[盛和塾] 機関紙マラソン 64号
公明正大に利益を追求する
自由市場において、競争の結果で決まる価格は正しい利益です。厳しい価格競争のなかで合理化を進め、付加価値を高めていく努力が利益の増加を生むのです。
塾長講話[第56回]■ 美しい決算書」京セラの決算書にみる会計のあり方
経営者は必要に応じて使えるお金、すなわち自己資金を十分にもてるようにしなければならないのである。そのためには、内部留保を厚くする以外に方法はない。
売上高が急激に増えていっても、固定費は大きく増えない、主に変動費だけが増加するという筋肉質の体質を、京セラが作っているからです。塾長のおっしゃっている筋肉質経営の実践、アメーバ経営の実践の結果だと思います。
保守的に、保守的にと会計処理されたとみられる資産サイド。将来発生するであろう債務や引当金を、可能な限り織り込んだとみられる負債サイド。これは会計方針の選択からわかります。
たとえば、棚卸資産の評価方法として売価還元法を採用していること、固定資産の耐用年数として自主的耐用年数を採用していること、そのほか税効果会計の注記などからも、感じ取れます。
保守的、健全な会計処理をし続けたうえで、利益を積み重ねて、自己資金比率八三.〇%という高い数字を揚げていることです。
【気付き】
筋肉質の経営実践を長年にわたり、また数千億円、1兆円を超える会社になっても継続するのは本当に理念が浸透してるんだろうと思います。
アメーバ経営は各アメーバがそれぞれに採算を作るのですが、アメーバ長やその部下までも含め全ての人が行動しないとできない、その組織を率いる力強さをいましみじみ感じます。
「重荷が人を作る。身軽足軽じゃ人は出来ぬ」
と徳川家康が言った言葉ですが、クレアネットも組織が成長し人の採用を行い、顧客が増加し関わる人が増えてきています。正に「重荷が人を作る」が染みます、そして塾長のように数千億円の重荷、まだまだです。
「美しい決算書」をもった企業をつくる
京セラの四十五年間の生真面目な経営姿勢が凝縮させている貸借対照法、損益計算書を美しいと褒められていただいた経験のある人は皆無だと思います。
京セラは、高収益企業で健全な財務体質を誇る会社だと言う人はいましたが、「美しい」という表現をした人は、今までひとりもいませんでした。
永津さんは、美しい決算書だと感じた理由に「投資損失引当金」と「返品損失引当金」を計上していることをあげられました。
今後起こるかもしれないリスクにまで配慮して引当金を計上しているのをみて、永津さんは大変健全な決算書だと思われたわけです。
【気付き】
美しい決算書、というのは新しい言葉です。
決算に仕事や想いや行動や結果が詰まっているわけですが、その表現として美しい決算書と表現する言葉はいいです。美しい決算、中期経営計画、組織図、ついでにサイトやアプリや管理画面など、本当に考えられた素晴らしいものはたくさんあります。
決算書の見せ方創り方はいろいろあるのですが、保守的に数字を作り、また引当金も設定して過大評価でなく過小評価に設定する決算書と言うのはすごいと思います。
また決算は一年ではできないのでその決算を複数年にわたって創り続けているのもすごいなと。改めて京セラさんの凄まじさを感じました。上記の言葉ですが、そういった美しい決算書をみんなで創り上げる
「1人では早く行ける、しかし大勢なら遠くまで行ける」
塾長が創業すぐに理念を変えた話がありましたが、この多くの人を食べさせるためにはなんとしても会社をつぶさず仕事とってこないといけない、と思ったのは正に「重荷が人を作る」だったように感じます。自分ももっと重荷を背負わないと。
震災体験に学ぶ
地震の場合は、建物に入れなかったり余震が続いたり、いつまで経っても被災状況の確定ができず、お見舞いを渡せませんでした。一ヵ月ほど経ったとき、「ここまでの状況でいいから、早くお見舞いを出しなさい」という指示を出しました。やはりお見舞いが出ると、社員は元気になります。
経営者は体力と気力の最低限の部分は温存しなければならないということです。経営者は最後の五%でも一〇%でもいいから体力を残して、不測の事態に備えるべきです。また不測の事態が起こったら、頭をクールに熱意を持って、誰にも負けない努力をすればいいのではないでしょうか。
【気付き】
まさかのときにどのように対応できるのか。
機関紙を読んでいるうちによく考えるようになりました。
最後のときに備えて、財務も気力も貯めることの大切さです。
京セラミタV字回復の秘訣
稲盛名誉会長が社長の頃は、定例幹部会が毎月ありました。私の発表は10分ほどですが、前日はほとんど眠りません。自分の一か月の数字を頭に叩き込むわけです。「お前の所の人件費率は?」と聞かれて、即座に答えられなければ、「そんなこともわからないのか!」となります。ですから、数字はすべてそらんじました。
稲盛名誉会長は、経営というものは白いキャンバスに向かう芸術家と同じだと言われますが、それは数字なのです。数字がすべてです。数字があがっていなければやったことになりません。
自利利他を分かりやすくいえば、「どういう感動を与えられるか」ということだと思います。「素晴らしい」「よくやった」「ありがたい」と、すべてのことに対して相手がそう思ってくれるかです。
【気付き】
最近フリーランスの方と話をして気付いたのですが、何と刹那的に生きているのかだったり、浮いた葉っぱのようにふらふらしてるのか、と違和感を感じたことがあります。10年前の当時わたくしも同じようなものだった気もしますが、役割が増え、ハードにやらないと仕事増えない、となって置かれた環境にすごく依存するなと感じます。
仕事の哲学もあるんですが、1人で仕事するよりも、複数人を率いると当然率いる理由と言葉が大事、哲学がないとやれないんです。やりたい仕事ややりたくない仕事など言う暇あるならやりきる。
自分自身の反省も含め、自戒も含め、意識を変えないといけない。
あの日あの時 稲盛和夫氏[第40回]
「経営は哲学だ」という基本があって、そのうえで「企業を永遠に栄えなければ、経営者の責任は全うできない」という強い信念をお持ちでした。
「そのためにはお客様を大事にしなければならない。それに徹してビジネスを展開していく。言われるままに注文をいただいて、それをなんとかつくって納める」というのが、基本的な考え方なのです。
経営の真髄だと思うのですが、「城盗り」の話をされたことがあります。まずは、土台をがっちりつくり、本城を固める。ここをしっかりしておかなければ、ビジネスの展開はできない。どうしてもビジネスを大きくするには、隣の城を盗りにいかなければならない。このときにどういう部隊を出すのかということです。
本城を弱くできないから、トップは出せない。二番手、三番手を外に送る。あるいは自分が引き連れていく。勝てばいいし、負ければ帰ってこなければならない。勝てばいいし、負ければ帰ってこなければならない。そして、負けた時に留守中に本城が他の敵からせめられてなくなっていたのでは、もう帰るところはないというわけです。
【気付き】
最近フリーランスの方と話をして気付いたのですが、何と刹那的に生きているのかだったり、浮いた葉っぱのようにふらふらしてるのか、と違和感を感じたことがあります。10年前の当時わたくしも同じようなものだった気もしますが、役割が増え、ハードにやらないと仕事増えない、となって置かれた環境にすごく依存するなと感じます。
仕事の哲学もあるんですが、1人で仕事するよりも、複数人を率いると当然率いる理由と言葉が大事、哲学がないとやれないんです。やりたい仕事ややりたくない仕事など言う暇あるならやりきる。
そして、戦のときに本城を守る話とその人材について説いています。
たくさんの経験もったベテランも大事ですが、周囲の営業や税理士や弁護士やいろんな方をみていると、その人のために一所懸命やってくれる情熱もすごく大事だなと思います。
情熱ないといくら経験あっても自分の納得いくような解決方法や課題解決が生まれないような、そんな気がします。なので、自分自身が何よりも情熱あれば事業に邁進するのが最もよい。
自分が行って勝てれば二番手三番手を出していく。