漫画をこよなく愛する者として、重版出来12巻出てました。今回もなかなか深い。
主人公は漫画の編集者の立場なので、漫画というクリエイティブを生み出す側ではないのですが、どういった漫画が今流行っているのか伸びているのかなどは編集者の力だったりします。有名な話ですが、博多明太子がアメリカで全然流行らなくて悩んだ末にネーミングを「スパイシーキャビア」と言って売り始めると売れたという話、これは編集側や企画などの骨身に染みないといけない事例だと思ってまして、たったそれだけかもしれませんがたったそれだけが難しいものだったりするんです。
後から言うのは誰でもできますが、当事者になって考えるのは結構きついです。さらに漫画家さんのような方なら自分の喜怒哀楽や経験がないと深い感情や心理描写に持っていくことは不可能です本当に。今はだいぶ経験したのでわかるんですが、梶井基次郎さんの檸檬が国語の教科書載っていた時に、思春期の何か将来への不安や悶々とした感情などあまりなかったのでこの心理描写が読み解けず、作者の本意や意図を理解しずらいものでしたので、感情や心理は推察を経験は本当に必要だったりします。それこそ失敗もそう、成功もそう、友人もそう、猪突猛進だと曖昧な表現理解には時間がかかるものです。40年生きると多少なりとも相互の立場理解はできるようになってきたのですが。
今のクレアネットの仕事は結構翻訳の仕事に似ていると感じていて、顧客の思いや事業や商品や製品などの想いを人に伝わりやすくする媒介の役目があって、ここが翻訳家と似ているような気がするわけです。
There’s Something About Mary = メリーに首ったけ と、キャメロン・ディアスさんの映画をこの邦題に訳せるような力量、いつもそんなこと思ってるので今回の「重版出来12巻」も出色です。
私の高校生レベル英語による、メリーについてなんかある、ではだめなんです。