[盛和塾] 機関紙マラソン 25号
経営体験発表 最優秀賞 大畑 憲氏
昭和六十二年に法律改正があって、自動車のフロントガラスは、割れても粉々にならない安全性の高い合わせガラスの使用が義務付けられたことから、単価も上がりました。いわば、何でもないガラス屋が時流に乗って伸びたのです。
じっくり考えると、次のような問題点が浮かびました。
③各営業所別に損益計算のできる管理会計システムになっていない
④社内におけるさまざまな基本の統一がシステム化されていない
⑤人材育成が不十分
【気付き】
時流に乗ることは大事。特に盛和塾でも理由あって倒産している企業がこの機関誌を読んでいてあるということは、先手先手で経営の手を打てていないのではないか、と思います。
顧客の変化、顧客のニーズを汲み取り、そのニーズに即したサービスや商品を改良する能力や気付きがあれば結果が異なるかもしれません。そして、その変化に対し行動できるのは経営者だけ。
経営体験発表 優秀賞 八頭司正典氏
私は、数字に強いか、人を使えるかの二点を見ます。新しく社員として入ってきた者が、ある程度間違いないと思ったらその二点に加えて、熱心さを見ます。「先月の売り上げはいくらだった?」と聞いて、ちゃんと答えられたら合格です。
【気付き】
数字と人に強いことは実に大事。
人に関して強弱というのは、言葉にしずらいのですが最近はようやく馴染んできました。
前に阪神に入団した糸井が出てて、オリックス時代にキャプテンになったときに
「キャプテンマークの重みはいかがですか?」と聞かれ
「メッシュなんで軽いです!」という上を行く回答してましたが、選手としては実に活躍してもマネージメントや上司となると決して違う、そんな人の強さや弱さを気付いてきました。
特別講演 伊藤 謙介氏
「思いというのはエネルギーだ。自分はいまこうやってしゃべっているが、そのぶんエネルギーが転移している。聞いている君たちの顔が赤くなっていくのは、自分のエネルギーが君たちに転移しているからだ」という”エネルギー転移論”を、そのころから申しておりました。
”言霊”という言葉がありますが、稲盛は若いころから我々を集めては「言葉には魂がある」といい、「自分が君たちに話すのは、魂を伝えるんだ」ということをずっと言っていました。そして「自分の思いを、白黒で描いているようでは話にならない。天然色で描けるようになれば、八割方は成功しているはずだ」と言いながら、我々が本当に分かるまで話すということが、たびたびありました。
フィロソフィの体言化、肉体化を図るためです。例えば「車を運転するとき、アクセルを踏もうか、ブレーキを踏もうかなどと考えている者はいない。身体が無意識のうちに反応しているのだ」というようなことを稲盛はよく言っていました。
女性五人のグループが、航空便で送っている荷物を、船便にすれば運賃はうんと安くなるというようなことをテーマにして検討しました。製造部門に対する働きかけ、お得意様への根回しなど、ずいぶん苦労はあったようですが、半年くらいの間に四割ほど船便に替えました。この結果、月に七百万円ほどに運賃削減が達成されたということです。
「心の中に佐渡島をつくろう」と言っています。佐渡島はかつて、流刑地とされた絶海の孤島でした。しかし、佐渡に流された世阿弥はそこで能楽を大成しています。逃げ場のないところに追い込まれたことが、内面の進化をもたらせたのです。
私は、そういう逃げ場のない世界を、リーダーが心の中に持つべきではないかと思います。それは精神的にたいへん苦しい作業ですが、自分自身を断崖絶壁に追い込み、課題をクリアすることで自分自身も成長しながらひとつの進化が生まれると考えるのです。
【気付き】
伊藤さんの言葉は実に重いです。
「心の中に佐渡島をつくろう」はこれは引用します。リーダーやトップは実にこの孤独から逃げられないので内面昇華にはこれが必須です。
言葉に魂がある、1つ1つの想いが入らないといけない。
これは実に大事、伊藤さんの言葉自体が何度読んでもふっと腑に落ちる言葉だらけです。
経営体験発表 敢闘賞 内川 淳一郎氏
塾長は「男性だけうまくいっているのなら、女性はいらんな」
私の年齢のときの塾長の考えを知りたいとおもて、「塾長のおっしゃる利他の心は、三十五歳のころにはどのくらいの比率ですか」と聞くと、「そうやな、利他六十、利己四十かな」
濃密に稲盛塾長の教えを知ったということは、私の経営に大きな開眼を与えてくれるものだと思っています。
【気付き】
塾長が39歳(私の年齢)のときに何をしていたのか、の視点は大事で、ぼくも
「この場合に塾長ならどうするのだろうか」など考えます。
そうすると必然的に正しい方向の解答がなんとなくですが見えてきます。実行と結果になるとまだですが、塾長ならこのようにするのではないか、ということを意識しながら仕事に取り組みます。
経営体験発表 敢闘賞 高杉 弘美氏
私が考えるところの「夢とビジネスを両立させる」ためには、まだまだ真剣な努力が必要でした。計算管理については、出金は使い道の分かる出し方に改め、毎日の売り上げが一目でわかるように棚卸を確実に行い、成績を現場と共有できるように変更しました。
【気付き】
片手にそろばん、片手に論語、と言われます。
夢も大事、お金も大事、ただ絶対に大事なのは夢です。
夢を持ってビジョンを作りながらも、現場の数字は見落とさない、そんな組織を作らないといけない。
経営体験発表 敢闘賞 田島 治子氏
夜中の十二時ころに貼っていて、警察に呼び止められたこともあります。
電話帳にも「1141(いちばんよい)」という番号を集めて、掲載しました。
最高五十個までの段ボール箱を提供するようにしたのも、私どもが最初です。また、引っ越し後にアンケート葉書を出し、二回目、三回目の受注につながるような地道な努力も続けております。
経営者としての使命にめざめ、志を立てたあとは、何をどうすべきなのか。稲盛はこれに答えて言う。「いまある仕事を天職と思いなさい。そして、自分の生業を通して、誰にも負けない努力をするよう、心掛けなさい。そこから道が拓けます」
【気付き】
自分の道を愚直に取り組む。
志を立てればそのあとは天職と考えて取り組む、一所懸命すれば自然と道が開けると思います。最初は弁護士になりたいと思っていたわたくしなので、この言葉はすごくしっくりきます。
どんな仕事も誰かの役に立ち喜ばれるものです。