塾長講話「経営の使命と人間の本質」
同じことを他の塾の開塾式でも感じましたが、これは私どもも含めて家庭における子どもの教育ができていないからです。中小企業を経営している両親を尊敬できないような、生意気な子どもに育ててしまい、「親がやっているような中小企業なんて魅力がない」と小馬鹿にし、
自分は頭がいいと思っている。
この会社は、全従業員を幸せにするためにつくったのですから、あなたみたいにデタラメに仕事をしてもらっては困るのです。あなたは営業でしょう。そのあなたは今朝どこへ行っていたのですか。私は見ていませんが、パチンコ屋に行っていたのと違いますか。
気付き
営業なら顧客の獲得、エンジニアなら全体の生産性を改善する、変化をもたらすことが仕事。この辺ができない人材は道具に成り下がるし、AIに代替されていくのですが、そのことを理解させないといけないし、それが全員の幸せを願うことの具現化である。
そして、最終は経営をよくして会社を強くする、従業員も満足し、顧客満足も増え顧客も増える、という現実が最も理想の世界。親の仕事をバカにするのは若気の至りでわかるのですが、現実を直視できないので仕方ないものです。
経営者は労働者を搾取している、とうたうのは勝手ですが、人件費給料分も仕事しない給料泥棒に限って自己正当化のために結構うるさく言う傾向が強い感が、多少偏見ですがあります。
山中 泰宏〈京都〉旭金属工業株式会社 代表取締役社長
私自身も、社員あっての会社だと思っています。会社があって社員があるのではなく、社員があっての会社なのです。ですから、社員をいかにやる気になるようにさせていくかを考え
社員が本当に喜んでくれるような、物心両面の幸福を感じながら本気で付いてきてくれるような会社経営が非常に大事だと思っていま
す。
気付き
社員についてですが最近採用の話で、内定取消あったけど学生に一定の支払いが企業からあったという昔の話をききました。リーマンの頃です。
全社員の物心両面の幸福なのですが、その内定取消しになった学生が
「自分の従兄弟ならどうか、甥っ子ならどうか」
という視点は正しい始点に感じます。
家族の視点や、小学生や少年がみたときにどう思うか、というプリミティブな
視点から物事を考えると、男なら矜持があるし覚悟をみることができると思うのです。どんな背中見せたいか、謙虚でかつ真摯な男像をみせるには?という視点は実に物事を明確にします。
株式会社オオクシ 代表取締役 大串 哲史〈千葉〉
結果理美容業三十六万店、コンビニエンスストアの約六倍というオーバーストアに加え、
この十数年の厳しい経済状況の中で売上を落とすことなく、十五年連続で二ケタ成長することができました。
「不況の時こそ、業績を伸ばさないといけない」と教わっていますので、少しでも結果を出すことができてよかったと思っています。
そのミーティングで話したことや、その場で 話に出た問題や課題、受けた質問に対して答えなどを、レポートにまとめ、毎月全従
員に配り続けました。このミーティングレポートを配り始めて、今年でちょうど十年になります。トータル九百ページを超えました。
塾長は、創業者の後を継いだ者が創業者の悪口を言うことを、お許しになりません。「何があっても感謝しなさい」とおっしゃいます。
私はある時、ハッと気付きました。「いいものだけを取ろうと思っている、お前の心はろくな
ものではない」ということを、塾長はおっしゃ りたいのではないかと思ったのです。
「継ぐということは、いいことだけではなく
悪いことも継いで、初めて継ぐということなのだ」と教えてくれているのだと。
気付き
900ページ、10年、の膨大な量でもう語る言葉は不要です。
最近前の会社の方に会いましたが、当時からしっかりしていた方で今も変わりませんでした、立派に経営をされているそうで、いい刺激受けました。
ちなみにちょっとだけ雑談をしたところ、当時から冴えてる方の話もたくさんいろいろ、そうでない方もいろいろ、ということは、業務や職務や環境はやっぱりあんまり関係ないのかな、と何かいろいろ思った次第です。
美容業という競争が多い業界でもしっかり選ばれる会社つくり、素晴らしいと思いますし、どの業界だからいい、はないのだと。
三谷 淳〈横浜〉未来創造弁護士法人 代表弁護士
私はこれからも「日本一裁判しない弁護士」
として、塾長に教わった利他のすばらしさを広め、少しでも紛争の少ない社会をつくっていきます。そしてこの理念に共感してくれる仲間を増やし、二〇二五年までに八十人の仲間と商二十五億円を達成し、納税を通してこの国に
貢献します。
気付き
紛争のない弁護士社会、いいなと思います。
こういう伝わりやすい理念は、どんどん広まりリファラー採用も増えます、誰かが評価・判断するとそれなりに周囲から着目されるメリット。
手術の前に手術しない方法を探る、予防歯科的な発想です。
そうすると顧問先での関与方法が積極的になるはずですし、訴訟にならないためにも予防でこういった書式や内容で合意形成を行うべきです、という働きかけになるはず。まだまだ余地は多々あるように感じます。
高屋 龍一〈あおもり〉有限会社眞心堂 代表取締役
塾長がおっしゃる通り、登る山が違えば、準備も持っていくものも違うように、「何のため
に」という目的が違えば、すべての判断基準は 違ってきます。正解も変わってきます。それが
頭ではなく心の底から、思いから伝わっていな
ければ、ベクトルを合わせ、団結し、一丸になることなどできません。
ある本で、労働時間の紹介が掲載されていました。
・キュリー夫人:一年五千時間を三十年
・ヘンリー・フォード : 五千五百時間を三十年
・エジソン :六千時間を四十年
・稲盛塾長 : 五千時間を三十年
・本田宗一郎氏 : 五千時間を三十五年
とありました。
必死の十年が過ぎ、なんとなく最近は一服感がありましたが、
再度気を引き締め、継続していきたいと思います。
気付き
何の山に登るのか、クレアネットでも大きな山を経営計画で毎年
発表しています。今年はクリアしましたが、まずは山の頂を作ること。
この山や旗を振るのは経営者のトップの役割。
そしてクリアするためには圧倒的な没頭する時間。
塾長でも5000時間を30年、圧倒的です、1日13時間×30日で400時間程度。
これを12ヶ月でさらに30年。できる人はこんなものです。
スタッフにも共有しておきます。
塾生企業の社員に聞く「私のフィロソフィ」
「現在の回復は奇跡的 です」と言われました。リハビリを終えて、出
社した時、ある従業員から「回復したのは、神様から『あなたはまだまだ生きて行うことが
ある。必要な人間だ』として生かされているの じゃないかな」
気付き
アスカコーポレーション様のスタッフ様紹介があります。
仕事するにも自分ではない何かが使命をまだ果たしなさい、と言っているという考え方は実に共感します。
自分の意思ではない何かがあって、それによっていい具合に作用していく話ですが、まさにこれなのかなと思います。うまくいけば縁や偶然だった、みたいな話ですが、スタッフの仕事なんかみてるとそういう考え方になるには時間がかかるのかなとも感じます。
あくまで自分が主役、私はデザイナーだからデザインをしたいんです!というスタッフの違和感をどのように気付きを与えるのか。