ナイチンゲール、誰もが知っているクリミアの天使。
漫画で読むと、ナイチンゲールは戦場で受けた病気の影響もあって最前線現場で活躍できたのは数年しかなく、病室やベッドの上で指示を出したり文書を作成したりのほうがずっと長かった話です。
統計学で有名なナイチンゲール、の話は前に書きました。
衛生状態が悪く戦争で死者が出たことを強く悔いたナイチンゲールは、衛生面の向上に徹底的に取り組んだそうでそこで分析したのが数字や統計の話です。実際に戦闘で傷つくよりもそこからの破傷風や病気などで命を落とす人が多かったことが後にわかり、そのデータや数字分析に取り組んだそうです。
「命を奪われた男たちの前に立って思う。生きている限り、彼らを死に追いやった相手と戦い続けると。」彼女の言葉にあります。
病院や看護師にとってナイチンゲールの功績は計り知れないのですが、ふとぴんと来た言葉はこの2つです。
「経験をもたらすのは観察だけなのである。」
「看護師のもっとも重要な実践的レッスンは、何を観察するかを教えることです。」
同じ事象や同じ数字を見た際にも何を得ることができるか、できたのかは観察や思考によって異なります。観察は何を見るかですが見た事象そのものをいかに判断材料として裁き行動の指針にするのかや、秩序の1つにするのかなどは観察と思考によって得た経験からでしかありません。そういった意味で当たり前ですが、現場に行くとそういった定性的な事象が数多く存在しているのでわかるのです。
取引先さんに行った時に、ふと、デスクに置かれている「職場の教養」を見た瞬間にいろんなものがつながってくるなんかもそうです。余談ですが職場の教養は倫理法人会でもらえる朝礼用の冊子です、朝礼で読み合わせを行う会社は多くありますし違和感を感じる若い人もいますが、職場の教養なんかでいわばフィルタかけているのでこれはこれでOKだと思ったりします。盛和塾の稲盛塾長くらいに京セラさんで行っていた運動会や野球、車座になって鍋をつつくなどはうちではできてませんが、理念唱和しなくても一定の目指すビジョンや理念はありますのでそのへんは優位性になっていると思っています。
ナイチンゲールは衛生環境の改善を訴えて、多くの統計資料を作成し、改革を目的とした各種委員会に提出、実行に貢献したのですが、私の作るパワポのデータ資料なんかもあったらしく、データを元に理論付けて説得し目的達成で行政を動かした力は凄まじいと思います、もちろんプレゼン力もあったはず。とにかく超人的な仕事ぶりであって有能な方、だったナイチンゲール。いい本です。