盛さんが)「粗々ってなんや」。
「ざっくり8割というところです」といえば「ざっくりではダメや」。
ざっくりなど修辞的な言葉は使われますが、いざ数字になるとダメです。
あと、あるとき業績報告会で役員がこんな修辞を使った。
「数字が暴れるのです」すると稲盛は烈火のごとく怒った。「暴れる数字などない」
なぜ収入が減ったのか、なぜ費用が増えたのか、数字には全て理由があるはずだ。その理由がわかれば次の手が打てる、だが天気や景気にした説明だと対策の立てようがない、それでは経営にならない。
ほかにも、2010年に会長になった稲盛はまず空港や営業所などの現場を回り、その後全子会社の社長約100人と面談した。1人1時間の延べ100時間超、週末もぶっ通しで朝9時から夕方6時まで2週間、ろくに昼食も取らずに話を聞いた。
このあたりが稲盛さんの凄さなのですが、後編のほうに出てくる稲盛さんとともにJALに来たのは森田さん、大田さん、米山さんという点もまたちょっとびっくりです。それだけ力を持った方ということもできますし、何かを変える際にはそれほど多く人が必要ではない、というのも感じます。とにかく、数字が暴れる、には盛和塾学んだ身からすればそれは激怒されます、言えません。