[盛和塾] 機関紙マラソン 123号
塾長講話[第118 回]
利益というものは、求めて得られるものではないとも考えています。
私どもの会社のコンセプトとして、価格が市場のメカニズムで決まるのに対して、
我々はコンペティティブなプライ ス、つまり他社よりも若干安い値段で売ります。
その値段でいかに安くつくるかということについては、技術屋が全力を挙げて取り組みます。
結局、どのような具合に値段を決めていくか、ということは、トップの哲学、すなわち人柄にるのです。
それぞれの相手から、「値段を安くしてくれ。品質はさらに上げろ」と言われるし、忙しいときは夜中にでも「製品をすぐに「持ってこい」と言われます。
私が言う徹底的な奉仕をするとなると、夜中に従業員がいない場合、社長自ら車やバイクに乗って、製品を納めに走らなければならないわけです。
複数の相手 が同時にいると、体がいくらあっても足りなくなってきますが、私はそれをうまく処理する能力が必要なのではないかと思います。
商いの極意というのは、このお客様に尊敬さ 「れることだろうと私は思います。尊敬されれば、値段がいくらかという問題ではなく、
「あなた 一の会社からしか買わない」と言ってもらえるわけです。
【気付き】
相手のサーバントになれ、という言葉も別の号で読んだことがあります。
経営者の姿勢としてはやはりこのような姿勢でないと信頼や信用は得れません。
実際の仕事でも、品質は当然なのですが、予算とスケジュールありきで物事が動く場合もあり、
そのときこそ「技術屋の勝負」だと考え方を変えて「何としてでも納期内に予算赤字にならない
ように」発想が生まれます。
無駄を省き、無理を行わず、綿密な管理と計算のもと進捗管理を徹底しつつ、
円滑迅速に業務を行う術、さらに要望の変化に備えて多少の弾力性を備えると言う発想は、
技術屋なら可能ですし塾長の発想にはとても納得です。
発足時メンバーによる座談会
ボロクソに叱っておられるけれども、社員は大切にして引っ張っていかなければならないと教えていただき ました。
【気付き】
昔のメンバー皆様での振り返りですが、大事なのはやはり愛情。
個人のためにもあるけど、塾長などは経営者なのでそうなると、従業員、取引先、株主、などの利害関係者が
多数いる中で行動と判断を行わないといけない状況は、やはり真剣なので叱るし怒るのは当たり前。
われ虚心に経営を語る 日南本 一成〈山口〉
三田尻化学工業株式会社
自分の事業が大きく発展していきます。しかし、それは時代の流れによって急変していきます。
急変はしなくても、大きく変化をしていく可能性があります。
ですから、経営を安定 させるためには、どうしても多角化が必要になってくるわけです。
しかし、その多角化は闇雲にやってはなりません。自分の得手なる方向へと手を打っていかなければならないのです。
【気付き】
リーダーの大事なことは、盛和塾大阪の経営委員会でも言ってましたが、
「今重要なこと、将来の事業のタネ」
をみつけること、です。
例えば司法書士業界なら、相続時に登記は義務化されたの今後の需要が増える、
など将来の先を発見することで、これはリーダーにしかできない、ここを得意なほうに
どんどん進めないといけないのです。
菅沼 佳一郎〈東京〉株式会社三和デンタル
二十人や三十人の社員くらい、惚れさせんかい
塾長はそのとき、「惚れられるには、命をして社員の人生を
預かる覚悟を持たんかい」と おっしゃいました。
【気付き】
従業員にほれてもらう話で。
クレアネットではインターン生や実習生など、WEBなどの学校から
短期間だけ社会科勉強として実習生受け入れを行ってます。
一緒にご飯食べたり作品作ったり、時には就職話もしますし
仕事もお願いしたりしますがこのときに
「お仕事ありがとうございます」
という子がときどきいます。お仕事=信頼・信用 お仕事=お金
というのがわかっていて、バイト経験が長かったり、ランサーズなんかで
ちょっと仕事してたり、ご家庭が商売されている子が多いです。
こういう子には経営などのことも少し話しますが、
従業員なら経営者を敬う、仕事ならお客さんに惚れて、サービスに惚れて
「これはいいものだ、だからユーザーに届けたい」
気持ちがないとまずいいものは作れない、と言う趣旨の話をすると
すごく納得してくれます。 そんな子が今うちで仕事してますが、
これは全部繋がっているなと。
大串哲史〈千葉〉株式会社オオクシ 代表取締役社長
「うちの計算ですと、総再来店率が八五%あればそれほど売上は下がりません。
実現できれば、横ばいか右肩上がりしかないと いうことになります
平成二十五年六月末時点で会社平均の総来店数は八三・五%、一番高い店舗は九五・五%、
「この総再来店率を高めるのは、お客様が何を望んでいるのかしっかり捉えて、
望んでいる以上のことをすればいいということで、これも塾長の教えから学んだことです。
【気付き】
売上よりもリピータ。
顧客数。
価値の図り方はより理念に即して。
JALトップインタビュー「思い」がJALを変えていった
大西賢 日本航空株式会社 代表取締役会長
植木義晴 日本航空株式会社 代表取締役社長
「なるべく自分の手の内は明かさず、いい条件を勝ち取ってきます」ということを話しました。
そうしましたら雷の如く叱られて、「おまえたちは共同事業をしようと思っているんだろ。だったら腹の内を全部さらしてこい。
最初にそれをや らなくて共同事業など決してできない。お互いの信頼関係を大事にしないのであれば、提携などやめてしまえ」
と言われたのです。
そのときに名誉会長からは「企業理念というのは永久不滅のものだ。
だが、あなたは、ほとぼりが冷めたら全社員の物心両面の幸福を一番先にもってこようと思っているのだろう」と言われたのです、
まさしくその通りでした。
トータル で七百五十七億円を超えることも不安だった時期に「四桁出る」と言われたのです。
ですが、 実際には五月から黒字になり、最終的に 二一年度は二千四十九億円という史上最高益を出すことになったのです。
「それで、「なぜあの時点でそんなことが言え たのですか」と聞いたことがあります。
そうしましたら、ニコッと笑って「勘や」とおっしゃったのです。
また、よく「名誉会長が来られて1年でこの
「名誉会長は 会社と社員の何がいちばん変わりましたか」と聞かれます。一言で答えるならば、
「採算意識が高まった」と言えばわかりやすいと思います。
【気付き】
経営者として塾長のすごさが多々出てきます。
特にいろんな数字を勘で見極めれるのは経験だけではなく、本当に総合的な考慮から
出てくるものだと思うので、この推測を研ぎ澄ますことが経営者として必要なこと
だと思います。
少し話は関係ないのですが、バイトの学生やとある飲食店の厨房で不適切な行動をしていた
動画などが上がって問題になってましたが、あのとき依頼近くの飲食店では学生だけの
シフトがなくなってます。おばあちゃんくらいの人と学生がバイトを組むようになっていて
策を練ってるんだなと本当に感心しました。
自分の学生のころ、からしても、ちょっとした悪ふざけはあるのと、あんなことする
学生の友達、いるのがわかるので、シフトチェンジの対応は早い対応。
きっとこういった例や感覚は塾長枚挙がないんだろうとか、なんか感じました。